今年の良かったコンテンツ8選
いろんな人が今年のベスト映画やらベスト音楽やらを発表する季節になりました。しかし、私はベストを選べるほど音楽を聞き込んでもいないですし、映画も見てはいません。
でも気分を味わいたいのでコンテンツごちゃ混ぜでよかったものをあげていこうと思います。
漫画「進撃の巨人」諫山創
今年完結した漫画。もはや説明不要だけど10年ほど前にブームが起こった時に、何巻か読んだきりになっていた。今回DMMのセールを機に全て買ってみようということで、読んだ。
最初は人類を食う巨人という謎の存在に対して反旗を翻すというわかりやすい構図(何年もこの認識のまま止まってた)だったけど物語中盤に明かされる謎をきっかけに、世界が大きく広がる仕組みには驚かされた。
「自由意志と決定論」という海外のドラマや映画(HBOのウォッチメン、メッセージなど)で扱われているテーマを同時並行的に取り入れていたことや、その上でこのスケールの話を大衆人気を獲得した上で描き切った胆力はすごい。
アニメ「PUIPUIモルカー」
上半期のネットの話題をかっさらったアニメ作品。モルモットが車だったらというトリッキーな設定やかわいい世界観から垣間見える人間の闇が云々というものがフックになっていた。
だけど私としてはストップモーションという表現の魅力を、最大限に引き出すような作り込まれた映像を見る快楽こそが最大に引き込まれたポイントだったと思う。
漫才「YMCA寿司」ヨネダ2000
M-1グランプリの敗者復活戦で衝撃を受けたネタ。言うなれば「音MAD漫才」という感じ。
向かって右の藍が淡々とYMCAをやり続け、向かって左の清水がそのYMCAを使いながら一人芝居をやるネタ。書いてても意味がわからない。
どんどん新しい展開が出てきて破綻寸前なんだけど、走り切る漫才に笑い通しだった。
まああれこれいうより実際に見てもらうのが手っ取り早いと思う。
コント「anna」空気階段
今年キングオブコントで優勝した、空気階段が2月に行った単独ライブ。
本人たちの実体験やラジオのネタをコントに取り込む作家スタイルはそのままに、短編を重ねて一つの結末へとつなげていく手腕は見事だった。
特に最後のコントでは、タクシー、ラジオ、高校(KOCは定時制という特殊な設定だったけど)といった今までのキングオブコントで披露したネタのモチーフが散りばめられていたり、彼らの人生に影響を与えらた音楽が使われていたり、ある意味集大成と言えるようなものだった。
芸人としてフェイズ2と言えるような段階に入っていると思うので、来年に行われる単独コントでは新たな空気階段を見せて欲しいなと思う。
オーディション「THE FIRST」SKY-HIほか
SKY-HIが立ち上げたオーディション及びその様子を映した番組「THE FIRST」は今年の上半期で個人的に一番盛り上がった。
K-POPが世界を席巻している2021年に、日本発で世界を目指すグループを作り出そうとする無謀とも捉えかねないプロジェクト。
厳しい言葉を投げつけたり過酷なミッションを参加者に課す「残酷ショー」になりがちなオーデションとは明確に距離を置き、それぞれの才能をリスペクトし引き出そうとするSKY-HIの姿勢。それに呼応するように力をつけていく参加者の様子がドキュメンタリーとしてとても面白かった。
そして、誕生したBE: FIRSTのデビュー曲「gifted」は彼らが何者なのか、どこを見据えているのかを示す自己紹介としては格好のものだったように思う。
また、落選メンバーも含めた最終選考に残ったオーディション参加者はSKY-HIが社長を務めるBMSGに所属している。会社というよりはヒップホップのクルーのような雰囲気を纏っている彼らが、既存の芸能界に対するオルタナティブとして、どのような動きを見せてくれるのか肯定的に注視していきたいと思っている。
音楽「LILAC」IU
2010年代から確立されてきた、複数人のグループが揃って一糸乱れないステージングするK-popのイメージとは一味違ったソロアーティストのアルバム。
前述したTHE FIRST内でSKY-HIが参加者を称賛する際に言っていたような「歌のもつ感情を掬い取って表現する能力」とは何かを体現しているようなアーティストで、PVで見るとよりその表現力の高さに驚かされる。
ただ、このアルバムについて書こうとしても、知識不足だったりでなかなかうまくいかなかった。
なのでプロのライターの方のnoteをぜひ読んでいただきたい。
ドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」
今年の春クールで放送されたドラマ。
脚本家・坂元裕二というだけで十分楽しめる。しかし、それだけでなくSTUTSとkid fresino、BIMなどの週替わりのラッパー(カメオ出演によるサプライズで今日はこの人か!となるのも楽しかった)による主題歌が最高だった。また、近年米津玄師と仕事をしている坂東祐大による劇伴など音楽面もよかった。
実力派俳優の演技も間違いなくあらゆる表現者がそれぞれの力を発揮して一つの作品が形成さたことの尊さを感じることができた。
物語としても中盤のある出来事をきっかけに作品のトーンアンドマナーが変わっていく様を毎週追っていくという連ドラならではの楽しみ方ができたのもよかった。
ポッドキャスト「奇奇怪怪明解事典」
Dos monosというグループのラッパーTitanとバンドMONO NO AWAREのボーカルボーカルギター玉置周啓によるポッドキャスト番組。
様々なカルチャーを横断して、二人が刺さったものを紹介したりしている。「pop life the podcast」ゲスト出演する回でその存在を知り、そちらも聞くようになった。常に軽口を言い合うようなユルさが特徴で流し聞きするのにちょうど良いのだが、お笑い芸人に対する視点などは鋭いなと感じることがある。最近だとM-1グランプリの話題で玉置が「ランジャタイは霊体験なんだよね」と言っていてなるほどなーと膝を打った。
たまに悪ふざけで著名人などをネタにしていることがあり、ヒヤヒヤすることもあるがそのスリル感もまあ魅力なのだろう。書籍化も決まり今後もっと話題になりそう。
以上8点、今年個人的に紹介したくなったものを挙げました。この無軌道感から時代性みたいなものを抽出できたら面白そうですがちょっと難しそうですね・・・。
ここ1ヶ月くらい映画をかつてないペースで見ているので、この調子で来年は映画のベストを記事にしたいなと思っています。いや、そこまで続くかわからないので、せめて上半期ベストくらいは。
義務感に駆られて見てもしょうがないので無理ない範囲で見ていきたいなと思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?