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2023年を振り返り思うこと
🌟今年もたくさんの方にお世話になりました🌟
私の2023年はまさに挑戦の一年。
ここに至るまでに
いろんなご縁がつながり
そして新たな絆ができました。
長野に来るという決断をするにあたり、大きなきっかけになったのが、30年来の友人との再会。
これがなければ、私は長野に来ることはなかった、と思っています。
その方に心からの感謝の気持ちをこめて文章を残しました
もし、この記事に目が止まり、文章まで読んでくださった方がいらしたらとても幸せです。
2024年も私は
自分の道を、自分で切り拓いて進みます。
そして、私でできることがあるならば
力を尽くしていきます。
それが私の生きる道
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題『優しい雨に、涙したこと』
目の前に優しい雨が降っている。
私は、その人に会うため、車を走らせていた。
その友は、2021年後半になって連絡が入った人だ。
20代に知り合った私たち。
私たちの20代は、バブル絶頂期で、若さの勢いもあり「やりたいことは何でもやれちゃう!」と思ってしまった時代。私たちだけでなく、周りは皆そんな雰囲気だった。大学生の私たちは、大いに遊び、学び(勉強)はそこそこに、時代を謳歌していた。
彼女と出会ったのは、確か誘われて行った合コンでのこと。
30年以上前のことになるだろう。
30年! 考えると長い年月。
男女3人か4人で合わせて8人くらいだったと思う。その中でもひと際輝いている人がいた。他大学の人。
昔から、自分にないものを持っている人にあこがれ、近づいて行ってしまう習性のある私。
明るいところに寄っていってしまう虫と一緒だ。
海が好き、と言っていた彼女。
スラっとスタイル良く、たたずまいが凛として人を惹きつける魅力がある。
何か始めようと思うと、彼女の周りには輪ができて、自然と人が集まっていた。
私は、近くにはいるけれど、憧れのまなざしで見ている派だったので、彼女から「みきちゃーん。元気?」と言われるだけで、元気になった。
そういう磁力って、先天的に持ってる人がいて、彼女のように20代そこそこで既に発揮され始めるってことは、50才を過ぎてわかってきた。
気づけば、大学時代の友人とは、ほとんど疎遠になっていた。
疎遠というか、私は避けていたのかもしれない。
なぜなら、私の学生時代は、社会人となっても数年で「結婚」退職することが理想よねと話す人たちも多くいて、私はその考えに、どうしても馴染めなかったからだ。
当時の主流として、どういう男性に選ばれ、結婚し、家庭を築くか、が人生の大切な課題となっている感じが私はしていた。
一方、私がこれまで選択し、歩んできた人生路は、おそらく、同級生たちには理解しがたいものが多かったに違いない。子供が生まれた頃は同級生で会ったこともあったが、あまりに環境が違うため、話が合わなくなっていた。むしろ、「私」に対する興味本位の質問をされることが辛くて、「もう学生時代の友人とは合わないかもしれない」と悲しく思ったものだ。
その頃は、彼女と会うことはなかった。
一日一日をとにかく必死に生きていた私は、彼女に会おう! と思う余裕もなかった。
後々、彼女は結婚したと聞いた。
ご主人となった男性も、学生時代から私は知っていた。
二人並ぶと、まるでモデルのような画像だった。まさに爽快感そのもの。カッコいいうえ自然で、嫌味がなく、この二人なら素敵なご夫婦になること間違いないな~と思っていた。
二人に純粋に憧れていた。
インターネットが世の中に出始め、どんどんと広がっていく流れになっても、メールではなく私は年賀状を彼女に出していた。
あの素敵な彼女は、どんなふうに年を重ねているのかな~と思いを馳せていた。
私の30代40代は、日々の暮らしに余裕がなく、バタバタしてあっという間に年月が過ぎていった。その中でも年に1度の年賀状を送る時は、時代が戻り、彼女のことを思い出していた。
近況として「仕事で海外に行った」と書かれていたこともあった。
一人でカメラを抱え海外でも飛び回って活躍している様子が、勢いのある文字から伝わってきた。
「やっぱりすごいな~」と思い、会うことはないけれど、心の中でいつも彼女を応援していた。
そして、私もがむしゃらに働いた時を経て、ようやく自分の人生を振り返り、次へのステージのため時間を作ろうと新しい道を選んだ2021年。
私は、それまで積み上げてきたものをぶっ壊すつもりで……もがいていた。
心に痛みが伴わなかったといったら自分に嘘をつくことになる。
痛かった。辛かった。
そんな気持ちで迎えた12月。
彼女も新しい道を選び、「事業を始めた、会いに来ない?」 と連絡が入ったのだ。
ああ、こうして、ご縁が再びつながるんだ、と不思議な気持ちになり、そして次に少し不安になった。
30年もたてば、時代も変わり、私の周りも2回め3回めの結婚している人もいる。
あの、笑顔の素敵な彼と結婚した彼女は、今も同じ彼と一緒に人生を歩んでいるのだろうか……。
ふと、他人のことなのに、思ってしまった。
どうしよう、離婚していたら……。もし離婚していないとしても、あの当時のイメージが大きく違ってしまったらどうしよう……。
そうして、30年の年月を経て、私は、憧れていた彼女と再会を果たした。
彼女のいる場所へ向かうと、遠くから「みきちゃーん」と呼んでくれる、あの笑顔の素敵な彼がいた。
彼が変わらぬ、優しく穏やかで、年輪を重ねた人が醸し出す大地のようなぬくもりのある50代になっていたことが素直に嬉しかった。
そして、彼の向こう側に、凛としたたたずまいそのままの彼女が大きく手を振って迎えてくれた。
目頭が熱くなる、とはこういうこと。
この30年。本当にいろんなことがあった。
きっと、彼女も、ひと言、ひと晩では語りきれないくらいの出来事を乗り越えてきた。
そのそばに、いつも彼がいて、支えていたんだ。
この二人が並んでいる姿を見て、
私は感動し、体の内側から幸せな気持ちがどんどんと湧き上がってきた。
ああ、よかった。彼女に再び出会うことができて。ああ、私の選択は、これでよかったのだ……
今日も、私は、彼女のいる場所へ車で向かう。
その先に、雨が降ってきた。
でも、その雨は優しくて、彼女と彼の笑顔を思い出させてくれる。
そして、私をそのまんま包んでくれる。
<終わり>