絵本『タケノコごはん』を読んで
20230117
three good thingsをオンラインコミュニティで書いています。
3つの中で特に振り返りたい事がある時に
こちらのnoteに書き留めています。
絵本『タケノコごはん』は、
大島渚監督がご子息の宿題として、こども時代の思い出を綴った作文に、
絵本作家の伊藤秀男さんが絵を描いた作品です。
一昨日映画『戦場のメリークリスマス』を初めて映画館で鑑賞し、
戦争・日本軍の捕虜に対する酷い扱い・朝鮮人軍属のオランダ兵への暴行
男性から男性への愛・自尊心等、現代にも続く社会問題を描きながらも
エンターテイメント性のある素晴らしい作品であることに漸く気づいた途端
大島渚監督を改めて検索する中で、こちらの絵本を知りました。
強いことが良いとされた時代、同級生のガッチリとしたケンカの強い
でも、弱いものいじめはしない少年の変化が主軸です。
戦争に行っていたお父さんが戦死し、お葬式で涙を見せることなく
気丈に振る舞っていた少年は、弱いものいじめをするようになったそうです。
逞しい担任の先生が招集され、後任に来た線の細い優しい先生と
子どもたちは親交を深めいましたが、その先生も招集されてしまいます。
その先生に、戦争なんかに行くなよ、涙ながらに訴えたことから
変化した少年の気持ちを想像出来たそうです。
大島渚監督は1932年生まれということは、終戦を13歳で迎えているので
子ども時代丸々戦争中。
大人とはまた違った体験と気持ちの変遷を『戦場のメリークリスマス』で
描かれたのかなと思うと非常に感慨深いです。
「戦争することがただしいこととおしえられてきたんだけど、
そのときはじめて、
やっぱり戦争はしないほうがいいのかなあ、
とおもったのでした。」
このような文章で作品は終わります。
作文を書いてもらったご子息、大島武さんはあとがきで
「自分で考える人になってほしい」と言われてきたそうです。
武さん、当時は長い作文だ当時は思ったそうですが、
今になって、お父様に聞いてみたい事があると仰っています。
私もこの絵本を読んで色々と聞いてみたくなりました。
直接的な話ではなく、当時の思い出深い日常を書いた監督を思いながら
もう一度『戦場のメリークリスマス』を観たいと思いました。
『タケノコごはん』というタイトルなのか?についてはあえてこちらでは
触れません。絵も文章にとてもマッチしている絵本です、
手に取られることを是非お勧めしたいです。