『もうちょっと頑張ろう』の話
神保町裏路地日記(29)
2024/11/29㈮
11月の営業日も残すところ2日。あっと言う間に1今月も終わりです。来週には12月が始まってしまい、忘年会でバタバタしているうちに気付けば2024年が終わっていたなんてことになってしまいそう。
年末が近くなってくると「普段なかなか来れなくて…」という方も時間を作ってお店に来て下さったりして嬉しい限りです。お陰様で12月の予約も半分近く埋まってきている印象で、さぁ、ここからどう日頃のお客様にも来て頂けるようにやりくりするかは僕たち夫婦の毎年の嬉しい悩み事。
頑張るぞーという時に飲むもの。僕にとってはそれは栄養ドリンクなのですが、どれでも良いわけではありません。自分で選ぶのは『リポビタンD』でなければダメ。もしくは『ゼナ』なら可。それ以外は基本的には選びません。
と言うのも、リポビタンDの会社は僕がもともと働いていた会社だから。飲食業界に来る前は製薬会社で働いていたんですね僕は。子供の頃から『ファイトイッパーツ!』のCMでお馴染みだった会社で働けたことは僕にとっては結構良き人生経験で、そこでお世話になったことは酸いも甘いも今の自分の糧になっていると思っています。だから「疲れたかも」と思ったらリポビタンDを思わず手に取っている。「疲れたかも」と言うよりかは「もうちょっと頑張るか」という時か。あの甘酸っぱくて濃いのが良いんだよな。
「疲れたかも」と感じる時と「もうちょっと頑張るか」と思う時っていうのは似て非なる状態だなと思って、今文章を書きながら訂正せずに書き足すことにしました。『疲れた』という状態は肉体的にせよ精神的にせよ、自分の許容できる度合いを超えているような印象を受けます。一方で『もうちょっと頑張る』状態はまだ限界を迎えているわけではなさそう。いや、疲れてはいるんだけど。それを言っちゃおしめぇよと思って敢えて『疲れた』とは口に出さず、『よっしゃ、やるか』と前を向く。うーん、『疲れた』だと下を向いて足が止まった感じがするんだよな。『頑張るか』と言うと、足は止まって膝に手を当ててはいるんだけど、顔は前を向いている感じ。だから夜中一人で作業をしている時に独り言を言う時は、『もうちょっとだな』と言うことが多いような気がする。
別に「疲れた」と言うのが良くないって言ってるんじゃあありません。僕も疲れた時は「疲れた」って言いますから。「疲れたなぁ」「疲れたねぇ」の言葉のやりとりも充足感をもたらす場合だってあるのだから、使い分けは時と場合によるのです。
『もうちょっと頑張りたい』時にひと押しするスイッチとして、僕にはリポビタンDがあるって感じ。多分、煙草を吸う人とかもそうでしょう?切り替えって大事です。切り替える何かがあった方が人間割り切れますし、気分転換できるものに費やせる時間は短ければ短いほど良い。夜風に当たりながら吸う煙草、「キュッ」とキャップを開けて飲む栄養ドリンク。それで切り替えが済む。
はぁー。しかしそんな考えも時代錯誤かねぇ。なんて、書いていて我ながら昭和、平成的価値観かなと思ってしまいました。じゃあ今皆、気分転換何でしているんだろ。