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人生がマンガなら、登場人物欄には誰が載るんだろう。

中学時代、夢中になってNARUTOを読んでいた。
一番好きなシーンは、少年編ラストのナルトとサスケのバトル。大技の打ち合いも面白かったけれど、ひとつ、印象に残っているセリフがあった。

「結局友達だと思っていたのは、俺の方だけだったのかもしれねえ。そうだとしたら、俺はすっげえダセえじゃねえかよ……」

印象に残っているという割に、随分とうろ覚えなのだけれど、大体こんな感じだったと思う。

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先日、親友の転機を、その友人づてに聞いた。

「きっと良い暮らしをしていくんだろうさ」
「あいつは色々、抱え込んで話さないからなあ」

LINEで短いやりとりをした後、少しだけ虚しくなった。

あいつも、色々な事情やタイミングもあって話せなかったのかもしれない。それでも一言くらい、せめて一言くらい、何か伝えてほしかった。ほんの数日前にも、電話をしていたのだから。

そんな風に思った後、自分もこれまで沢山のことを伝えていなかったよな、と反省した。与えなかったテイクには鈍感なのに、与えられなかったギブに対しては、驚くほど過敏になってしまうのだな、と。

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人生がマンガなのだとしたら、今は何巻くらいまで進んでいるのだろうか。

主人公は、自分。これまで数多くの登場人物と巡り合ってきた中で、きっと最終巻まで活躍するようなレギュラーもいれば、これからやって来る新キャラもいるだろうし、一度きりの登場で終わってしまう人もいるかもしれない。これはあくまで自分視点の話だから、それぞれの人が自分自身の物語の中では主人公で、僕だって誰かから見ればメインキャラのときも、モブキャラのときも、背景の一部のときもある。

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すべての登場人物やシーンに、同じだけの愛を注ぐなんて、きっと不可能だ。

「あのマンガ、前半は良かったんだけれど、最近失速したよね……」
そんな風に言われないためにも、というより自分自身がそう感じてしまわないためにも、今は「今の物語」を面白くすることに全力を注ぎたい。幸い目の前には、頑張りたい仕事と、大切にしたい人がいる。過去の話なんて、回想が挿入されるときに、無理矢理思い出せば良い。

あいつも、あいつの物語を、きっと必死になって描いているんだ。
僕だって、負けないくらい頑張ってやるさ。

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小黒 恵太朗 │ Keitaro Oguro
いつか、コーヒーでもご一緒しましょう。