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小説『ドブネズミの歌』
1
アオイとの出会いは一昨日の月曜日、深夜の池袋、風俗街のすぐ近くの公園に暗い顔をして座っているアオイに俺が声をかけたのが始まりだった。
退屈が怖くて一人で酔っ払っていた俺はいっそのこと未成年でも買ってみようかと思って声をかけたら随分あっさりとホテルまで行くことが出来てしまった。正直、不安と恐怖で勃ってすらいなかったが後にも引けず、一緒にシャワーでも浴びようとアオイを脱がす。
裸になったアオイを見て、ようやく彼が男の子であったことに気がつく。すると、萎んでいた股の間のブツがみるみる大きくなっていく。自分でも俺にこんな性癖があったことに驚いた。俺は初めて男を抱いた。それも乱暴に抱いた。骨張っていて簡単に折れてしまいそうな身体を力強く抱きしめる。腕の中で涙目になっているアオイを見て更に興奮した。
全てが終わった後、全部が怖くなった。怖くて事後の写真を撮って、着いてこないとこの写真をネットで公開すると脅してアオイを連れ帰った。連れ帰る道中俺はずっとアオイの手をギュッと握っていた。多分、俺はアオイが好きだ。家に着いてアオイの両親指を結束バンドで固定して押し入れの下の段に閉じ込める。
外はもう朝で、朝日が綺麗で、岡村イツミ(32歳)は、泣いちゃった、のを覚えている。
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