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神保町裏路地日記(4)

2024/10/29

山形の兄貴が開いた芋煮会が楽しかった話

 東北では秋になると芋煮会をやるようです。それも、子供から大人までみんな芋煮。とにかく芋煮。「芋煮って何?」と分からなかった僕。山形出身の常連さんが「皆で言うバーベキュー的な位置づけかな。」と仰られたのを聞いてようやく何となくイメージが湧きました。

 調べてみると、芋煮の発祥は山形県中山町でした。1600年代に最上川の船着き場で船頭たちが河川敷で鍋を作って食べたのが始まりだとか。里芋が収穫される秋に、多い人は毎週のように芋煮会をやり、山形県民で芋煮が作れない人はいないほど県民にとって身近な郷土料理なのだそうです。

 常連の山形の兄貴も、皆に芋煮を振る舞いたいという強い想いから、とうとう先日都内某所でうちの常連さんたちを集めての芋煮会を実現しました。構想、計画から足掛け三年。進んでは頓挫してを繰り返しながら、何と蓋を開けてみれば二十人以上も集まって皆で芋煮を食べました。感無量です。

 『芋煮』と一口に言ってもその材料や味付けは様々なようで、酒場では面白おかしく「東北芋煮戦争」なんて呼んで話題に上がることもしばしば。山形県の芋煮は牛肉に醤油ベースのスープ。宮城県は豚肉に味噌ベースのスープ。秋田県や岩手県では鶏肉を使ったりするそうで、『いものこ汁』と呼ばれるそうです。肉や味付けは違えど、どれも共通しているのは里芋を使うこと。兄貴曰く、「芋が旨ければ大概うまい。」とのこと。

 ちなみに千葉には芋煮的なものがあったかと言うと、なかったと思うんだよなあ。秋に屋外でさつまいもを焼いて食べる『焼き芋』はあったと思うけど。屋外で鍋を作って皆でつつく文化はなかったと思います。だから結構羨ましい。芋煮会。

 あれ、でも、もしかしたらあったかな?浜でいわしの団子汁とか作って食べたかもしれない。寒かった記憶はあるかも。あとは、『浜焼き』の文化はあるかもしれない。「かも知れない」ばかりで確証がない。けど、皆に聞いてみるのは良いかもしれない。

 「皆のところはどうだろう?」とか、「自分のところはどうだったっけ?」とか、ついつい話題にあげたくなってしまう。そのくらい楽しかったんですよ、芋煮会が。大人になっても良いもんですね、芋煮会って。

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