
小川屋の色々裏話~幻の白餡?
小川屋といえば白あん???
どこで聞かれたのかわかりませんが、「小川屋は白餡の店でしょ?」なんて耳を疑うようなことをお客様が言われたことがありました。
小川屋の金光饅頭は、昔から北海道産の小豆を100%使った自家製のこしあんがメインの商品です。その味も製法もずっと変わっていません。
もちろん白餡も自家製で、他の店にはない独自の味ですので、昔から根強いファンがおられます。春秋の祭典と年始のみ、一部の好きなお客様のために数量限定でご用意はしておりますが、製造する量としては少ないため「白あん」の存在を知らない方も結構おられます。
全体のお客様が買われる量としては圧倒的に小豆あんのほうが多く、
焼きながら販売するこの期間は小豆あんの製造が追い付かなくなるため
結果として
もう少し売りたくても少量しか製造販売できない
→すぐ売り切れ
→希少で人気?
ということで「幻の白餡」と言われるのかもしれませんね。
最近はSNSや口コミで知った方から「今日は白あんはないのか」と聞かれることが増えてきたように思いますが、もともと時期限定の商品です。
どうして普段はないのか?
それは「大きな釜」のせいだったりするのですが…
一度に大量しか焚けない大釜
今は通りも寂しくなりましたが、昭和から平成にかけての大谷は、
祭典や年末年始に限らず大変賑わっていました。
その頃は昼夜問わず、大型機械をフル稼働して製造し続けても追い付けないほどでした。
そんな頃から使い続けている機械たちですので、一度に製造する量も大量の大型。今でも現役なのですが、「大は小を兼ねる」とはいかないのです。

製餡は仕上げるタイミングが秒単位で変化する難しい作業。
大釜で少量の餡をたくのは火が入りすぎるため難しく、今は同じ味が保てる最低の量を炊くにしても、まとまった数を売ることができる時期に限られてしまうのです。
そうかといって小鍋では一日に売る量にも足りず、安定した品質のあんにするといった面でも至難の業です。
今後、設備が整えられたらできるかもしれませんが、人手も場所もなく、
原価も上がる一方の昨今では現状を守るのが精一杯というのが本音です。
また、原材料の手芒豆も(小豆もですが)手間がかかる割に穫れないのか、儲けが少ないのか生産量が減っているらしく、高騰して手に入りにくくなってきました。
ほかの豆に変えてしまうと、味も舌触りも香りも全て変わってしまいます。
味を変えずに、昔からのお客様の期待に答え続けること。
様々な理由でそれを続けていくことは難しい時が来ると思います。
しかし、出来るだけ少しでも長く続けていけるように、工夫しながら日々努力していこうと思っています。
白あんに限ったことではありませんが、期間限定品というのは
「いつでも買えるもの」より、「期間限定でのお楽しみ」のほうが
待ち望んだ分、手に入った時の嬉しさとおいしさが違うもの
――だったりするんじゃないでしょうか。
小川屋にも最近は色々と「限定品」が登場しています。
季節限定、時期限定、イベント限定など(製造上の都合などもありますが)
その時々で、販売されるのを心待ちにしていただけるような商品をお届けできたらいいなと思っています。
記事を読んだら
スキ&フォローしてくれると嬉しいです。シェアも大歓迎です。
コメント、ご意見などもお待ちしています。