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昇給の仕組み、御社はどうなってる?

誰しも給与は大きな関心事の一つ。

頑張って成果を出したのに、なかなか給料が上がらないとモチベーションも下がってしまいます。

一方で、昇給の仕組みは企業ごとに異なり、どうすれば昇給できるのか分かりづらいこともあります。

昇給の仕組みを改めて見てみましょう。


昇給は「評価昇給」「昇格昇給」「特別昇給」の3種類


昇給には「評価昇給」「昇格昇給」「特別昇給」の3種類があります。一つずつ見てみましょう。

「評価昇給」とは、人事評価に基づいて実施される昇給のことを言います*1。

評価昇給は、成果評価や行動評価などの結果をもとに、具体的な昇給額を決定する仕組みです。

例えば、営業職の方が売上達成率150%で、評価が5段階の最高評価「5」だったとしましょう。

そのとき、昇給の仕組みとして、年収が「50万円アップ/年)」や「年俸5%増」など、評価に応じた金額を設定していきます。

このように、個人の業績や成果に応じて給与が上がる仕組みです。


「昇格昇給」は昇格者のみに実施される昇給の仕組み


2つ目は「昇格昇給」です。先ほど紹介した「評価昇給」が人事評価を受けたすべての社員に対象となるのに対し、昇格昇給は「昇格者」が対象になります。

「昇格昇給」は、具体的な昇給率や昇給額は設定されていない代わりに、等級別に定められた報酬レンジに基づいて決まる仕組みです。最終的にはその企業の運用によりますが、昇格後は自動的に該当する等級の報酬レンジの下限に昇給することが多いものと思います。

例えば、3等級で年収500万円だった社員がいたとしましょう。

この社員が4等級に昇格した場合、その報酬レンジ下限である550万円まで昇給し、年収は50万円増となります。


「特別昇給」は、報酬の適正化を図るための仕組み


最後に紹介するのが「特別昇給」です。特別昇給にはさまざまなケースがありますが、ここでは 「昇格者に対する特別措置としての昇給」 に焦点を当てます。

この特別昇給の目的は多岐にわたりますが、特に重要なのが 昇格を機に報酬を適正な水準へ調整すること です。

例えば、ある社員が3等級のときに年収500万円だった場合、4等級へ昇格するタイミングで年収550万円へ引き上げられれば、スムーズな昇給といえます。しかし、もし3等級の時点で既に550万円の年収を得ていた場合、昇格しても昇給額がゼロになる可能性があります。

このようなケースで機能するのが「特別昇給」です。昇格という節目において、個人の能力や貢献度を改めて評価し、適正な報酬へ調整する役割を果たします。例えば、年収550万円を3等級時点でもらっていても、本人が活躍していた場合は、昇格時により高い年収を支払うというということです。

こうした取り組みは、特にスタートアップにおいて重要性が増すものと考えています。というのも、創業初期のメンバーは、会社の知名度が低い段階でジョインするため、報酬水準が控えめに設定されがちです。しかし、事業の成長とともに企業の採用力が向上し、新たに入社するメンバーにはより高い報酬が提示されるようになります。

すると、「後から入社した人のほうが給与が高い」という 報酬の不均衡が生じることに。これを放置すると、初期メンバーのモチベーション低下を招きかねません。

そこで、昇格のタイミングを活用し、特別昇給を実施することで、こうした不均衡を是正し、組織内の報酬体系を適正化することができます。


(参考情報)

*1 金田宏之(2023)『スタートアップのための人事制度の作り方 キャリア開発を促し、自社のバリューを浸透させる』翔泳社



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