【#ヘンな出張】①捕食植物編【毎ターン壊獣効果!】
みなさんどうもこんにちは、大翅(おおば)です。
今回は #ヘンな出張 シリーズの記念すべき1作目の記事になります!
さて、第1回に選ばれたテーマは……
〝捕食植物(プレデター・プランツ)〟
です!!
………あれ?と思われた方も多いでしょう。
「捕食植物の出張って全然ヘンじゃなくね?」と。
たしかにオフリス・スコーピオ&ダーリング・コブラのセットは遊戯王出張界における押しも押されもせぬ超ビッグネームであり、知らない方がむしろ珍しいんじゃないかってレベルのカードです。「融合」「フュージョン」系を手札に加えながら盤面にレベル3を2体並べられ、宇宙創造と見紛うほど多様な展開につなげることができます。少し前に規制緩和されたこともあって、今こそ使いたい出張セットと言えるでしょう。
ですが、なんと!今回はこの2枚は使いません。
なぜなら捕食植物には、まだ他にとてつもなくユニークな出張パーツが眠っているからです。
たぶん巷ではあまり見かけない「ヘン」な出張セットだと思います。捕食植物の持つ一風変わった魅力を、この記事を通じてみなさんにお届けできたなら執筆者として嬉しい限りです。
ではでは、ぜひ最後までお付き合いください!
テーマ・カテゴリの簡単な紹介
捕食植物(プレデター・プランツ)は植物を模した恐竜・昆虫などの生物群からなる、なんとも妖しげでクールな雰囲気のテーマです。初出は2016年7月、直近では2022年1月の「ディメンション・フォース」で強化を受けています。1体を除いて他全員が植物族であり、強力な融合モンスターを多数抱えながら新規でペンデュラムも増えたことで、非常に多彩な動きのできるテーマになりました。 大会シーンでは烙印などと組み合わせて使っておられる方が多い印象です。
ちなみにテーマ内に禁止カードがあります。残念でもないし当然。
★出張パーツの紹介
さっそく今回出張するパーツを見ていきましょう!
メイン8枚、エクストラ3枚、計11枚の出張です。
各カードの効果にも軽く触れておきます。
▸捕食植物ブフォリキュラ
新規ペンデュラムの内の1体です。Pスケールは0。モンスター効果は融合素材となった場合EXデッキの闇ペンデュラムを回収するというもの。この出張ではトリアンティスを回収します。ペンデュラム効果は闇属性専用の融合です。ぜひとも手札に引きたいため3積み。
▸捕食植物トリアンティス
新規ペンデュラムのもう1枚です。Pスケールは8。モンスター効果は融合素材になった場合に捕食カウンターをばら撒くというもの。またペンデュラム効果でPゾーンのモンスターも融合素材に使えるようになります。ブフォリキュラで使いまわせるので1積みにしていますが、こちらもぜひ引きたいカードであるため増やしてもOK。
▸捕食植物ビブリスプ
新規のペンデュラムじゃない奴です。①の効果は墓地に送られた場合に捕食植物モンスターをサーチ。②の効果はフィールドの誰かに捕食カウンターが置かれている場合に自己蘇生できるというものです。貴重なサーチ要員でありつつ頭数も増やせる最強カードなので3積み。
▸捕食植物ドロソフィルム・ヒドラ
今回紹介する中では唯一の非新規勢であり、この出張の要です。①の効果により捕食カウンターが置かれたモンスターをリリースした場合に手札・墓地から特殊召喚できます。これは起動効果・誘発効果・誘発即時効果・永続効果のいずれにも分類されません。要は壊獣みたいな効果と思っていただければ。また②の効果ではいつでもフィールドのモンスター1体の攻撃力を500下げられます。1枚で十分なので1積み。
▸捕食植物アンブロメリドゥス
新規の融合枠です。素材として捕食植物を2体要求してくるため出すのはやや大変。①の効果は着地時に捕食植物関連カードをどこからでもサーチ。②の効果は自分のモンスターまたは捕食カウンターが置かれた相手モンスター1体を効果でリリースして捕食植物を特殊召喚。ぶっちゃけ2体で十分ですが、死ぬほど強いためとりあえず3積み。
★このパーツの動き
今回の出張パーツがどんな動きをするのか、実際に見ていきましょう!
初手は「ブフォリキュラ+トリアンティス」です。
ただしビブリスプを絡めた動きを見せたいため、今回は「ブフォリキュラ+ビブリスプ」で展開します。
相手の場にモンスターが2体いる想定です。
最終的にフィールドにはアクセスが棒立ちしています。
え?たったこれだけ?とお思いのみなさん、よくよく見ると結構凄まじいことしてるんですよ、この展開。
相手の場のモンスターを2体処理しつつ、自分の場にリンク値4を出力しています。しかもペンデュラムが2体とも帰ってきているため手札損失は完全な0であり、ビブリスプの蘇生効果も使用すれば単純なアド数として脅威の+7を叩き出してくれちゃいます。
そして何より注目してほしいのが、これ以降トリアンティスでカウンターを撒き続けられるため、アンブロメリドゥスが尽きない限りドロソフィルム・ヒドラの壊獣効果を毎ターン使える点です。ヒドラは相手の場を1減らしつつ自分の場を1増やすモンスターですので、アドの観点から見ればもはや壊獣の上位互換と言ってしまっても過言ではありません。毎ターンブフォリキュラとトリアンティスで融合を繰り返しているだけで、相手の盤面を何度もズタズタにできてしまうんです!
★この出張の強み・弱み
強み
①アド稼得能力
前述した「壊獣効果」+「高リンク値出力」+「手札損失なし」というサイクルによって、毎ターン継続して凄まじいアドを生み出してくれます。セット全体がコンパクトにまとまっており、デッキ・EXデッキの枠をほとんど圧迫しないのもgood!
②召喚権を使わず縛りもつかないスケール0ー8
ブフォリキュラ+トリアンティスを素引きしたり、ビブリスプを手札コストとして切ったりすれば召喚権は使う必要がなく、捕食植物のみしか出せなくなるような制約も一切つきません。さらに毎ターンPスケール0ー8を貼れるため引いてきたレベル1ー7の任意のモンスターをP召喚することもできます。2ターン目以降は使用済みのブフォリキュラをEXデッキから出すことで、盤面にリンク値を足せるおまけまで!
③盤面の自由度
今回の展開動画では見やすさを考えてトロイメア・ユニコーンとアクセス・コードトーカーを出していますが、ヒドラを墓地に送れさえすればよいためかなり自由な盤面を作ることができます。ビブリスプも蘇生してやれば実質好きなリンク5モンスター発表セットです。
弱み
❶初動率が低い
この出張パーツ最大の弱みです。ブフォリキュラ、トリアンティス、ビブリスプのうち、いずれか2枚を手札に揃えないと全く動けません。何かしらのルートを用意しない限り、はっきり言って初動率・安定性は最悪です。
❷妨害がつらい
どんな出張パーツにも言えることではありますが、途中で妨害を当てられると展開が頓挫します。特に1積みのトリアンティスを除去されると以降何もできなくなりがちで、後攻で輝く出張セットであるのも輪をかけて苦しいところです。
❸効果を受けない系のモンスターが処理できない
効果を受けない系のモンスターにはそもそもトリアンティスで捕食カウンターを置くことができません。なのでヒドラが最強の壊獣効果を持っていようと、その召喚条件を満たすこと自体が不可能となっています。まあ対象耐性程度なら突破できるので十分な気もしますが……。
★出張パーツ拡張案
ここまで見てきて「うおおお捕食植物使いてええええええ!!!!!」ってなる人、果たしてどれくらいいるんでしょう。
……だって思いますよね?
「動けなきゃ意味なくね……?」って。
中々に強力なセットなのは間違いないんです。でも事故率がめちゃくちゃ高いなんて状態ではとても現実的な出張と言えません。辛辣な言い方になりますが、たった1枚のカードからワンキル・制圧などありとあらゆる動きができてしまう現代遊戯王界において「2枚揃えば最強!」なんて正直無価値もいいところでしょう。弱み❷は一応出張の強みでもあるため目を瞑るとしても、❶の弱点はやはり致命的としか言いようがありません。
結局のところ、マイナー出張の実力なんてこんなものなのか……。
否!!!!!!!!!
何を隠そう、実はこの出張最大の難点である『初動率』を劇的に改善してくれる、あまりにも最高なカードたちが存在するのです!
そのカードたちとは——?
そう!
〝蕾禍(らいか)〟です。
今年の1月に発売された「レガシー・オブ・デストラクション」生まれの新規テーマで、ちょっとした制約をつける代わりに昆虫族・植物族・爬虫類族を強力にサポートしてくれます。おどろおどろしい見た目に違わず墓地から何度でも蘇る優秀な性能を持ち、息の長い戦いを大の得意としているまさにファンデッカー御用達テーマです。つい先日、とうとうマスターデュエルにも実装されました!
なんと今回の出張パーツは、蕾禍と混ぜると劇的に安定性が向上し、のみならずお互いがお互いの弱みを補い合ってくれるんです。
以下、出張パーツの拡張案とそれを用いたロンファ1枚からの展開を紹介します。今度は相手の場にモンスターのいない先攻想定です。
最終的に盤面に大王鬼牙+マルデル+首狩舞、手札にブフォリキュラ&トリアンティス、墓地にドロソフィルム・ヒドラを落とせて、おまけで姫邪眼の2ドローもついてきます。
これら全てロンファ1枚から展開でき、しかも用いるパーツは植物メインの蕾禍が普通に使うものばかりなので、デッキにゴミを追加する必要もありません。また、仮にロンファが引けていない場合であっても毬首or狂咲からジャスミン→ロンファにアクセスできるため、捕食植物3種のうち1枚素引きするだけでほぼほぼ同じ展開ルートを辿れるようになります。毬首のss条件とビブリスプが噛み合うのも地味に嬉しく、安定感は想像以上に高いです。
盤面単体で見ると地味に見えますが、フリチェの破壊+大王鬼牙の妨害に加え、素引きした手札のモンスターを好きなだけペンデュラム召喚→追加の展開という形へ繋げていけるため、デッキの構築次第で無限の可能性を発揮してくれます。オリジナルデッキを作りたい!という人にとっては結構魅力的なんじゃないでしょうか。
蕾禍は新規の玄神憑月(クロカミツキ)によって魔法・罠の安定した除去が可能になりましたが、モンスターの除去は戦闘頼みなところがあり、元々あまり得意ではありません。一方捕食植物の出張は魔法・罠の対処はまったくできないものの、今まで見てきた通りモンスターの除去に関してはピカイチの性能を持っています。さて、みなさんもうお分かりですね?
そう、捕食植物と蕾禍は最強の相棒だってことです!!!
さあ、君も今すぐ蕾禍を組もう!!!(???)
その他補足事項
今回の出張セットには入れていないカードたちを軽く紹介しておきます。
・オフリス&ダーリング
デッキからしか特殊召喚できないオフリスと、捕食植物の効果でssされないと効果を発動できないダーリングの最悪な噛み合わせのせいで、ダーリングを素引きした場合なぜか動けなくなってしまいます。さらに手札コストを要求される上、簡易融合等モンスターを+1増やす手段を用意しなければロクに展開すらできない……。弱い要素がてんこ盛りすぎて正直使いたくないです。規制解除されたけど何年前の性能?という感じ。蕾禍は比較的初動を厚くしやすい山なので、優先すべき理由はそんなにないと思います。
・その他の捕食植物
捕食植物はむしろオフリス&ダーリング以外のカードたちの方が面白い効果を持っているように思います。例えばセラセニアントは延命&サーチを兼ねる優秀な手札誘発ですし、サンデウキンジーはブフォリキュラに次ぐ第二の融合の選択肢になり得ます。融合のトリフィオヴェルトゥムは闇を1体多く要求する代わりに結構な盤面突破力を持っているため、エクストラに空きがあるなら入れておいて損はないです。テーマカードの種類が豊富なので、ぜひ変わったコンボなど探してみてください。
・簡易融合
アンブロメリドゥスを出して1枚、効果でビブリスプを特殊召喚することでもう1枚捕食植物をサーチできるパワカです。制限カード。
オフリス&ダーリングを入れた場合はジャスミンから蕾禍展開に繋げるためほぼ必須ですが、そうでなくとも1枚でそれなりに仕事するカードなので入れておいてもいいと思います。
・植物族、昆虫族、爬虫類族のテーマ
蕾禍を使った場合植物・昆虫・爬虫類の縛りがついてしまうものの、逆に言えばこの種族であれば何でも使えるということなのでぜひお好みのテーマを入れましょう。レベル1-7ならペンデュラム召喚もできます。個人的にはナチュルを推していますが、よく見る六花や蟲惑魔、溟界などを入れてみても面白いかもしれません。
おわりに
今回は捕食植物の(たぶん)マイナーな出張案を紹介しました!
捕食蕾禍は使用者こそ多くありませんが、奇抜ながら意外にも強力なパワーを秘めている可能性の塊のようなデッキだと思います。この記事を読んで興味を持った方がおられたら、ぜひぜひOCGでもマスターデュエルでもどんどん試してみてください!
これからもこんな感じでたまーに変わった出張を紹介していきますので、少しでもいいなと思ったらスキ・拡散等お願いいたします!
最後までお読みいただきありがとうございました!
おまけ
ビブリスプのことずっとトンボだと思ってました……🐝