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ごりごりネタバレ、覚悟するんよ~ -「劇場版マクロスΔ 絶対LIVE!!!!!!」ネタバレ感想-

おはようございます。こんにちは。こんばんは。

ぴーなすです。


 観て来ましたよ!『劇場版マクロスΔ 絶対LIVE!!!!!!』

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いやいや!!最高に良かったですわ!!めっちゃ面白かった!!

公開日の仕事終わり19時の回に行ってきたのですが、結構席も埋まっていて、やはりマクロス、人気ぶりがうかがえます。同時上映の『劇場短編マクロスF ~時の迷宮~』目当ての人も多かったと思いますが。

TV版、劇場版前編の『劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ』の完結編となる本作品。マクロスΔファンはもちろん、初代マクロスからのファンも大満足のファンサービスてんこ盛りの内容でとても素晴らしかったです。

本作品の注目ポイントは2つあって、キービジュアルの文言をそのままお借りするようで申し訳ないのですが、

「銀河争奪歌合戦」
「歌うことは生きること」

やはりこの2つに尽きます。



銀河争奪歌合戦


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https://twitter.com/macrossd/status/1439213401218199559?s=21


 マクロスといえばやはり歌。本作品でも絶対に注目していただきたいポイントです。

今回はワルキューレの敵対ユニットとして「Yami_Q_ray」(読み:ヤミキューレ)という、堕天使風でちょい悪容姿なワルキューレに似たユニットが登場してきて、ワルキューレたちに歌で対抗してくるわけですが、それが本当に歌での戦い、歌合戦なんです。

さながらバルキリーのドッグファイトや銃撃戦、格闘戦のように、相手の歌に歌で戦いを仕掛け、やられたらこっちも負けまいと歌声を響かせる。歌のやり合いぶつかり合い。

もちろん相手の曲が始まったらワンコーラス待ってくれるわけもなく、歌ってる途中で相手の歌攻撃がバンバン割り込んでくるし、歌と歌が入り混じる瞬間も多い。隙あらば攻め立てる、本当にバトルそのものなんですよ。

その2組の歌が混じり合うことでリミックスのようなメドレーのような新たな楽曲が生まれる瞬間があるんですが、それが1つの空間作り上げていて、対バンLIVEのような一種の完成美を感じるんです。バルキリー同士のドッグファイトが1つの芸術作品のように感じるみたいに。

ワルキューレとヤミキューレの歌でのバトルが本当に銀河を賭けた歌合戦であり、「絶対LIVE!!!!!!」という1つの舞台を作り上げて、盛り上げているなと思いました。

キービジュの言葉に偽りなし。まさに「銀河争奪歌合戦」です。



歌うことは生きること


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https://twitter.com/macrossd/status/1312377043422720001?s=21


 本作品のメインテーマと言っても過言ではない、「生きる」ということ。そのテーマと切っても切り離せないのが、ヒロインであるフレイアの死ですよね。

フレイアをはじめとするウィンダミア人は平均寿命が30年ほど。「結晶化」という形で老化が進んでいき、ウィンダミア人が持つ触覚のような器官である「ルン」が活性化すると結晶化が早まるわけです。

ルンは感情が昂ったりすると活性化するのですが、フレイアにとってのルンの活性化、彼女でいう「ルンピカ」、それは歌うこと。

テレビ版や劇場版前編でも結晶化の傾向があり、映画公開前からフレイアの結晶化はどうなるんだろうと気になっていた方も多かったはず。

結論として、彼女は本作ラストで死んでしまいます。

いやぁ、まさかここまでちゃんと描き切られるとは思いませんでした。あっても戦いが終わって、想い人であるハヤテと過ごしたのち、なんだかんだ30年全うするのかなぁと。

まぁ今までのマクロスを考えると妥当なラストなのかなとも。

それでも涙なしで見ることはできませんが。


劇中で大きく結晶化が進んでしまい、歌うことを禁止されたフレイア。

生きるためには仕方のない命令で、艦の仲間もワルキューレメンバーもハヤテも、これ以上歌わないでほしい、生きて欲しいとお願いする気持ちもわかる。

フレイア自身も歌いたい、でも死ぬのが怖い、歌うのが怖い、生きたいという感情の狭間で悩み、一度は歌を手放しますが、それでも彼女はもう一度歌うことを選び、文字通り命を懸けて歌いました。

ここでキービジュの「歌うことは生きること」がくるわけで。

彼女にとって歌うことは真の意味での生きることであり、歌えない、歌わないこと、ただ生きること(=この世に生存する)は彼女にとって死ぬことに等しいんだと思うんです。

だからこそ生命を終わらせてしまう「歌う」という選択は彼女にとっての「生きる」という選択なわけで、ハヤテもワルキューレメンバーも、フレイアにとっての生きることは歌うことなんだと理解したからこそ「フレイアと生きたい」、「フレイアと歌いたい」という選択をするんですよね。

フレイアが「みんなと生きたい!」と言って戦場に戻ってくるシーン。あの言葉からフレイアが最後までフレイアとして生きることを止めたくないという覚悟を感じました。

ハヤテとの日々を過ごす意味での「生きる」を選択できたのに、あの覚悟ができる強さがフレイアなんだなぁ。

ワルキューレメンバーも、もちろんフレイアの想いを汲んで彼女と歌うことを選んだと思うんですが、それとは別に、5人じゃないワルキューレは死んでいるも同然で、フレイアと生きたいというのは、フレイアと、ワルキューレ5人みんなで歌いたいということなんだと思うんです。「absolute 5」だしね。

ワルキューレも最後までワルキューレとして生きることを止めなかった。


全力で歌って最後まで全力で生き抜いたフレイアは結晶化が進み、衣装も真っ白になってしまって。

ハヤテにお姫様だっこされながら最後の言葉を交わし合うのですが、その白い衣装がウエディングドレスのように綺麗で。マクロスΔという物語において、2人のハッピーエンドだったんじゃないかなと個人的には思います。(Twitterで「白装束でもあるね」という意見を見ました。めっちゃエモいやん。)

最後まで2人一緒に全力で生きたのだから、あのラストは最高の最後だったと思いますね。


いやぁ、これ公開直前配信で鈴木みのりさんが泣いてしまうのわかるわ。そりゃ感極まるよ。フレイアの命の歌声、本当に素晴らしい演技でした。



タイトル「絶対LIVE!!!!!!」に込められたもの


 『絶対LIVE!!!!!!』いうタイトル、映画を見てからだとその良さが何倍にも大きくなりましたね。

もちろんタイトルの「LIVE」は音楽的な「LIVE」の意味もあると思うんですが、「LIVE=生きる」の意味も含まれていたんですよね。

フレイアの決意、覚悟の言葉である、「私は絶対生きる!(歌う!)」という意味があると思うんですよ。その言葉通り、彼女は最後まで生きることを止めなかった。

この作品は、フレイア・ヴィオンの生きた証であり、そのタイトルには、彼女の「命を懸けてでも絶対生きる!」という強い想いが込められていたんだなぁと思いましたね。

もちろん、登場人物全員にそれぞれの「生きる」という想いがあるわけで、全員の想いがタイトルに込められていると思うんですが、マクロスΔがフレイアの生き様を描いた物語だということを考えると、やっぱりフレイアのためのタイトルなんじゃないかなぁと思ってしまいます。

その他にも、仲間からフレイアへ向けたメッセージである「フレイア、絶対生きて!」の意味もあるんじゃないかなと個人的には思いました。


あ、タイトルにある6つ目の「!」については、パンフレットでデルタ小隊6人目のボーグじゃないかなとありましたが、筆者はヤミキューレの闇フレイア、または救出した赤ちゃん説を推したいですね。ワルキューレ6人目の歌姫としての「!」だと思います。

闇フレイアのオッドアイも、何かあるんじゃないかぁと思っているんですが、学の無い私はよくわかりません。



ただ生きているだけが、生きるということではない


 人それぞれに「生きること」があって、それは決してただ生きるだけじゃないんだなと思いました。

もちろんマクロスはフィクションであり、フレイアの例はかなり極端な話ではあるんですが、やっぱり自分にとっての「生きること」って何なんだろうと考えるきっかけにはなりました。

フレイアの「歌うこと」のように、自分にも何か自分にとっての「生きること」があるんじゃないかなと思います。残りの人生で少しでもそう思えることに出会えるといいなと思いますね。

それこそ、パンフレット内の森川智之さんのインタビューでおっしゃっていたように、「人生が30歳まで」と想定してみたら、より濃い人生になって自分にとっての「生きること」が見つかるんじゃないかなと思いますね。

まぁでも実際にはやっぱり、命を落としてまでやりきることよりも、生きる=この世に生存する選択も大事ですので、その時になったら生きる選択をしてくださいね。生きていないと、何もできませんから。



おわりに


 Fの話に全く触れませんでしたが、令和に「ホシキラ」が聴けて感動しました。大人ランカちゃん、可愛かったです。

あと、今回は美雲さんの人間味がより感じられて素敵だなと思いました。子供の相手とかできたんですね。フレイアと歌えないことで泣いてしまうのもちょっと驚きでした。良いシーンでしたね。

まだ1回しか見てないので、2回目もはやく見たいと思います。

マクロスΔ見てないよって人も、ぜひ見て欲しい。TV版見なくても、『劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ』だけでも十分楽しめるんじゃないかなと思います。

フレイア・ヴィオンの生きた証を、ぜひその目で見届けてください。

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それでは~




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