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「アピアランスケア」について(令和4年6月定例会の一般質問より)

荻野泰男の『主要重点政策』2023年版のうち、「3.健康長寿の実現と地域医療の充実」の中で「がん患者への支援としてのアピアランスケア」についても言及しました。

いわゆる「アピアランスケア」については令和4年(2022年)6月定例会の一般質問において取り上げた経緯がありますので、その際のやり取りを以下紹介いたします。

■ 令和4年(2022年)6月定例会 一般質問より

[◆荻野泰男]

 次に、がん患者への支援について質問します。
 まず、本市ではがん患者に関してどのような情報を保有しているんでしょうか。瀬能健康推進部長に確認させてください。

[◎瀬能健康推進部長]

 がん患者に関する情報でございますが、埼玉県から保健統計年報の数値として所沢市におけるがん死亡者数と人口10万人に対する死亡率についての提供を受けているところでございます。

[◆荻野泰男]

 ほぼ具体的な情報は持っていないということだと私は理解しました。
 そこで、例えば保健医療計画の中でもがんの予防ですとか早期発見ということは結構書かれているんですけれども、実際にがんになってしまった方への支援というのはないと思うんです。

 そこで、今回はいわゆるアピアランスケアという言葉があるんですけれども、アピアランスケアとはどのようなものなのかということと、また、その必要性や重要性について市としてどのように認識しているのか併せてお伺いします。

[◎瀬能健康推進部長]

 アピアランスケアでございますが、国立がん研究センター中央病院の定義では、医学的・整容的、これは整えるということですね、整容的・心理社会的支援を用いて、外見の変化を補完し、外見の変化に起因するがん患者の苦痛を軽減するケアとされております。

 こうした考え方は、がん医療の進歩により、治療を継続しながら社会生活を送るがん患者が増加しておりますことから、治療に伴う外見変化への対処等について、医療現場を中心に重要視されるようになったものと認識しております。

[◆荻野泰男]

 そうですね。国のほうでも厚生労働省の、例えば、がんとの共生のあり方に関する検討会とか、そういったところでかなり議論がされてきているようです。

 そこで、本市で実施しているアピアランスケアに関する取組がもしありましたら御紹介をお願いします。

[◎瀬能健康推進部長]

 本市の事業として、このアピアランスケアに該当する取組等は特に実施はしておりません。

[◆荻野泰男]

 残念ながら現状はそういうことなんですね。
 そこで、一般的に例えば医療用ウィッグ、かつらですとか、あるいは乳がんになった方の乳房とか胸部の補整具を購入した場合に、一般的なお話でいいんですけれども、どの程度の費用負担が見込まれるのかお伺いします。

[◎瀬能健康推進部長]

 医療用ウィッグと乳房補整具の費用負担でございますが、一概には申し上げられませんが、1万円前後のものから10万円を超えるものなど、製品によって幅があるようでございます。

[◆荻野泰男]

 いろいろ費用は、ものにもよるということだと思うんですけれども、やはりがんの治療をされている方は、もちろん治療費の負担も大きいですし、仕事もちょっとセーブしなければならなかったりすると、やはり収入もかなり下がってしまうこともありますよね。

 そこで、がん患者の方の経済的負担の軽減、療養生活の質の向上、あるいは就労継続等の社会生活を支援するために、医療用ウィッグですとか胸部の補整具の購入費用を助成している自治体が全国的に増加しているようです。県内では、まだ川口市、行田市、美里町ぐらいのようなんですけれども、全国的に見ると、ほぼ全県で実施しているような自治体もかなりあります。そこで、本市においても同様の取組を検討すべきではないかと考えますが、市の見解をお伺いします。

[◎瀬能健康推進部長]

 この購入費用を助成している自治体ということでございますが、今、議員から御案内ありましたとおり、医療用ウィッグにつきましては県内で川口市、行田市、それから美里町の3自治体で実施をしているところでございます。

 また、補整具でございますが、こちらにつきましては県内では確認ができませんでしたが、山形県ですとか岐阜県などで実施をしております。
 
本市といたしましては、このような闘病をしながら日常生活を送られている皆様に寄り添った支援の在り方について、先行自治体の状況等を注視してまいりたいと考えております。

[◆荻野泰男]

 ちなみに埼玉県議会では令和2年12月に公明党の議員が取り上げていらっしゃいまして、県の保健医療部長が答弁していたんですけれども、療養生活の質がよりよいものになるような助成の在り方を検討してまいりますということで、それから、患者団体からの要望もございますので、まずは患者が自らのライフスタイルの選択ができるよう、多様な情報の整理や相談体制の整備を図ってまいりますと答えていらっしゃいましたので、やはり県がもう少しやる気になってほしいなとは思うんですけれども。

 やはり助成となるとある程度の予算がもちろんかかる、財政負担がかかるんですけれども、例えば、神奈川県横浜市では市内の医療者や国立がん研究センター中央病院との協力でアピアランスケアに関するリーフレットを作成しているんです。また、さいたま市では、助成制度はないにもかかわらず、医療用ウィッグの販売やメンテナンス等が行える理美容室の情報を掲載した「医療用ウィッグ・サポート店一覧」を作成し、外見の悩みを抱えているがん患者への情報提供を行っています。

 こういった予算をかけずに行う支援も可能ですので、本市においてもホームページ等を活用してアピアランスケアに関する情報提供を行うことはできないでしょうかお伺いします。

[◎瀬能健康推進部長]

 アピアランスケアにつきましては、医療技術の進展により、近年になって重要度が高まってきた概念でございますので、現状におきましては、どのような情報が提供できるのか、また、どのような形で情報が届くのがよいのか、こちらも併せ、先行自治体の事例などを確認してまいりたいと考えております。

[◆荻野泰男]

 ぜひですね、保健医療計画の進捗管理を行っている審議会みたいなものもあるじゃないですか。そういったところで、医療関係者の方もいらっしゃるので、ぜひそういった方の、そういう場で御意見等も聞いていただけるようにお願いします。


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