11.人生初めてだらけ♪妊婦生活スタート
ともかく、妊婦さんになった。
流産をしかかっていたため安静にしなくてはいけないという診断もあって、もう公認会計士の受験をあきらめ、無職の居候~という立場になった。
その時はまだ父もいた。
母から「お父さんが、(もし彼と私がうまくいかなくなったとしても)美樹さんとわしらで子供を育てよう。と言ってたよ」と 後々聞いた。
どんな思いで父がそう言ってくれたのか、私は自分が親になるまでわからなかった。
父は、私のことが心配でたまらなかったんだと思う。
相変わらず、彼との結婚については話は進まず。
あれから21年経ち、今思えば、要するに私とは結婚できないという結論「だけ」だったんだな、とよくわかる。ただそれだけのことだった。
結婚できない複雑な理由はなかったが、
もうお腹も大きくなってきた頃、ついに
私は結婚しなくてもいいや!と
未婚の母になることを決意した。
当時は、今よりもっと未婚シングルマザーが少数派だった。
正直いうと、その当時、私には人生に対しての固い信念や、
子供に対しての熱い想いがあったわけではない。
流れに身を任せて
何となく、「何とかなるだろう~」とどこかで思っていた。
不安要素を挙げたらきりがないから、
そこからは目をそらしていたのかもしれない。
ただ、だんだん大きくなるお腹とともに
「わたしがお母さんになるんだ~」という気持ちも大きくなっていった。
昔からの田舎で世間体を気にする世代も多くいたと思う。そんな中で未婚で子供を産む。
だけど、私はなんだか平気だった。
誰に何を言われようが、関係ない。
私が育てるんだから。という思いがあった。
今でこそ、母が改めて言ってくれる。
「実は、美樹さんが一番強い。 私だったら、こういう決断はできなかったし、美樹さんみたいにこんなに頑張って、ひとりで育て上げることはできない。」