車を買い、隣の車のウィンカーを割り、8月前半
仕事を始めて早4年。「凪ぎ」のタイミングなのか、忙しくなくなってそろそろ半年になりそうだ。溜まった有給休暇を消費するべく、1週間の休暇を得た。
やりたいことというのはいくらでもある、ように見えて意外と無かった。
車を買ったのだった。納車までは半年以上かかる、と言われながら実際は2ヶ月程度だった。
その納車の日が連休2日目とあって、さてどうしてやるか、と考えていた。
新車はカーナビもETCもドラレコも付かずに納車されることになっていた。*1 つまり、どこかオート○ックス的な店に行くか、レビューも無いような業者に頼むか、自力でやるか、でそれら電装品を取り付けなければいけない。
Tipsであるが、オート○ックスは基本的に商品が高い。そのうえで取り付けに2万程度はかかることを覚悟しなければならない。
ネットで買えばオート○ックスよりもモノによれば3万以上安く買うことができる。ただ、取り付け業者を探すか自力での取り付けが必須だ。
答えは簡単だった。「やってみなはれ」である。
幸いなことに、今はYouTubeという最高の教材がある。しかも買う車でナビやETCを取り付けている動画もあった。
下調べに下調べをし、自力で取り付ける道を選んだ。
結果は悲惨だった。「やってしまった」のだった。
炎天下の駐車場。暑すぎる。ドアを開けなければとても作業はできない。
そこに風が吹いた。ドアは「あっ」と思う気持ちも清々しく無視して隣の車に激突した。
本気の「あっ!」が出た。マジなときに余計な装飾はつかないものだ。
ドアは隣の車のミラーについたウィンカーにヒビを作った。言い逃れできない感じだった。
ここでタメになることを書いておくと、最初は持ち主へのコンタクトを図るとよい。何をするかと言うと、詫びである。この後の工程で名前と連絡先が必要になるのでその意味もある。
自分の場合は駐車場の契約先に電話をして相手の方に連絡してもらった。
次に警察である。人生で初めて110番を押した。緊急通報時に携帯のGPSが送信される、と知識では知っていたものの、いざ自分の携帯にその通知が表示されると感心してしまった。
警察は30分近く到着までかかった。一刻を争うような緊急の件ではなかったのでいいのだが、炎天下ではとにかく待つのがつらい。
警察を待つ間に電話したのは保険会社である。保険会社は本当に役に立つ。
やってしまったことを告げるとまず「大変でしたね」と定型句であっても言われると落ち着いた気持ちにならなくもない。
それからするべきこと、これからどうなるか(相手と連絡先を交換するだとか、○円までなら保険を使わない方がお得、とか)をすべて教えてくれるの。
結果的には多額というほどの出費にはならなさそうであり、そこで変なトラブルに発展したりしていないのが不幸中の幸いというか、初動対応の大切さをしみじみと感じる。
さて、ドア騒動の数日後、避暑地に向かうことになっていた。
騒動直後は作業する気には当然なれず、逃亡先での作業を決め込んだ。
避暑地に来た。避暑地とはいえ、陽射しは暑い。風が吹けば涼しいが、日光は否応なく肌を焼き、黒焦げにし、より黒くした。
そして電装品取り付けという作業もとても過酷だ。まず集中力がなければできないし、それなりの力を要する場面もある、わりに取扱説明書にすべてが書いてあるわけではない。
とりわけコードを内装の裏に通す作業などは説明書に記載があるわけもなく、基本的にYouTubeから学ぶしかない。配線も一つ間違えればヒューズがショートし、最悪の場合は車が動かなくなることさえある。
意外だったのはカーナビのコードと車側のコードを接続するとき、予想外に力が必要で、親指の爪と肉の間から出血さえした。いまだに指先の肉が変に硬くなっているのはそのせいである。
とても大変だったが、そこは無事できた。暇のなせる業とも言える。今度から趣味・特技の欄にDIYと書こうと思う。
もし次に違う車を手に入れる機会があれば、こうするだろう。…契約時、ディーラーに社外品のナビ類を取り付けさせる約束をさせる…これだけである。