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「鬱は大人のたしなみ」だそうで

最近、SNSでご覧になりましたか。リリー・フランキーさんのフレーズだそうです。スクロールする指が止まった人も多いのではないかと思います。

「鬱は大人のたしなみですよ。それぐらいの感受性を持ってる人じゃないと、俺は友達になりたくないから。こんな腐った世の中では少々気が滅入らないと。社会はおかしい、政治は腐ってる、人間の信頼関係は崩壊してる、不安になる。正常でいるほうが難しいでしょう。」

*吉田豪さんのラジオインタビューでの言葉だそうですが、真偽は定かではありません。

2025年の現代社会は、例えば20年前と比べて本当に複雑化したし、人間だって生き物だから、壊れてしまうこともあります。鬱にかかってしまうのは大変なことだけど、現代では珍しいことではないようにみえます。

鬱がたしなみ、という意味を探る

たしなみの意味を再確認。 出典:goo辞書

  1. このみ。また、趣味や余技。

  2. 芸事などに関する心得。このみ。

  3. つつしみ。節度。

  4. 普段の心がけ。用意。

私の場合、goo辞書の3と4の意味で捉えると、すっきりしました。

鬱を患うと、(人によりますが)落ちつづける感覚に見舞われることがあります。落ちて、たどり着く場所とは、「行かなくてもいい場所」。

目の前にいる人も、あの場所へ行ったことがあるのかもしれない、と一考すると、人間の共感性として他人への態度や言動として現れます。これが、つつしみ、節度とよばれるものなのかもしれません。

謙虚さ、心得。これらの言葉は日本語ならではの美しい表現のひとつではないでしょうか。

ここで一つノートするのは、これらは「遠慮」ではなく「控え目」でもありません。どれだけ大変だったかを知りえたうえで、相手を凌駕することなく、慎み、いたわりの心で人と接する心構え、準備。

精神疾患は、どんな形であれつらいはず。場合によっては、当人だけではなく、その人の周りの家族、パートナー、友達などにも影響する場合があり、その影響の期間は年単位になることもあり、影響のインパクトはさまざまです。なるべく早く異変に気づき、自覚し、必要なら専門医の助けを借りに行くのが回復への一歩です。

「ピアノはたしなむ程度です」「トライアスロンはたしなみましたけどね」なんて私が言ったら、それは意味を成すのかさっぱりわかりませんが、たしなみっていい言葉ですよね。

「鬱はたしなむ程度で」なんていう人が現れたら、ぜひお話したいし、お友達になりたいって思います。

「正常でいるほうが難しいでしょう」ー正常って、なんでしたっけね、リリーさん。

画像は、最近我が家に来たフォスター猫ちゃん。それぞれ違う場所で保護されたようで、のんびりマイペースの二匹です。


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