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総務と人事、どう違う?

どちらも企業経営で重要な役割を担っています。

「人事総務部」のように両方の職務を統括した部署を設ける企業もありますが、それぞれどう違うのでしょうか?


総務は「モノ」、人事は「ヒト」に関する仕事


主に総務は「モノ」に関連する仕事を担当し、人事は「ヒト」に関連する仕事を担当します。

具体的な仕事内容を見てみましょう。

総務は、企業が円滑に機能するための多岐にわたるバックエンドサポートを提供します。たとえば、社内外のイベントの企画・運営、オフィスおよび設備の管理、法的な問題への対応などです。

一方、人事は企業の成長に不可欠な人材の確保や管理・活用を行います。たとえば、採用、教育・研修、評価、配置、労務管理などです。

すなわち、総務は「総て(すべて)を務める」役割であり、一方、人事は「人を生かして事をなす」役割と言えそうです。


歴史を辿れば、更に両者の違いも見えてくる


さて、違いを見るだけでなく、両者が現在の役割を担うことになった歴史的背景も探ってみましょう。

歴史は18世紀中頃から19世紀初頭までの産業革命まで遡ります。

産業革命が始まると、工場制度が導入され、労働者の数が急増しました。これにより、企業ではその労働者の管理と組織運営が重要な課題になったのです。たとえば、労働環境の改善、労働時間の管理、給与・休暇、労働災害保険などです。こうした問題に対応するために、今の総務部門の基盤が形成されました。

同時期、社会経済発展とともに労働者の権利を守るための動きが本格化しました。労働組合の結成、労働法の整備などが取り組まれ、これが人事部門としての発展の第一歩となります。

さらに20世紀後半になると、市場競争が激化し、優秀な人材の確保と活用が非常に重要となりました。この時期に、採用、評価、給与、育成などが重要な要素として認識され、現代の人事部門の基盤が確立されました。

このように見ると、総務と人事は長い歴史を経て、それぞれの役割が発展してきたことが分かるでしょう。今日の企業経営において、両者は不可欠であり、それぞれが異なる側面から企業の発展に貢献しています。

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