年末のはなし
を書こうと思ったけれど書くことが思いつかない。年内に終わらせようと思っていた引っ越しは未だ出来ておらず、28日にやっと新居の契約ということで手付金の100万円を持って不動産屋へ行った。本当に買ってしまった。私の選択は間違っていやしないだろうか。不安だ。出来る事はなるべくしようと引っ越し用の段ボールに本を詰めると5箱にもなってしまった。物を持たない質素な暮らしに憧れていても気がついたら増えてしまう。貧困層に肥満が多いというそれと一緒のようで情けなくなる。貧困層に変わりは無いし、好きなことを続けながら暮らせていけるだけの稼ぎがあればそれで構わないとは思う。そこに執着は無いが諦めである事もまた確かで、しかしながら己の物欲は本当に醜くて仕方が無い。
と、そんな事はどうでも良くて、12月に入ってからずっとしんどい。誰にも言えないあの悩みは未だ誰にも言えぬまま。年末のムードについてゆけず、人出の増えた街に出れば孤独は深まるばかり。只唯一の寄りかかれる場所はクリープハイプというバンドだけで、彼らにハマっていなければ今頃私は本当にひとりぼっちだっただろう。彼らの楽曲にどうにかしがみついて年末の寂しさをやり過ごそうとしている。
この関係が終わったら、しばらくは静かに、自由に暮らしたい。終えるべきか続けるべきか正直分からないけれど。どちらにしても現在の膠着をなんとかしなければならない事に変わりはない。とにかく嫌なのだ。自分が他人を見限ってしまうことが。我慢した分だけ深く嫌悪してしまう、自分でも歯止めが効かない、態度に素直に出てしまう。許したいのに上手く出来ない。あんなに上手くやれていたのに、どうしてこうなってしまったのだろう。こんな感情はもう経験したくない。だったらいっそ初めから他人に期待しなければ良い。歳を重ねる毎に人との距離がどんどん離れていく。尾崎世界観に向かって好きだ好きだと言えるのは、途方もない距離があるからなのだろう。これだけの距離があれば嫌な部分を経験して傷つけられたり、私が彼を見限ってしまうような心配も無い。その安心があるから際限なく好意を積み続けられるのだろう。
あともう1時間で今年が終わる。寂しさに溺れてしまう前にもう眠ろう。来年の今頃は、この不安が笑い話になっていてくれたらと思う。
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