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恋鐘さんのごく日常的なトラウマ(宣伝有り)

 今日はシャニマスで月岡恋鐘さんをプロデュースした。

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 恋鐘さんといえば、ネットスラングのモチーフになっていることで有名だ。具体的には、以下のセリフが彼女のものとして捏造され、引用されている。

かーっ!見んね霧子!卑しか女ばい!
(見て霧子!卑しい女だよ!)

 捏造というのがポイントで、実際にはこのような発言はない。二次創作が発端だったのがあまりに広く浸透してしまい、恋鐘=卑しか という誤った認識をしている人も多い。かくいう私もその一人だった。

 そもそも恋鐘さんの第一印象が「男ウケ」だった。はっきり言ってしまうが、まず胸が目に付く。次に方言、特に彼女の話す九州弁というのは女子が使うと可愛い方言として有名である。そこに畳みかけて、彼女の天然さがいかにもあざとい、いや、「卑しか」なイメージをもたらした。

 そんな先入観を持ったままプロデュースへと入ったわけだが、とんでもない、恋鐘さんはどこまでもピュアで愚直な人物だった。

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 アイドルになりたい一心で上京し、とにかく一生懸命に仕事に打ち込む。時には──というか、たいてい空回りしてしまうが、それでも持ち前の明るさで前だけを向き突き進む。彼女の思いは理想のアイドルになることただ一つで、「男ウケ」などこちらの邪推だった。

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 あるいは、むしろこちらが勝手に「恋鐘ウケられ」だっただけかもしれない。実際彼女は、ただアイドルとして考えるだけなら、これまででも随一に魅力的に思えてしまった。

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 そんな恋鐘さんのプロデュースだったが、経過はかなり好調だったにもかかわらず、準決勝で流行争いに苦戦し、惜しくも敗退してしまった。申し訳ない…。

 さて、一つだけ、恋鐘さんのことで書き記したいことがある。本人にはあまり見せられないが、彼女が自分の体形に持つコンプレックスについてだ。

 冒頭で述べた通り、私はどうしても彼女の上半身に目がいってしまった。数字上でも彼女は283プロでトップであり、彼女自身もそのことはわかっている。しかし、彼女は自分の体をさらけ出すことをよしとしていない。もちろん、ほとんどの女性は自分の身体の管理に慎重だろうが、彼女がアイドルとして売れようとしたときに、手早く武器になりそうな手段をあえて封じていたことになる。

 おそらく、身体で売れたところで、それはもう彼女の思うアイドルではないのだろう。地元では小さいころから「可愛い」「歌が上手い」ことを褒められてアイドルになることを志したそうだが、思うに思春期になってから、視線に「トラウマ」を覚えたのだろう。女性は男性が思う以上に視線に敏感と聞くが、彼女もまた得も言われぬ視線に怯え、知らず知らずのうちに露出を拒んでいったと考えられる。

 ここでポイントとなるのは、「トラウマ」というのは決して劇的な事件ではなく、ほんの日常のささくれで十分ということだ。具体的に痴漢に遭ったとか、露骨に見られたという経験がなくとも、なんとなくの「空気感」だけで、個人の志向を決定する要因になる。とある誰かと仲良くすべき、何かを拒むべき、こういう人を目指すべき…そういった日常の中で頻繁に繰り返される個々人の自己決定は、明言化されないトラウマとそれに抗う力によって行われる。

  …と、最近読んでいるトラウマについての本に書いてあった。あくまで推測だが、恋鐘さんもなんとなくの「圧」に対して自分の理想とするアイドルを目指すことで対抗してきたのではないだろうか。

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 ともかく、何も知らずにグラビアの仕事を勧めてしまったことは謝りたい。

日記はここまでです。以下、私の宣伝があります。

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ジャンプルーキー!

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大口むにゃむにゃ
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