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【#ヘンな出張】③魔界劇団編【毎ターンコントロール奪取!】

みなさんどうもこんにちは、大翅(おおば)です。
今回は #ヘンな出張 シリーズ3作目の記事になります!

※簡単に言うと「ファンデッカー向けのマイナー出張紹介」です。
※このシリーズの趣旨等に関してはこちらの記事から読めます。

さて、第3回に選ばれたテーマは……

〝魔界劇団(まかいげきだん)〟
です!!

……。
そもそもみなさん、このテーマご存じですか?

アニメ出身なので知ってる方は決して少なくないと思うのですが、いかんせんイベントや大会での使用者がびっくりするくらい少ない(気がする)このテーマ。ペンデュラムということもあり、複雑な動きが多くて使いこなすのが中々に難しい……そう思われるのも仕方ないのかもしれません。

しかし魔界劇団は、意外と簡単な手順でコントロール奪取できてしまう、非常に優れたギミックを内蔵しているテーマでもあるんです。
今回の記事はそれを出張してみようという趣旨のものですが、同時に自分はこのギミックこそ劇団で一番ユニークなキモの部分だと思っています。この記事を見て、魔界劇団のことを全く知らない人や、対戦したことはあるけど……って人がちょっとでも興味を持ってくれれば嬉しい限りです。

ではでは、ぜひ最後までお付き合いください!


テーマ・カテゴリの簡単な紹介

アニメARC-Vで沢渡シンゴが使用していた、劇団モチーフのペンデュラムテーマです。2016年9月に登場&カテゴリ化。2年ほど前「フォトン・ハイパーノヴァ」で「ゲネプロ」などの超強力な新規をもらったのが記憶に新しいでしょうか。チャーミングなモンスターたちと多彩で独特な台本の数々が特徴的で、先攻でのコンスタントな妨害から後攻でのワンキルまでこなせる非常にトリッキーなテーマです。度重なる強化によって、時々大会での入賞報告が上がるくらいパワーのあるデッキに仕上がっています。


★出張パーツの紹介

さっそく今回出張するパーツを見ていきましょう!

デッキ
▸魔界劇団メローマドンナ ×2
▸魔界劇団エキストラ ×3
▸魔界劇団コミックリリーフ ×3
EXデッキ
▸魔界劇団ハイパーディレクター ×2
▸魔界劇団スーパープロデューサー ×1

メイン8枚、エクストラ3枚、計11枚の出張です。
各カードの効果にも軽く触れておきます。

▸魔界劇団メローマドンナ

魔界劇団のメインエンジンその1。Pスケールは0。モンスター効果は①Pモンスター戦闘破壊時に手札からss②墓地の台本数を参照して火力増強③台本発動時にデッキから劇団員をリクルート、というもの。ペンデュラム効果ではライフを支払うことでデッキから好きな劇団モンスターをサーチできます。この効果の発動後、劇団Pしか特殊召喚できない縛りがつきます。最強初動ではあるものの、制約が重いためやや素引きを嫌って2積み。

▸魔界劇団エキストラ

魔界劇団のメインエンジンその2。Pスケールは3。モンスター効果で自身をリリースし好きな劇団モンスターをPゾーンに置くことができます。この効果の発動後、劇団モンスターしか特殊召喚できない縛りがつきます。またペンデュラム効果によって相手フィールドにモンスターがいる場合、自身を特殊召喚することができます。最強初動&引き得なので3積み。

▸魔界劇団コミックリリーフ

この出張の要です。Pスケールは8。ペンデュラム効果により、自分の劇団Pモンスターと相手モンスター1体のコントロールを永続的に入れ替えその後自壊します。なお奪ったモンスターは攻撃・効果の発動等においてなんら制約が発生しません。(モンスター効果は割愛します)初動にならないもののコントロール奪取1回につき1枚必要になるためとりあえず3積み。

▸魔界劇団ハイパーディレクター

魔界劇団のメインエンジンその3。Pゾーンのモンスターを自身の場に特殊召喚しつつ、そのモンスターとは異なる劇団員をPゾーンに置くという効果を持ち、この効果の発動後、劇団モンスターしか特殊召喚できなくなります。リンク1の名に恥じぬぶっ壊れカードです。たまーに2枚使うため2積み。

▸魔界劇団スーパープロデューサー

ゲネプロと一緒に登場した新規のリンク2。悪魔族を含むモンスター2体で出すことができ、お互いのメインフェイズに自分の表側カードを1枚破壊することで、デッキからフィールド魔法「ファンタスティックシアター」を置くか、劇団員をPゾーンに置くことができます。超強いけれど2枚以上使うことは少ないので1積み。


★このパーツの動き

今回の出張パーツがどんな動きをするのか、実際に見ていきましょう!

初手はいくつかパターンがありますが、とりあえずマドンナorエキストラのどちらかを素引きすればOKです。動画ではエキストラから動いてみます。
コントロール奪取ですので後攻を想定しています。

1.エキストラ発動
2.エキストラef自身ss
3.エキストラefマドンナ置く(コスト自身)
4.マドンナefリリーフサーチ
5.リリーフ発動
6.P召喚(エキストラ)
7.リリーフef入れ替え(対象エキストラ&任意)

めちゃくちゃ簡単な手順ですね。たったの7手!
コミックリリーフの効果により自分の場にはコントロール奪取したモンスターが、相手の場には送り付けた攻撃表示のエキストラ(攻撃力100)が棒立ちしています。先述の通り奪ったモンスターは攻撃や効果の発動等においてなんら制約が発生しないため、以降はまるで自分のカードのように扱うことができます。エキストラを自身の効果でssしたので(制約はつくものの)一応召喚権が残されており、さらに1枚初動のマドンナがPゾーンに残っていることで毎ターンモンスター奪取の展開を取れる構えです。

直接的なモンスター数の増減が起こっておらず、ペンデュラムデッキということもあって単純なアド数でカウントするのは難しいですが、やはり対象に取れさえすればどんなモンスターでも永久に奪うことができるという利点は非常に強力で、体感数アド分くらいは生み出してくれていると感じます。


★この出張の強み・弱み

強み

永続的かつ無制約なコントロール奪取
コミックリリーフの効果により、自分の劇団Pモンスター(動画ではエキストラ)を送りつけながら相手モンスター1体のコントロールを永続的に奪うことができます。遊戯王カードは数多しと言えど、簡単に打てる永続的なコントロール奪取(しかも効果を使えて攻撃もできるもの)は未だにさほど多くないので、稀有な強みと言えるでしょう。

初動の安定感
3積みのエキストラ、2積みのメローマドンナがともに1枚初動になっていることに加え、リンク2のスーパープロデューサーも自分のカード1枚(自分自身も可)を破壊して劇団員を持ってこれる初動カードなため、動きの安定感・再現性はかなり高いです。プロデューサーは悪魔族含むモンスター2体で出せるため、混ぜ物デッキでぽろっと出すことができる点もgood!

リカバリー力とキルへの貢献力
動きを妨害されたり置かれたままのマドンナを除去された場合でも、再び初動を素引きしたりリンク2を出したりすればコントロール奪取効果を打ち直せることから、リカバリー力に優れていると言えます。また劇団モンスターを送り付ける効果が意外に偉く、特にエキストラを送り付けると奪ったモンスターの打点がほぼそのまま通るので、ライフ削りへの貢献がかなり高いという副次的な利点があります。

エキストラの雑なss効果
エキストラは1枚初動でありながら相手の場にモンスターがいれば出られるというパンクラよりも緩いss条件を持っており、この効果の発動自体には制約がつかないため、雑に出張しても手札で腐りにくい強カードです。

リンク1の隠された効果
リンク1のハイパーディレクターはPゾーンの劇団員を特殊召喚しつつ別の劇団員をPゾーンに置くことができるぶっ壊れカードですが、実は特殊召喚するカードはペンデュラムモンスターならなんでもいいという隠れた強みがあります。つまり下級劇団と一緒に素引きするだけでどんなペンデュラムモンスターも場に出すことができるわけです。
少しずつ上質なコントロール奪取カードが増えてきている昨今、あえてこの出張を使う強み・差別化ポイントはここかなと考えています。なにより選択肢が膨大なので考えるだけですごく楽しいですしね。

弱み

あまりにも重すぎる制約
リンク1、エキストラ、メローマドンナの主要カード3枚それぞれに劇団縛りのつく効果が存在します。したがってターンの最初にコントロール奪取してそのあと快適に展開~といった動きはまずできないです。せっかくスケール0-8が揃ってもそのタイミングではほぼ確実に劇団縛りがついてしまっているため、劇団員以外のペンデュラム召喚でさえ難しいでしょう。出張としてはとても苦しいデメリットです。

ゴミの多さ
コントロール奪取効果の使用後にコミックリリーフは自壊してしまうデメリットを持っているため、効果を打ちたい回数分積む必要がありますが、こいつだけ素引きしても初動になりません。リンク1のおかげでもう1枚ペンデュラムを引いていれば動けますし、エクストラの劇団もPゾーンに戻せるため完全に使い切りとはならずに済むものの、手間が増えたりマドンナを送る羽目になったりと中々融通が利きにくいので、枚数については慎重に検討する必要があります。

リンク1の処理
ハイパーディレクターは確かに最強の効果を持っていますが、展開直後に劇団縛りをつけてしまうせいでうっかりしていると攻撃力800のサンドバックを盤面に残すハメに。新規でリンク2が来たおかげでだいぶ処理しやすくなりましたが、今でも特にマドンナの効果を使った後だと出せなくなるので注意が必要です。


★出張パーツ拡張案

劇団の出張で一番ネックになるのはやはり制約の重さ・付きやすさです。ただしあくまで効果を使った後に発生するものばかりですので、先にほかの展開を済ませておけば動けないこともありません。というわけで今回は、少し前に新規が来て環境にも顔を出すようになった〝幻奏(げんそう)〟と組み合わせた案をご紹介します。こんな動きもできますよ、という参考になれば。

初動は「オスティナート+劇団下級1体」です。一番素引きが弱いコミックリリーフで考えてみましょう。先攻の展開例です。
なお、劇団の出張カードを2種類増やしています

1.オスティナートefバッハss(ルフラン&クープレ)
2.バッハefルフランss
3.ルフランefクープレサーチ
4.クープレefルフラン蘇生
5.クープレ発動
6.クープレef幻奏協奏曲サーチ
7.マスカレss(使用バッハ&ルフラン)
8.バッハefクープレ蘇生
9.エレクトラムss
10.エレクトラムefジャッカル置く
11.エレクトラムefジャッカル回収(対象クープレ)
12.エレクトラムefドロー
13.ジャッカル発動
14.リリーフns
15.ディレクターss
16.ディレクターefマドンナ置く(対象ジャッカル)
17.プロデューサーss
18.マドンナefホープサーチ
19.ホープ発動
20.ジャッカルefカウンター2つ置く
21.ホープefスケール変更(対象マドンナ)
22.P召喚(リリーフ)
~相手ターン~
23.プロデューサーefシアター置く(対象ホープ)
24.ホープefエキストラサーチ
25.マスカレefアストラムss

最終的に盤面にはマスカレを踏んだアストラム+キングジャッカル、そしてプロデューサーの効果で置いたフィールド魔法(+エキストラ)が並び、手札にはエクストラムによる1ドロー、ワイルドホープでサーチしたエキストラが加わっています。盤面で2妨害用意している状態です。

まずキングジャッカルについて。この展開ではエレクトラムでサーチ+ディレクターでssしており、要するに「任意のペンデュラムモンスターをサーチ&特殊召喚するコンボ」となっています。今回は分かりやすい妨害としてジャッカルを選んでみましたが、選択肢はペンデュラムの数だけ存在しますので、みなさんのお好みのモンスターを選んでいただければ大丈夫です。

次に劇団のフィールド魔法について説明します。

今回注目して欲しいのは②の効果で、このカードとP召喚した劇団員が場にいれば「相手のモンスター効果を一度だけ書き換える」というものです。実はこの効果はチェーンブロックを組まず、相手が一番最初に発動したモンスター効果の処理時に強制的に適用される仕様になっています。「ライゼオル・クロス」に近い、と言えば分かりやすいでしょうか。劇団においては長らく「強いけど使いにくい効果」という扱いを受けていましたが、リンク2のプロデューサーが登場したことで自分・相手のメインに場に引っ張ってこれるようになったため、相手のモンスター効果にチェーンしてプロデューサーの①の効果を発動すると元の効果が「こちらのバックを破壊する効果」へと勝手に書き換わり、実質1妨害として機能するわけです。初見の相手に使うと驚かれすぎて逆にこちらが驚くくらいにはヘンな効果と言えます。

新たに採用している劇団カードのもう一方、ワイルドホープは破壊時に劇団員をサーチできるモンスターで、ピン積みしておけば毎ターンP召喚するだけで壁&後続確保の役割を果たしてくれます。これら2枚がなくとも特に展開に支障はありませんが、積んでおくと動きの幅が広がり、アドを稼ぎやすくなるためおすすめです。

ちなみにオスティナートではなくルフランを引いている場合でも、以下のような展開ができます。この展開ではサーチした幻奏協奏曲が腐りません。

1.ルフランns
2.ルフランefクープレサーチ
3.クープレ発動
4.クープレef幻奏協奏曲サーチ
5.幻奏協奏曲efバッハss
6.鎖①バッハefルフランss
7.鎖②ルフランef自身置く
8.ルフランefルフラン落とし(対象バッハ)
9.ビヨペンss
10.鎖①幻奏協奏曲efドロー
11.鎖②ビヨペンefジャッカルサーチ
12.鎖③バッハefルフラン蘇生
13.リリーフ発動
14.P召喚(クープレ&ルフラン&ジャッカル)
15.デュガレスss(使用ルフラン×2)
16.デュガレスefルフラン蘇生
17.エクペンss(使用ビヨペン&クープレ)
18.エクペンefクープレ回収
19.クープレefルフラン蘇生
20.エレクトラムss
21.エレクトラムefホープ置く
22.エレクトラムefホープ回収(対象リリーフ)
23.エレクトラムefドロー
24.クープレ発動
25.ジャッカルefカウンター2つ置く
26.エクペンefホープss
27.シンギュラリティss
28.ディレクターss
29.ディレクターefホープ置く(対象クープレ)
30.プロデューサーss
31.プロデューサーefマドンナ置く(対象ホープ)
32.ホープefエキストラサーチ
33.マドンナefリリーフサーチ

最終盤面がシンギュラリティ+プロデューサー+ジャッカル(+マドンナ+リリーフ)で、手札が劇団員2体+2ドローになります。
シンギュラリティは単体で妨害になるから使っているだけで、要はリンク6までの好きなモンスターが出せると思っていただければ。プロデューサーによる妨害がなくなる代わりに劇団員を4体確保、デッキから同じく任意のペンデュラムを出しつつ幻奏曲+エレクトラムで2ドローできる展開です。こう見えて手順29までは縛りが特についていないため、ルフランからでも結構色々と動けていることが分かりますね。

展開の順番は多少複雑ですが、こんな感じで色々なモンスターを経由していくとデメリットを補いつつそこそこ自由な盤面を作れたりします。後攻ならさらにコントロール奪取が追加されるイメージですので、意外に強力な、それでいて小回りの利く出張パーツなんじゃないでしょうか。


その他補足事項

今回の出張セットには入れていないカードたちを軽く紹介しておきます。

・カーテンライザー
単体で出張されている姿をよく見る劇団カードです。自分の場に誰もいなければデュエル1で特殊召喚できますが、回収効果を使うには台本を積む必要があるため、場に+1するだけのカードになりがちです。これといって仕事がないため今回は入れていません。

・ニビル
元来魔界劇団と相性のいい手札誘発です。相手の盤面を一掃した上でトークンを強奪すると簡単にキルを狙えるようになります。ただし使ってみると分かりますが、環境レベルには刺さりづらくファンデッキ相手にはガン刺さりしてしまうので、使いどころは注意が必要です。

・壊獣&ラヴァゴ
相手の盤面を崩しつつ奪取することで高打点をそのまま利用できます。ニビルと似た要領ですね。エキストラorマドンナから入れば召喚権を使わないため、ラヴァゴも選択肢に入るのが嬉しいです。

・悪魔族主体のデッキ
初動のひとつであるリンク2のプロデューサーは悪魔族を含む2体で出せるため、悪魔族主体のデッキで余ったパーツを使って劇団の展開に持ち込むことができます。破械、イビルツイン、デーモン、最近ではユベル等、時には自分のカードを破壊する効果も活かしながら組んでみてください。

・任意のペンデュラムモンスター
強みでも紹介した通り、この出張ではリンク1の効果であらゆるペンデュラムモンスターを場に出せて、同時に初動としても扱うことができます。制約が付くとはいえ無限のポテンシャルを秘めているのは確かで、ペンデュラム系統のデッキなら雑に入れておいてもそれなりに働いてくれるかと。現状極めて相性のいいペンデュラムカードは少ないように思いますが、これからもペンデュラムは増え続けますから、そこは今後に期待ということで。


おわりに

今回は魔界劇団の(たぶん)マイナーな出張案を紹介しました!
そもそも使っている人自体が少ないテーマですが、ギミックの奇抜さ、イラストの素敵さ、単純なパワー、どれをとっても申し分ない最高のカードたちです。この記事を読んで興味を持った方がおられたら、ぜひぜひOCGでもマスターデュエルでもどんどん試してみてください!

これからもこんな感じでたまーに変わった出張を紹介していきますので、少しでもいいなと思ったらスキ・拡散等お願いいたします!
最後までお読みいただきありがとうございました!



おまけ
ディレクターもプロデューサーも脚本家も出て、次はどんな裏方が出るんでしょうね。警備員とか……?👮‍♂️


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