ぶらり旅に同行させてもらった。(3)
文明の利器、スマホ様の目覚まし機能により目を覚まし、無事に三峰口駅でバスを下車。
電車に乗り換え、一路、長瀞を目指すぶらり旅。
駅舎の古さがいい味を出してる。
左横にある赤いのは、コカ・コーラの看板だけど、
ぶっちゃけ真夜中、人気がないところで見たら、
確実にホラー現場の雰囲気醸せるくらいメッキメキに剥がれてて、個人的にとても好き。
駅舎の入り口にはガリガリ君コラボのポスターが揺れていて、友人が
「これだけガリガリ君推してるんだから、近くでガリガリ君売ってそう!」
とテンション上がっていたけれど、そもそもお店がありんせんした。
残念。ガリガリ君は食べられず。
SL乗車もできるらしいので、テツ好きな方には有名なところなのかも?
SLは子供のころ北海道のどこかで乗って、黒い車体がピカピカしてて、かっこいいなと思った思い出。
今だと確実に「鬼滅の刃 無限列車編」ですよね。
掲示板は電光だったり、でも駅舎はものすごいローカルぽかったり、スイカチャージは縦型のちょっとやりにくいやつだったり、でも駅員さんが親切だったり、古さと新しさが入り混じった可愛い駅。
三峰口駅。
出発5分前までホーム外の駅舎にいたら、駅員さんが「この電車ですよ」とわざわざ案内に出てきてくれたという。優しさのかたまりに触れた。
さあ。
ほとんど貸し切りのような電車で、いざ長瀞へ!
到着すると、懐かしのカエルがお出迎え。
コロちゃんっていうの知らんかった~。
もう70歳なんだ。ほっほう。長生きしてね。
ここから友人の案内で、目標のかき氷店へと歩いて向かうことに。
友人曰く、
「本当は一番行きたかった店があったけれど、そこは長蛇の列になるほどの人気店。2~3時間待ちは当たり前。おがさん炎天下に2分いたら溶けそうだし、この時間からだと閉店時間にかかってしまいそうだから、別のとこにしたよ」
とのこと。
人気店から天然氷を仕入れているという、坂道を進んだちょっと上の場所にある、別のかき氷店を目指すプランにしていると教えてくれた。
ほっほう。
かき氷食べたい季節に3時間も外で並んでたら、おがさん確実に死んでしまいますね、と思う、暑さに脆弱な北海道人。はは、固体2分も持つかな?
良いプランニングをありがとうと思いつつ、ゆるやかな坂道を上っていると、ふと右側に涼やかな外観のお店が目に留まる。
「ここもかき氷屋さんみたいだけど、もっと上?」
「え?」
「阿左美……冷蔵……?って書いてるよ」
「え!? 空いてるの!? 開いてるの!? ははは入れる感じ!!??」
友人の声が裏返ったと同時に、店員さんが気づき、声掛けをしてくださる。
「入られますか?」
阿左美冷蔵さん。
友人が「行きたいけど人気すぎて無理だろう」と諦めていたかき氷屋さん。
なんという出会い。なんという運命。
まさかのノータイムで席に案内され、閉店間際のラスト客になれたという幸運にあやかる。
店内で興奮冷めやらぬ友人からお店のレクチャーを受け、じわじわと運の良さを感じ、これは三峯神社の御利益では、と言い出す我々。
縁結びの神様だし、間違いないのでは。
かき氷との縁結んでくれた。
御利益半端ない。
ありがとうの御礼お参りいくべきかもしれない。
自分でかけるというかき氷、初めて食べた。
というかファミレス以外で……? いや、もしかしたらお祭りの屋台以外でかき氷食べたの初めてかも。家で氷クラッシュするのは別。
なんかすんごいこんもりしてて、ふわっふわしてて、めちゃ美味しかった。
抹茶蜜と黒蜜ではちゃめちゃに美味しくて、あっというまに完食。
大満足のごちそうさまでした。
ところでこれ実は、最初に練乳も小瓶に入れて出されていて
「よろしければどうぞ」と言われていたのに、すっかり忘れていました。
かき氷が出てきてから、友人がちょいちょい「これ絶対練乳あうやつだわ。間違いないよね」と言ってきて、「確かに合いそうだけど、なんでこの人そんなに練乳の話題出してんだろ」と思っていたという。
すまない。机上にずっとあったんだね、練乳。
そもそも私はあまり練乳が得意ではないので、覚えていてもかけなかったかもですが。練乳、なんか…甘くない……?ねっとりしてない……?
練乳好きな人が「あま~い」と美味しそうにしてるのを、細目で見るのは結構好きです。
あ、ここでただひとつの後悔は、せっかくの「阿左美冷蔵」のかき氷だったのに、全然美味しそうに撮れなかったこと。食べログとかに載せてる人なんなん? 全員プロのカメラマンかなんかなん??といつも思う。
さてさて。
うままま、うまままま、と食べていたときに、また友人からの衝撃報告が。
「あ。7分後の電車に乗れないと、次は2時間後です」
走るぞおおおおおおおおお!!!!!!
なんでいつもそんなギリギリに言う。
骨折してるのに、一日でこんなに走ったのも生まれて初めてだった。
ちょっとズキズキするけど、それもまた、いい旅の思い出。(3)