脇役のあの子が以前、雑誌で取り上げたジョイント・ローラーだった件。
映画『ジョーカー』を観て、俳優ホアキン・フェニックスへの想いを再び熱くしている人、少なくないのではないでしょうか。私もその一人です。
以来、年末にかけて彼の過去の出演作品を、マイペースに再鑑賞してきたのですが、その中でふと気になったのが、
2018年の映画『Don't Worry He Won't Get Far on Foot(邦題:ドント・ウォーリー)』。
米国人・風刺漫画家のジョン・キャラハンの半生ーー、交通事故で胸から下が麻痺、そこからの再起を描いた同作。
ジョン・キャラハンをホアキン・フェニックスが、
また、彼の再起を支える彼女役を、リアルガールフレンドのルーニー・マーラが演じるといういろんな意味でハートウォーミングな作品なのですが、
再び鑑賞してみたところ、作中に出てくる脇役の男の子が妙に気になった。その脇役とは、ホワンキン・フェニックス扮するジョンが下半身麻痺になったところから出てくる、彼のホーム・ヘルパー (ケアテイカー)。
ホーム・ヘルパーなので、車椅子生活の彼を支えるのが仕事なのだが、なんだかぶっきら棒で気が利かず、ホスピタリティー精神があるのかないのかよくわからない…、はっきりいって、肢体不自由者のケアテイカーとしては、アンプロフェッショナルな青年なのだ。
ロン毛な上に、うつむきがちで、顔がはっきり映るシーンが少ないのだが、それでも、時々映る横顔はなんかは、彫りが深くてなかなかのイケメン。どっかで観たことあるような、なんて思って、鑑賞後に調べてみたらビックリ。
以前、HEAPSマガジンで取材した、プロの“ジョイント・ローラー”(ウィードを巻く人)、トニー・グリーンハンド(Tony Greenhand)ではないか。
ウィード(マリファナ)を巻く際にウィードペーパーで、タバコのように細く筒状に巻くのではなく、スパイダーマンやピカチュウなど立体オブジェにするーーー、というアーティスト。「吸えるアート(Smokeable Art)」というのを、比較的はやい時期からやっていた子でした。
映画の舞台はジョン・キャラハンが暮らすオレゴン州で、そういえば、トニー・グリーンハンドもオレゴン州の小さい町(どこだったかな…)に住んでるって話だったな、なんてことを思い出したり。
この動画によると、監督のガス・ヴァン・サントから突然、Facebookのメッセンジャーで「映画出たい?(Hey buddy, you wanna be in a movie)」と連絡が来たのだとか。
「ジョークだと思ったよ」
「君にぴったりの役だと思うから、興味があったらスクリプトを読んでみて、って言われて。で、その役のスクリプトを読んでみたら、とにかく仕事ができない奴でさ。仕事ができない役が俺に『ピッタリ』ってどういうこと? って感じだったけど」
なんてことを語っている。(ちなみに、動画によるとオレゴン州のアルバニー在住とのこと)
ウィキペディアによると、監督もオレゴン州在住らしいので、監督は彼に「オレゴン育ちの青年ならではの何か」を感じた、ということなのでしょうか…。
演技の経験はなく、この映画が初出演とのこと。
セリフの数は少なかったけれど、なんだかこう、
自分がなにがしたいのかわからい、仕事もとりあえず生活のために惰性で続けるって感じとか、
そんな仕事でも、自分が誰かの役に立ってると感じられた瞬間は、思わず表情が明るくなったりするところとか、
じんわりと伝わってきて、よかったと思います!
いやー、しかしガス・ヴァン・サントから突然FBのメッセンジャー経由で連絡くるってスゴイよね。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?