見出し画像

「福本本気で??」2024年11月14日

・今日も労働のはずが、大事を取っておやすんだ。もう咳だけで十分元気なのだけどね。こういう休みが一番テンションが上がる。学校休んだけど、昼頃から元気になって普段見れない番組(ひるおび!とか)を見るあの時間。

・と言っても、ゲームをガッツリしてえなみたいな体調ではなかったので、最近追えてなかった漫画を買って読んでいた。

・その中で特に衝撃的だった「二階堂地獄ゴルフ4巻」の話をします。まずこの漫画知ってる???まあ絵柄的に福本漫画であることは分かるだろう。

・最近、ハンチョウの外伝だけが独り歩きしてバズっているせいでカイジを知らないのにハンチョウのことが好きな人もいるらしい。インデックスを知らないのに、御坂美琴を知ってるやつみてえだぁね。

・漫画のことを、マイナーなアニメで例えちゃだめだね。

・この漫画は、福本先生が現在直々に連載中の作品だ。周りの外伝とかは福本先生が監修に回っていることも多いけど、この二階堂地獄ゴルフは正道の福本漫画である。正直、あんまりネット上で話されているイメージないけどこっちが正道である。

・どうせ読まないだろうし、多少のネタバレがあった状態で読んでも面白いと思うので、ガッツリネタバレしちゃうね。

↓↓↓ネタバレについてのもれの考え方

https://note.com/ogika294/n/nf0b511c24eea


・この漫画は、主人公の二階堂がプロゴルファーを目指していく話だ。ただ普通の漫画とちょっと違うのは、25歳からゴルファーを目指し始めて48歳になるまでの23年間プロテストに落ち続けている事。初回のプロテストが、最後のパターを外してしまってギリギリ不合格だったことが枷になって、プロになることから降りられなくなった男の半生が描かれている。

・まず俺はこの悲惨なリアリティが好きだ。東大・医学部受験を何浪もする人って、年々点数が上がって合格に近づいていくのではなくて、現役とか最初の方で惜しかった回があるせいで続けちゃうパターンの方が多そうじゃん。M1とかお笑いの世界でもそうだろうね。

・こういう突き抜けるほどじゃないけど、微妙に才能を持った奴らがその世界から降りれなくなる現象って現実でもある話だと思うんだよな。

・だからこの23年間プロに落ちつづける奴ってそこまで漫画的なキャラではないというか。馬鹿っで~!と軽率に消費することを許してくれないというか。そういう凄みをこの漫画からは感じていた。3巻まではね。

・25歳から48歳まで二階堂は定職にもつかず、ゴルフを続けているのだけれどついに3巻終盤でとうとう自分の人生に絶望し、死を決意する。

・で4巻冒頭では死のうとしたら、謎の小人が「にかいどう?」と話しかけてきてそれに応じると、1回だけ数秒前の世界にタイムスリップ出来るという能力、言い換えれば2回目をやれる能力を手に入れる。

・おい!!急に漫画のキャラになっちゃったぞ!!!!二階堂っていう苗字にしていたのは、これがやりたかったからなの????

・ただここで急につまんなくなったか、というとそうでもない。4巻で二階堂がこの数秒戻れる能力との向き合い方を模索する様子が描かれる。

・タイムスリップと言えども、この数秒というのがミソだ。宝くじを当てて巨万の富を得たり、悪用して大犯罪を実行することも出来ない。偉い人への出過ぎた発言を訂正できたり、倒れるはずだったコップをキャッチするみたいな小規模な事故を防ぐのに使える程度。

・ただこの能力が絶大の力を発揮するものが1つある。それがゴルフだ。

・ゴルフにおいて1回打ち直せると言うのは強大な力である。1回目はリスク度外視で、上振れ狙いのショットが可能だから。バンカーとか行っちゃったらやり直せばいいだけ、というのはゴルフ知らない俺でもとてつもないアドバンテージなことは理解できる。

・じゃあ「チート能力を使ってゴルフ無双~戻って来いと言われてももう遅い~」が始めるのかと思えばそんなこともない。彼は腐っても23年間ゴルフに向き合い続けてきたので、自分だけズルをすることに良心の呵責がある。

・ただこっからが福本漫画だな~と思うが、二階堂はなんとか自分を説得して「俺はこんだけ頑張ってるんだし、この能力を使ってもいいのでは?」のマインドまで持っていく。自分がプロテストに挑戦し落ち続けている様子を見て勝手に勇気づけられている、二階堂に似た連中を使って。(連載の取れない漫画家・プロになることを完全に諦めたゴルフクラブの店員など)

・要するに降りれなくなった人々のヒーローである俺(二階堂)は、多少ズルをしても許される!!!という論理だ。

・福本先生はこういう弱い人間の心の動きを描くのが本当にうまい。

・突然能力に目覚めたときに、それで無双できるのは人として強い奴の行為。弱い人間は、自分がその恩恵に預かっても良いという言い訳を一生懸命探す。そういう汚い人間のリアリティを見つめる漫画だと思って、二階堂地獄ゴルフを読んでなかったので、とてもこの展開には驚かされた。

・皆読め!!!!まだあんまりバレてないぞ!!!!


いいなと思ったら応援しよう!