古民家改築⑯~いわくつきの竹林~
僕の家から見て北西の土地。
この竹林になっていた土地は、地元では「いわくつきの土地」でした。
小郡に行って自分の土地の竹を切りを始めた頃のことです。隣の家に住んでいるお爺ちゃんがで出てきて周辺の土地の案内をしてくれました。僕の家に昔住んでいた人の話など説明を聞きながら周辺を歩き回っていた時のことです。
「この竹林の土地は呪われている」
と、いうようなことを言い出しました。
いきなり「呪われている」というような言葉が出てきたので気になって質問したところ、室町時代に「大保原合戦」(“筑後川の戦い”とも言う)があって、その戦いの激戦区の一つがだったらしく、この竹林の辺で多くの人が死んでいるという話を聞きました。過去に、この土地の竹を伐採した地元の人が、数日後に用水路に落ちて怪我をしたことがあるといった話をしていました。この竹林の土地が呪われているという話は、他にも同じことを言っている人がいました。
ただ、僕としてはそんな話を信じていませんでした。
むしろ土地を綺麗に整備して、きちんと使ってあげたほうが供養になると思っていました。それに胡散臭いのが、呪われているから手を出さないほうがいいと言っている割に、邪魔になって伐採をした竹が山積みにされた形跡があったり、「なんだかんだ皆。勝手に切ってるよね」と言いたくなりました。
ちなみに少し先の話になるのですが、竹の伐採が終わって数カ月後に、僕たちはユンボを入れて、この土地の全ての土を掘り起こしました。友人と「人骨とか出てくるのかな」と話していたのですが、そんなものが全く出てきませんでした。出てくるのは竹の根と、ガラス。陶器。瓦の破片ばかりでした。
どちらにせよ、この竹林の土地に関しては、僕はもともとは買うつもりがありませんでした。ただ、この土地に生えている竹の根がひどくて、家の地下にまで伸びて畳の下から突き出してくるのを防ぎたいとしか考えていませんでした。そこで法務局で所有者の住所を調べて、お菓子を買って挨拶に行って、はびこっている竹の事情を話して伐採の許可をもらいに行きました。
この件に関して、もし伐採の許可をもらえないのなら、僕の購入した家に竹の根がダメージを与えているのは事実なので市役所を経由して、なんらかの対応を取ろうかと考えていました。そもそも、この土地の竹林は台風が来るたびに、北側の道路や東側の家に倒れてきたりしていて、地域の住民も困っていました。過去に何度か市役所を通して所有者に対してクレームを入れているようでしたが抜本的な対応はされていませんでした。そして挨拶に行った結果、竹の伐採に関して、許可をもらうことができました。それから徐々に北西の竹林を切り始めていきました。ずっと懸案だった竹林が片付くと地元の人たちはすごく喜んでいました。
そんな矢先、2019年の9月22日から23日にかけて台風17号が福岡近く。日本海を通り過ぎていきました。
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