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『富士山が綺麗に見える場所』の話
神保町裏路地日記(76)
2025/02/07㈮
深田久弥が選定した『日本百名山』は山が好きな人なら一度は聞いたことがあると思います。日本百名山は日本全国から厳選されたものですが、似たようなシリーズで『秀麗富嶽十二景』というものもあります。
秀麗富嶽十二景は山梨県大月市が選定したもので、大月市域内の十二の山域、もしくは山頂から望む富士山の景色のことです。日本百名山の様に誰か個人が選定したと思っていたけど、大月市が選んでいたと言うのは初めて知りました。江戸時代くらいに選ばれたのかな?なんて感覚でいましたが、選定、交付されたのが1990年と割と最近だというのも驚きです。ちなみに選定当時の写真撮影を担当したのは、山岳写真家の白籏史朗氏だそうです。
![](https://assets.st-note.com/img/1738907503-MtzYfDdFmx6kGrN48XHWT0bB.jpg?width=1200)
秀麗富嶽十二景を一覧にすると以下のとおりです。
①雁ヶ腹摺山(1,874m)
②牛奥ノ雁ヶ腹摺山(1,990m)
③大蔵高丸(1,781m)
④滝子山(1,590m)
⑤奈良倉山(1,348m)
⑥扇山(1,138m)
⑦百蔵山(1,003m)
⑧岩殿山(634m)
⑨高畑山(981m)
⑩九鬼山(970m)
⑪高川山(975m)
⑫本社ヶ丸(1,630m)
秀麗富嶽十二景の由来もちゃんとあるそうです。大月市から見て南南西方向にある富士山は、三ッ峠山などの山々が裾野を隠すため、『富士山が十二単を身に着けているように見える』と言うことから、12の数字を取って十二景としたそうです。なんか素敵。大月市は毎年『秀麗富嶽十二景写真コンテスト』なんかもやっているそうで、富士山ファンの間では結構知られた存在なんだなと調べてみて改めて知りました。
ちなみに『◎◎△△景』と言えばやはり葛飾北斎の『富嶽三十六景』が真っ先に思い浮かびますが、これは天保2年〜天保4年にかけて西村永寿堂(現在の日本橋馬喰町の辺りにあった版元)が出版したもの。葛飾北斎が描いた富士山をテーマにした浮世絵シリーズが有名です。この時北斎は72歳だったというのも驚き。
『百名山』『十二景』『三十六景』みたいに、厳選されたものを数字で示されると人間弱いなぁと思います。あまり人がやること、人気のあるものには手を出したくないなと思う天邪鬼な僕でさえ、ちょっと行ってみようやってみようになるものね。どの山も良いのだけど、やっぱり富士山は格別のような気がします。
「富士山に登ろう!」の会を始めて三年。少しずつ自分に蓄積されていく富士山のこと、山のことが結構嬉しかったりするものです。今年もまた、色々山のことを知っていきたい。テーマを持って山に触れたいと思います。