16.0005 胸が締め付けられるような思い出 その2-1
1999年になった。
当時は、定年退職は60歳が主流だったろう。
父は、1月23日が誕生日で、60歳を迎えたあと、無事に定年退職となった。
私は自分がこうして働くようになってから、今、ようやく、
働き続けることの大変さ、が少しだけわかってきたところだ。
父は体がしんどい時でも、どれほどの思いで歯を食いしばって頑張ってきてくれたのか。
辛くて、もう無理!と思いながら、それでも続けられるのは
<これだけは守りたい>という大切なものがあるから一生懸命になれるんだな、と私は思っている。それが、家族だったり、自分の信念だったりするのかも。
定年退職を迎えた日の夜、3人の写真を撮った。
父は、職場から花束をもらって、嬉しそうだった。
その前年、糖尿病がひどくなってきて不整脈もあったので、
父は心臓にペースメーカーを入れていた。
定年を迎えたあと、ペースメーカーの調子を確認するため検査入院をすることになっていた。
父は、「この検査が終わったら、お母さんと一緒に旅行に行けるかな」と嬉しそうに言い、私の体を気遣って、いつも通りの優しい言葉をかけてくれていた。
私は前年に風邪をこじらせ1回目の入院をしていたので風邪をひかないよう気を付けていて、無事にお正月を迎え、少し気持ちが落ち着いてきたところだった。
少しずつ、赤ちゃんを迎える準備を始めた。
2-2につづく⏩
▶私はこのnoteを、シングルマザーの人たちに少しでも共感を持ってもらったり、私の経験を読むことで「よーし、明日からもがんばろう!」と、
明るく未来を語れる自分になってもらえたら・・・との願いを込めて書いています。
ひとり親になることを選んだのは、多くはシングルマザーの決断によると思います。死別ではなく、自らの意思による離別により、シングルで子供とともに生きることを選んだのは自分自身だということを胸にとどめることが大切だとも思っています。
誰のせいでもなく、自分が選択した結果が今なんだ、と強く感じています。