見出し画像

番外編〜法務局で住所変更してみて「所有者不明土地」の問題が分かった〜

住所変更を法務局で手続きしたら、非常に面倒だったという話です。

・面倒な点その1 

平日昼間に行かないといけません。オンラインでできますが、ソフト(申請用総合ソフトという名称)をダウンロードしてインストールしたら、ログインしなきゃいけません。下の画面は、ログインユーザの情報を登録をする際の、職業選択の画面です。その選択肢にびっくり。僕は「その他」です。最初に来るのが「司法書士」です。やっぱり司法書士の利用を一番に想定して、僕のような一般人の利用は想定していないようです。だから、ソフトはめっちゃ使いにくいです。入力要求される項目も、紙に比べて多いので、間違いなく申請したいのなら、紙でするのがお勧めです。紙だったら、少々誤りや未記入があっても、提出の時に受付窓口の人が教えてくれます。

あまりにシステムが使いにくかったので、紙で申請することにしました。

画像2

・面倒な点その2

画像3

現在、福岡ではコロナ対策で、電話対応のみになっていました[*1]。コロナ前にしても、久留米では相談席が一つだけで、事前予約制でした。込み入った相続財産とかの話は、じっくりと開いてもらうのにいいかもしれないですが、僕の場合は単なる住所変更です。住所変更に必要な書類は結局2つで、そのやり方や流れを直接職員から教えてもらうためには、 数日待たないといけないなんて。。当然そんなことはできないので、 ネットで調べるのが一番です。

画像4


〇住所変更に必要な書類

1:申請書(法務局HPからダウンロードして書き込み印刷[*2])       2:住民票の原本 (マイナンバー無し) 勝本、抄本どちらか
3:印鑑
4:お金 (土地1筆、 家屋1軒あたり登録料が1,000円)

〇やり方
平日昼間に、書類1~4を持って行きます。申請窓口で書類を渡すと書類をホチキス綴じしてくれるので、それに割り印を押します。 印鑑は4カ所くらい押します。登録が完了した証拠の 「完了証」 がいるかどうか聞かれますが、別に住所変更だけなので「要らない」と答えると、「完了証は不要です」 と書かされる。そこにも押印します。別窓口で印紙を買って、窓口にもどり、印紙を貼り付けて、控えを渡されて窓口は終了です。

一週間後くらいで処理が完了するけれど、「完了の連絡は不要です」「必要があれば電話で問い合わせます」と答えました。何時間か後に、法務局から電話があり「受付しました」と言われる。窓口では気づかれなかった書類の内容についての不備などは、この電話で伝えられる。(不備があるとまた出向かされるんだろうな。。)

〇ポイント
書類の不備を避けるためには、住所変更前の「不動産登記簿」を手元に置いて 地番などを正しく書くことが重要です。手元に無い場合は、事前に窓口で取ってから書くことをおすすめします。問違った後でまた行くか、先に行って備えるかはあなた次第です。

画像2

〇まとめ
全体として、とても面倒でした。市役所での転出、 転入届けみたいにやれないものなのでしょうか? もしくは、転入届けに紐付けしてもらえないでしょうか?あとは、住所変更のみ自治体に移管するとか。職員の方も、素人に一から説明するのは面倒でしょうし、ただでさえ住所変更なんて些末な業務はきっと非常勤職員にお任せでしょうし、その他の業務でお忙しいでしょうから、手放したら楽になるかと思います。手続きが面倒なら「どうぞ司法書士に頼んでください」っていうのが見え見えで本当に嫌になります。こんなに面倒にしておいて「所有者不明土地がたくさんあって問題だ」「登記を義務づけるべきだ」 なんてよく言えるなと思います。 しかも印紙代が1筆1,000円って、うちは7筆あるから7,000円くらいかかるのに。。。中古の空き家を購入してこれからそこに住むという方に対しては、現在所有者の方と交渉した上で、住所を移してから購入して、移転登記すれば、現住所で最初から登記されているので、購入後の儀式の手間と費用を省くことができるかと思います。 土地が何筆もあったりすると特に有効かと思います。相続の場合のみですが、 登記費用の免除があります。

本気で空き家対策が必要だと考えるのであれば、空き家に対してもっとできることがあると思います。現状は、あまりに新築への優遇策に傾きすぎています。新築戸建てを建てさせることで、特に建築業界と銀行へ利益誘導をして経済を大きくする、という理屈はよくわかります。 これまでは、それが有効に働いてきましたが、いろいろなひずみが大きくなっていると思います。 建築業界も求められるまま、安い家を量産するために、木材加工工場の海外移転や外国人労働者を使っての現場組み立てが増えていると開きます。その結果、国産材が使われず、 山は荒れ、製材所も減り、 大工さんの技術低下、賃金の低下で人材不足になっています。 また、施主の方も、 雇用や給与が不安定な中で新築ローンを抱えてしまうことは、家庭不和、 少子化の要因の一つになるのではないでしょうか。 ローンを抱えてしまっているせいで、 仕事を辞められない。不機嫌な様子でやりたくもない仕事を続ける人たち。ギスギスした職場で若手は辞める。「自分が死ねば生命保険で家族に土地と家を残すことができる」と考えた結果としての中高年男性の自殺。既存市街地の高齢化、郊外住宅の買い物難民、スプロール化による環境破壊、 農地の減少なども挙げればきりがありません。

これらを解決する一つの手段として、中古住宅の市場活性化が挙げられます。空き家の中古住宅をリフォームして、 浮いたお金で国産材を使う。もっと多様な趣味に使える。より豊かな生活になるのではないでしょうか?

[*1]http://houmukyoku.moj.go.jp/fukuoka/page000001_00169.pdf

[*2] 以下のリンクの 10)登記名義人住所・氏名変更登記申請書(住所移転の場合)が申請書 [http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/minji79.html#11

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?