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どうすれば未経験からデザイナーになれるのか。素人の僕がプロのデザイナーになった方法
皆さんお疲れ様です、僕です。
僕は今ではデザイナーとして仕事をしていますが、実はデザインを専門的に学んだことはありません。
高校は地方の進学校。
普通に大学受験を受けて私立の大学に入学。
大学は理系の学部で「農学」を専攻していました。
途中から興味が変わって、「経済」専攻になりました。
学部間を移動したりと、大学での学び方は他の人とは少し違いましたが、学生時代に誰かかからデザインを教えてもらった経験は一度もありません。
ただ、大学の途中からデザインに“恋してしまった”僕は独学でデザインを学び、卒業後、小さなデザイン事務所で働くことになりました。
「なぜデザイナーになったのか?」と聞かれれば「デザインが好きになっちゃったから」としか言いようがありません。
僕は自分の興味と直感を信じて、全く無縁だったデザイン業界に飛び込んできました。
僕と同じ境遇にある人は、決して多くはないと思いますが、確実にいるはずです。
大学生であっても、社会人であっても、目の前にある専攻や職種に縛られるほどつまらない人生はありません。
そもそもデザイナーとは何なのか?
さて、これから僕がどうやってデザイナーになったのかをお話ししようと思うお話ししようと思うのですが、その前に、“デザイナーとは何か”という根本的な部分について考える必要がありそうです。
今では誰もが数万円払えばプロが使っているのと同じレベルのAdobe系のソフトを手に入れることができます。
だからこそ、誰もが自分をデザイナーだと言い張ることができるし、自分のスキルに自信がなくても「デザインができる!」と去勢を張ることもできます。(かつての僕がそうだったように…)
パソコンにIllustratorやPhotoshopが入っていて、例えば、それをある程度使うことができれば「デザイナー」なのかと聞かれれば、もちろん答えはNOです。
これは僕の持論ですが、その人が「デザイナー」であるかは、その人が“デザインにおいてプロであるか”によって決まります。
プロの条件はいくつもありますが、最も重要なのは「デザインでお金を稼いでいるか」です。
例えどんなにヘタクソなデザインしか作れなくても、それにお金を払ってくれる人がいるなら、その人は“プロ”です。
逆にみんなが驚くような斬新なデザインを作れるけどお金を一円ももらえない人は、“プロ”ではありません。
そういった意味で、この記事では僕がデザイナーとして“お金を稼げるようになるまで”に何をしたのかを紹介できればと思います。
1. 最低限のソフトを使えるようにした
まず最初に、僕はAdobeのライセンスをパソコンに入れました。
デザインに興味を持った僕は、「ひとまず自分で何かをデザインしてみたい!」と思ったのです。
当時、Adobeのライセンスを買うほどお財布に余裕がなかった僕ですが、友人が学生用のライセンスを購入していたので、そのライセンスを自分のパソコンにも入れてもらいました。
(公式にはグレーな行為ですが、若気の至り、、ということで、、ね?)
ひとまずIllustratorというソフトを使って、勝手に架空のロゴを作ってみたり、絵を描いてみたりしていました。
ちなみに僕は絵がヘタクソです。
(当時僕が書いた「HERO」という作品。。。うん、ひどいね。)
そのうち、画像加工のためにPhotoshop、webデザインのためにXDなどを触るようになっていきました。
当時は、学生同士で集まってプロジェクトを立ち上げる、といった意識高ぇことをやっていたので僕の貧弱なデザインスキルであっても、少なからず誰かの役に立っていました。
だからこそ、「もっと上手く作りたい!」、「もっといろんなものを作りたい!」という意欲がどんどん湧き上がってきました。
2. 本を読み漁った
さて、ひとまず最低限のソフトを使えるようになった僕ですが、デザインのクオリティは格段に低かったです。
それもそのはず、独学でなんとなくデザインを始めてみた僕はデザインのセオリーも、テクニックも、考え方も何も知らなかったのです。
だから僕はそれを知るために、本屋に並んでいるデザイン系の本を片っ端から読み漁りました。
デザインの考え方、ソフトの使い方、フォントや色の選び方など様々な種類の本を読み漁りました。
当然、大学で4年間デザインを学んだデザイナーたちほど深くデザインを理解することはできませんでした。
ですが、本を読むことでデザインの基本的な概念を身につけることができました。
3. Crowdworksでとりあえず仕事に挑戦してみた
さて、本を読み漁って少しばかりの自信を手に入れた僕は、次第に、自分のためではなく誰かのためにデザインをしたいと思い始めました。
しかし、こんなド素人がすぐにデザインの仕事にありつけるはずもなく、しばらくは相変わらず本を読んでは架空のロゴを作る日々が続きました。
そんな中、僕はCrowdWorksに出会いました。
CrowdWorks上にはゴロゴロとデザインの案件が転がっていて、しかも経験などは関係なく全てにチャレンジできたので、僕はのめり込みました。
CrowdWorksには何人もの応募者の中から1名を選んで仕事を発注する「プロジェクト形式」と、実際にいくつものデザイン案を募集してその中から気に入った案を選ぶ「コンペ形式」の2種類があります。
僕は自分の経歴などが影響せず純粋なデザインのクオリティだけで評価される「コンペ形式」の案件に、片っ端から応募していきました。
大学の図書館に1日中居座り、ロゴや広告デザインの案件を何件も何件もこなしました。
しかし、数ヶ月もの間挑戦して、結局採用されたのはたった1件。
収益にして¥5,000です。
この時、月に15件以上の案件に毎月挑戦していました。
当然、素人同然の僕のデザインが頻繁に採用されるわけもなく、毎日コンペの結果に落ち込む日々が続きました。
そんな中、SNSなどで「デザインができる」アピールをしていた甲斐があってか、起業家の知り合いからデザインの依頼が来ました!
4. 知り合いから仕事をもらった
i以来の内容は、その起業家が新たに設立する会社のロゴデザイン。
報酬は¥0でした。
(お金の代わりに焼肉を奢ってもらいました。)
報酬は¥0だったけど、自分の作ったデザインが世の中に出て、誰かがそれを見る日が来る。
当時の僕にはそれがあまりに嬉しすぎて、かなりの時間をかけて作りました。
その後、ロゴデザインを頑張って作ったせいか、その起業家からアプリのUIデザインをやらないか?と誘われました。
これが僕のデザイナーとしての起点となった案件で、その報酬は25万円。
UIデザインの案件としてはページ数を考慮しても少し低い金額ですが、デザインを学んだことがない大学生に支払う金額としてはかなり高額だったと思います。
この時、初めてプロとして認められたような気がしました。
結局、僕の経験不足もあり、この案件には半年くらいを費やしました。
なので、時間単位の報酬としてはかなり低くなってしまいましたが、僕がデザイナーとして初めて誰かにプロとして認められた貴重な経験を得ることができました。
しかし、それ以降は仕事を得ることができず、CrowdWorksのコンペ案件に挑戦しては負け続ける日々が続いていきました。
5. ポートフォリオを作った
それからもCrowdWorksや知り合いからの依頼で、無料でロゴを作ったり、チラシを作ったりしているうちに、正式に世に出た僕の作品は8個くらいになりました。
そこで、僕はもっと仕事を得られるように、簡単なポートフォリオサイトを作成しました。
並んだ作品のクオリティは決して高くはありませんでしたが、誰かに自分のデザインの実力を示すためにはポートフォリオを作る必要がありました。
このポートフォリオを見せるときは、正直いつも恥ずかしかったです。
しかし、それが逆に僕の意欲につながりました。
箱ができてしまえば、そこに今よりもっと美しいものを飾りたいと思うのがデザイナーの性。
僕は、いつかそこに心から納得のいく美しい作品が並ぶことを夢見て、どんどんデザインの案件をこなしていきました。
しかし、人間が生きていくには少なくとも月に数十万円のお金が必要です。
当時の僕は学生ということもあり、両親から仕送りをもらっていたのでギリギリ死ぬことはありませんでした。
ですが、自分の可能性を信じてデザインを作り出しても、それがお金の評価として得られないことに苛立ちを感じていました。
同時に、僕はこのまま卒業してフリーのデザイナーとして生きていけるはずがない、という現実的な考えも抱き始めていました。
6. デザイン事務所に入った
僕は同学年のみんなより、かなり出遅れて就活を始めました。
当時の僕は、「フリーランスとして生きていく!」と胸を張って言えるほど、自分のスキルや知識に自信を持っていませんでした。。
でも、せめてデザイン系の就職先を探したい、そう思って自分の大学の専攻とは全く関係ない、デザイン系の会社にアプローチしていきました。
当時勤めていたデザイン事務所に決まるまでに、以外にも、長い時間はかかりませんでした。
就活を始めて1ヶ月くらいで、考え方に共感できて自分のやりたいこととマッチする会社が見つかったのです。
1週間ほどインターンとして働いた後、採用の通知が来て、僕は圧倒的なスピードで「YES」と返事をしました。
本来であれば、僕のような素人同然の学生を採用することは会社にとって大きなリスクとなりますが、僕がヘタクソながらもデザインにしがみ付いて努力してきたことが評価されました。
こうして、ド素人だった僕はプロのデザイナーになりました。
大事なのは、デザインに“恋する”こと
闇雲に案件を漁りいくつものデザインを作ったにも関わらず、ほとんどお金が得られなかった学生時代。
何度もお金に困ることがありましたが、諦めずに、泥臭くデザインにしがみついてきた経験は今でも活かされています。
デザインはクライアントに認められて初めてお金になる。
認められて、始めて意味と価値を持つ。
自分本位で作ったデザインはポートフォリオにも載らず、ただパソコンのゴミ箱に溜まっていくだけ。
デザイナーを目指した最初の時期にそれに気付けたことで、僕はデザインをビジネス的に捉える視点を持つことができました。
デザイナーとして生きていく事は、当時の僕が思っていたより過酷でした。
でも、誰だってデザインに“恋している”なら、デザイナーになることができる。
クサい表現ですが、確かにこれは事実だと思います。
僕の学生時代の葛藤は、その事実を証明しているはずです。
もしあなたが本当にデザインのことが好きなら、どんな逆境だって乗り越えられるし、デザイナーになることを諦めないはずです。
それほどデザインが好きなら、あなたは必ずデザイナーになれます。
僕がそうだったように、デザインに対する愛を忘れなければ。
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