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筑波ラウンドで日光チャレンジロードですって!?/VespaGP-2023シーズンRound4
写真説明)秋の入り口……いやいや、まだまだどっぷりと夏を引きずっていた9月18日にVespaGP第4戦が筑波サーキット・コース1000で開催されました。ね、青い空と白い雲が良い感じじゃないですか?
シリーズ後半戦が筑波ラウンドにてキックオフ!
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前戦の90分耐久ナイトレースでシーズンを折り返した2023シーズンのVespaGPですが、第4戦は2023年9月18日にスプリント形式で開催されました。この日は月曜でしたが祭日。そして舞台は筑波サーキット・コース1000。そろそろライダー達の頭にはシリーズランキングが過ぎっているであろう後半戦に突入したワケですから、ポイントレースについても注目していきたいところ。
それでは第4戦レースレポートをお届けしていきましょう!
【◎取材協力:VespaGP事務局 ◎写真:正井/平山/菊地 & 事務局】
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さあ練習走行でコースイン! どうなる筑波ラウンド!?
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去る9月18日(月・祭)、2023シーズン・第4戦が茨城県下妻市にある筑波サーキット・コース1000で行われました。サーキット周辺の当日の天気は晴れ時々曇り。ただし日中の気温は33.3℃を記録。つまり完全に真夏日だったと言うワケです。……そんなまったくもって秋らしさの感じられない中、筑波サーキット・コース1000にて日光チャレンジロードとの併催というカタチでVespaGPが開催されました。
この日光チャレンジロードとは、普段は日光サーキットを舞台にoffice:motokidsの主催で開催されています。これまでもVespaGPは日光ラウンドとして日光チャレンジロードとの併催による開催を重ねていて、その筑波ラウンド開催でもこれまでと同様に併催というカタチで筑波ラウンドが開催された次第なのです。
ところで、筑波サーキット・コース1000の謳い文句は「安全性と走り応えを併せ持つ、全長約1,000mの開放感に溢れたオールフラットコース」というもの。それでいて初心者から上級者まで満足できるテクニカルなコーナーで構成され、高いスピードレンジと併せて走り応えのあるコースと言えます。
その様な筑波サーキット・コース1000が舞台のVespaGP・第4戦ですが、当日のタイムテーブルは手始めに受付と車検から。VespaGPの車検は日光チャレンジロードとは分けて行われました。キレイに揃えて並べられたマシン群に対して、ライダーの一人が車検担当官として厳しくチェックしていくという流れ。合格するとトランスポンダーが手渡されるので、それを自らマシンに取り付けていきます。
その後は10分間の練習走行時間となるまで、思い思いにマシンに手をかけたりイメージトレーニングしたりして過ごします。でも見る限り、どのライダーも談笑している様に見受けられましたけど。まあ、そのユルい雰囲気と仲の良さがVespaGPの持ち味だという気もしますのでノープロブレム。加えてライダー達は走る事が大好きな仲間同士という関係性であり、それでいてコース上にいる時は真剣そのもの。なので闘志剥き出しのガチバトルによって、観る側にとって相当熱くてワクワクしちゃうレースが楽しめるところがVespaGPの魅力と言えそうです。あ、ライダーとしてこの輪に入っていくというのも楽しそうだったりしますけどね。
そうこうしていると、午前中に予定されている練習走行の時間になりました。どのライダーも限られた10分の練習という走行時間枠の中で、次なる走行時間枠である予選タイムアタックで結果を出すための準備に余念がありません。エンジンのピックアップはどうか、パワーは出ているか、ブレーキのタッチや効きはどうか、タイヤはグリップしているか、コーナーのクリップをどこにするか、タイムの出るベストラインはどこか……などなど、すべき事はいくらだってあるのです。
事務局によると、タイヤウォーマーが禁止されているVespaGPでは路面温度に合わせた空気圧の設定がとてもシビアなんだとか。それもあって、各ライダー共にグリップを確かめるかの如く慎重なコースイン。そこから尻上がりにタイムを上げてくるのは、やはりMASTER-KINGライダーの2名とMASTERライダー達。ところがこれに割って入ってくる2名のGPライダー、♯77田辺選手と♯55三浦選手が目に付きます。果たして、この二人は台風の目となるのでしょうか!?
練習走行の結果は決勝レースに反映されるワケではありません。様子見で走りをセーブしたライダーもいますから、タイムについては参考程度でチェックしていく事にしましょう。この10分の走行枠で全15名のライダー中、10名が8周、5名が7周しています。
ここで驚異的なタイムを刻んできたのが♯77田辺選手(GPライダー)で、8周目に38"935をマーク。このコースでは少し排気量の大きなマシンで40秒切りが目標値という話も聞きますので、「ベスパ速い!」と面食らいました。以下は結果表で確認していただきたいのですが、♯55三浦選手もMASTERライダー達に食い入る健闘ぶりです。
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VespaGP独自の特殊ルールがレースをもっとおもしろく
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続いて予選の結果も見ていく事にします。予選タイムアタックも走行時間枠は10分と限られていて、8名が13周、4名が12周、2名が11周を実走行。つまり多いライダーは13回の計測結果を残しているワケですが、13周目にトップタイムを叩き出してきたのが♯28佐藤(剛)選手(MASTER)です。なんと♯23宮地選手(MASTER-KING)を0.088秒上回り、堂々の予選1位。これにより予選トップに与えられる1ポイントをゲット。シリーズポイントとして加算されるため、この1ポイントがランキングに影響する可能性が大いにあるのです。
そしてMASTER-KINGの二人に割って入った♯20尾西選手(MASTER)は安定の速さですが、彼らに続く5番手の好位置につけてきたのが♯55三浦選手(GP)です。練習走行時のタイムを0.55秒詰める好調ぶり。通常スタートグリッドからのスタートという事で、十分に優勝を狙えるポジションです。
ここで称号とスタート方法など、VespaGPならではな特殊ルールついておさらいしておきましょう。まず今シーズンからの大前提としてレースのクラスが1つ(GP-Class)だけとなり、それまでのクラス区分を元にした称号が各ライダーに与えらました。この称号がMASTER-KINGライダー、MASTERライダー、GPライダーというものです。
また1クラス化された事で、それまでの混走クラス別表彰という制度がなくなりました。そのため単一表彰というシンプルな形態へと変化したワケですが、レース結果が拮抗しやすくなるよう導入されたVespaGP独自のハンデ制度の甲斐あって、称号が異なるライダーであっても取り残される事なくレース展開に絡んでいけるという面白さを発揮。
そして特殊ルールの筆頭ともいえるのがスターティンググリッドとスタート方法です。まずグリッドはリバースグリッド方式とされていますが、これは予選タイム順に後方位置から埋めていくという方法。つまり予選結果の速い順とは逆の順番になるという事です。
そして称号毎(一部異なる部分もありますが)、時間差で段階的にスタートするビハインドスタート方式も採用されています。なので最前列からGPライダー達がリバースグリッド方式で位置に着き(GPグリッド)、合図(シグナルやフラッグ)に合わせてスタートします。その後方にはMASTERライダー達と前戦入賞者がリバースグリッド方式で位置に着き(MASTERグリッド)、更にその後方にMASTER-KINGライダー2名が並び(MASTER-KINGグリッド)、それぞれが事務局の設定する時間差(ビハインドタイム=コースやコンディションによって異なります)でスタートしていくのです。
ちなみに今回はGPグリッドがシグナルのブラックアウトでスタートし、そこから35秒遅れでMASTERグリッドがグリーンフラッグでスタート。その後、MASTER-KINGグリッドが更に2秒ほど遅れて勝手にスタートするという流れで決勝レースが動き出します。
それから、今シーズンは3位まで表彰される事になったMID-TOP賞ですが、今回は予選10番手以降の5名が対象となります。凡そ初級~中級くらいのライダーばかりなので、頑張れば手の届く表彰台というのは俄然ヤル気がわきモチベーションも高まるというもの。どのレベルのライダーにもチャンスがあって楽しめるところはVespaGPの魅力の一つなんじゃないでしょうか。
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レース中盤にベストタイムを叩き出してトップ快走の三浦選手
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いよいよ決勝ですが、ポールポジションはリバースグリッドの適用により♯62飯塚選手となります。その右側には♯59菊谷選手と♯43佐藤(守)選手が並び、ここまでが1列目。2列目には左から♯27佐藤(充)選手、♯2黒住選手、♯22柳本選手が並び、3列目の♯55三浦選手までがGPグリッドです。
その後方には35秒遅れでスタートする5名が並びます。まずは♯77田辺選手。GPライダーでありながら、前戦入賞者という事で秒遅れスタートのハンデが適用されています。ここに♯7牧野選手、♯61松本選手、♯20尾西選手、♯28佐藤(剛)選手らMASTERライダーが加わってMASTERグリッドを形成。
そして最後列がMASTER-KINGグリッド。そこに陣取るのがMASTER-KINGライダーの♯5菊地選手と♯23宮地選手です。以上14名が12周で競われる決勝レースに挑みます。なおGPグリッドの♯55三浦選手と♯22柳本選手はMID-TOP賞の対象ではないため、レース終盤でこの二人に追いつけるかどうかをビハインドタイムとして設定したのだとか。
14時40分、ついに決勝レースがスタート。レッドシグナルが点灯し、それがブラックアウト。これを合図にGPグリッドが走り出します。しかし後方のライダー達は走り出しません。それがビハインドスタート方式で、設定された時間経過後にMASTERグリッドとMASTER-KINGグリッドがスタートしてレースが動き出しました。
ただしこの日は真夏日です。地域的には最高気温33.3℃を記録。それにサーキットには陽射しを遮るものが少なく路面からの照り返しもあるため、体感的な気温はもっと高かったんじゃないかと思われます。そしてそんな中、革ツナギを着用して走るライダー達の集中力が途切れないか心配になります。
当初はグリッド位置の前側×6名を追う♯55三浦選手(GP)でしたが、気づけば自身のベストタイム(46'041)を4周目に記録しつつトップで周回。これ追うのは♯22柳本選手(GP)と♯27佐藤(充)選手(GP)でしたが、レース中盤辺りになると2位争いが♯22柳本選手(GP)と♯2黒住選手(GP)へと変化していきます。
その間、終始トップで独走状態を続けるのが♯55三浦選手(GP)。ただレースが終盤に差し掛かかると、最後尾でスタートした♯23宮地選手(MASTER-KING)が4番手までジャンプアップ。そんな♯23宮地選手(MASTER-KING)と共に順位を上げてきているのが♯28佐藤(剛)選手(MASTER)と♯5菊地選手(MASTER-KING)の2名。しかし♯55三浦選手(GP)は追撃を余裕で逃げ切りトップでチェッカー。
いっぽう2番手争いは激しく、ゴールラインをほぼ横一線で駆け抜けたのが♯23宮地選手(MASTER-KING)、♯22柳本選手(GP)、♯28佐藤(剛)選手(MASTER)の3名。遠目には横一線で駆け抜けた様に見えていたのですが、実際の順位は♯22柳本選手(GP)、♯23宮地選手(MASTER-KING)、♯28佐藤(剛)選手(MASTER)の順で確定。
更に♯5菊地選手(MASTER-KING)と♯2黒住選手(GP)もチェッカーを受け、他の選手達も順次ゴールして決勝レースはその幕を閉じました。この日参加していたライダーの中で♯33尾崎選手(GP)が練習走行時の負傷により予選&決勝を不参加。そのため、全14名で競われた第4戦・筑波ラウンドとなりました。
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◎RESULT
GP-Class表彰
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※3位表彰は菊谷選手が代役で登壇
MID TOP賞
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GPライダー×2名がワンツー奪取で次戦に弾み
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見事に第4戦の優勝を手にした三浦選手。決勝でのベストタイムは予選から0.601秒落ちでしたが、大きなミスもなく終始トップを守り続ける事に成功。ハンデ制度の恩恵があったとはいえ、MASTER-KINGとMASTERといった猛者達を抑えて表彰台の真ん中を勝ち取りました。おめでとうございます!
同じくGPライダーでありながら上位称号の猛者達を抑えられた事が、今後への弾みとなりそうな柳本選手は堂々の2位。3位には宮地選手(MASTER-KING)との熾烈なバトルを制した佐藤(剛)選手。事務局からの情報では、宮地選手と柳本選手は同じ会社で上司と部下の関係なんだとか。レース結果と仕事での関係性……うーん、なんだかパワーバランスが気になっちゃいますね(苦笑)。また、佐藤(剛)選手は第4戦を振り返って「今シーズンで一番おもしろかったし、とても満足出来たレースでした」との事。両選手、おめでとうございました!
そして今シーズンから3名が表彰される事になったMID-TOP賞ですが、決勝中のベストタイムを予選タイムから0.99秒詰めた黒住選手がMID-1を獲得。平山選手(最近はエントリーの機会がない様です)によるライディングレッスンの成果が現れたのかもしれませんね。MID-2は兄弟対決を制した佐藤(守)選手が獲得し、兄の佐藤(充)選手はMID-3に。予選までマシンの不調を訴えていた佐藤(守)選手は決勝中のベストタイムで1.172秒を詰めて佐藤(充)選手を引き離す事に成功。対して佐藤(充)選手も1.200秒詰めていて、決勝中のベストタイムも佐藤(守)選手を0.181秒上まっているのですが、着順で見れば佐藤(守)選手に軍配が上がっているというのがおもしろいところかも知れません。兎も角、MID-TOP賞の御三方もおめでとうございます!
また、第4戦終了時点での気になるポイントレースですが、1位は36ポイントの三浦選手。次いで佐藤(剛)選手と尾西選手が共に35ポイントで2位。柳本選手と牧野選手も共に29ポイントで上位5名に食い込んでいます。最終戦での獲得ポイントによっては逆転も十分にあり得ますので、そちらも注目していきたいところです。
さて、次戦(第5戦)は11月26日(日)に筑波サーキット・コース1000で開催です。スピードが乗る高速サーキットでの2連戦にして、2023シーズンの最終戦でもあります。勝敗の行方はもちろんですが、ランキング争いやオートマチックスクーターの成果などなど、見どころ盛りだくさんな最終戦レポートもご期待ください!!
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