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おがわん隣人まつり@旧下里分校 を開催しました!

「隣人まつり」なるものをご存知でしょうか。1999年、パリでお年寄りが孤独死したことがきっかけで、ある青年が、同じアパートや地域に住む隣人たちと一緒に食事をしながら語り合うパーティを開催したのが始まりと言われています。隣人まつりは現在、世界中様々な地域で行われており、新しい出会いや協力の関係が、人々が集い交流することで生まれています。

地元農業を町が応援する「おがわんプロジェクト」を町民の皆さんと一緒に考えたい、もっと知って応援してほしいという思いを核に、小川町でも隣人まつりを10月に開催をしました!

1.イベント概要と目的

隣人まつりの会場となったのは、小川町下里地区にある旧下里分校の校庭。
直前まで雨天時に校舎内で開催する準備を進めながらの、ドキドキの天候でしたが、当日は曇り&無風の最高なコンディションに恵まれての開催となりました。

◯場所 小川小学校旧下里分校 
◯時間 2024年10月26日(土) 10:30~14:00
◯料金 無料(会場でおがわん野菜の販売あり)

小川町の元気な農業を応援するおがわんプロジェクトに関わる農家、飲食店、町民が一同に集い、おがわん農産物をともに味わうこと、話し合うことを通じて、おがわんプロジェクトの輪により多くの人が参加することを目的として開催した。

2.運営

今回のイベントは企画段階から女子栄養大の学生さんと一緒に準備を進め、当日を迎えました!なんと総勢25名の学生さん。準備段階から、実際に小川町に来る機会もあり、その度に皆さんが駅前のおからドーナツを買うのを楽しみにしているのがとっても可愛くて、気に入ってくれていることが私も嬉しかったです。

地域おこし協力隊 泉地
霜里学校 八田、小熊
女子栄養大学 教員平松、学生25名

3.参加者

参加者は広く一般募集ではなく、こちらからある程度声掛けをする形で集客をしました。企画当初は、学校の給食センターや栄養教諭の方にもご参加いただきたくお声がけをしていたのですが、なかなか学校のハードルは高く…次回開催時の反省点です!一方で、農家さんや飲食店、小川高校生、議会など、かなり属性の異なる参加者の皆さんにお集まりいただくことができたのが良かったです。

▶おがわん農家
霜里農場、豊八農園、山田農園、サンファーム高橋、風の丘ファーム、有井農円
 
▶︎おがわんパートナーズ(町内飲食、販売店)
飲食店:役場のとなりのバル。、分校カフェMOZART、エシカル、有機野菜食堂 わらしべ、三代目清水屋豆腐、kuuおやつ、おがわ食堂、BLISS
販売店:観光案内所むすびめ、小川町特産品販売所

▶︎学校関係者、町事業・小川学関係者
小川高校教員・生徒、若者未来会議、おがわ学コーディネーター

▶︎町執行部
小川町議会議長

▶︎一般消費者 
保育園児〜中学生の子どもと保護者

⇒ 当日のイベント参加人数 76名(運営含む)

4.実施内容コンテンツ

当日のコンテンツはオープニングから始まり、学ぶ→味わい楽しむ→深める→購入する(持ち帰る)流れで構成しました。

10:30 オープニング
11:00 おがわんプロジェクトって?
 ①地域おこし協力隊、役場職員によるおがわんの説明
 ②霜里農場で土づくりの取り組みの見学
12:00 おがわんランチ会
13:00   トークセッションと振り返り
13:30 クロージング、野菜の販売会

オープニング

お出迎えするのは受付担当を担ってくれた栄大生の学生さん!地域の方と積極的にコミュニケーションを取ってスムーズに進めてくれて有り難いかぎりでした。

おがわんの説明

コンテンツ1つ目は、「おがわんプロジェクトって?」ということで、①地域おこし協力隊、役場職員によるおがわんの説明、②霜里農場で土づくりの取り組みの見学、を2チームに分かれて学ぶ時間を設けました。

①地域おこし協力隊、役場職員によるおがわんの説明は、おがわんプロジェクトの概要をお伝えする時間。今回参加してくださった方々は、全体の町民と比べるとかなりおがわんの認知度が高かったです。

イベント後アンケートより

「おがわんプロジェクトを知っている?」
「普段どんなことを意識して、どこでお野菜を購入している?」
「身の回りに身近な農家さんはいる?」
などをカジュアルに対話をしながら、おがわんの説明を行いました。

どちらのチームにも農家さんがいたので、当事者である彼ら彼女らの声が直接聞けたのも良い機会でした。小川町を農業の観点から見ると、中山間地で傾斜地や狭い区画の農地が多く、決して農業に向いている地域ではないというひとつの特徴があるのですが、農家さんが実際に耕作している畑が10箇所以上点在しているなど、生の声を聞くことで、よりリアルに情報を受け取ることができたと思います。また、おがわんでとても重要な「土づくり」の取り組みについても皆さんから思いの丈を語っていただきました。

土づくりの見学@霜里農場

②霜里農場で土づくりの取り組みの見学では、農場長である金子宗郎さんに説明をしてもらいながら、五感を使って学ぶ時間となりました。

例えばこの写真は「踏み込み温床」を見学している様子です。

小川町有機農業生産グループが1997年に発行した冊子「おがわまちの有機農業」に温床のことを説明した好きな文章があるので、引用します。

夏の盛りにナスやトマトを収穫するためには、まだ朝夕は凍りつくような寒さの2月、3月に種を蒔かなければなりません。露地では寒くてとても育たないので、まず温かいところ(温床)で苗を作り、それを5月頃になってから、畑に定植する方法をとります。
重油を燃やしたり、電気を使ったりしない、昔ながらの踏み込み温床の作り方は、まず、畳1~2枚分の大きさに木や竹で枠を作り、稲わらで厚く囲います。そしてその中に炭素を多く含む有機物(落ち葉、おがくず、籾殻など)と、窒素を多く含む有機物(おから、米糠、牛糞、鶏糞、馬糞など)を交互にサンドイッチ上に入れて、たっぷりと水をかけ、足でしっかりと一段づつ踏み込みます。山のような落ち葉も水をかけて踏み込むと、ぺちゃんこになるので、たくさん集めなければいけません。60~70cmくらい積んで、土をかぶせ、覆いをかけて1週間ほどおくと発酵しはじめ70℃もの熱が出てきます。さらにしばらくおくと下がりはじめ、大体25℃~30℃位の温度が2ヶ月ほど持続します。これが踏み込み温床です。そこで温床の上に苗箱をおいて種を蒔きます。それでも夜の空気はとても冷たいので、夜はしっかりと覆いをかけてやり、昼間は太陽の光をあててやります。こうして5月まで、毎日毎日、水をやって、慈しむようにして苗を育てるのです。
陽気が暖かくなって、苗を畑に定植した後、用済みになった温床は、枠の中から取り出して、野積みして風雨にさらし1~2年置きます。そうすると、大変良い腐葉土となって、苗を育てるための用土として使えるので、この方法は、一石二鳥で、無駄のない方法だと思います。

小川町有機農業生産グループ「おがわまちの有機農業」

普段野菜を購入するだけではわからない生産の現場、そして土作りの取り組みを見て、触れて、匂いを嗅いで学びました。

さらに農場内の循環の仕組みもあわせてご説明いただきました。写真は、バイオマストイレの説明をしている様子です。

おがわんランチ会

学びの後は、メインコンテンツ!味わい楽しむ、おがわんランチ会です。当日配布したお品書きがこちら。各飲食店が、小川町の美味しい野菜の味を活かす料理をこの日のために作ってくれました。

ケータリング方式で運ばれてきた料理を栄大生の皆さん中心に配膳して、贅沢なワンプレートに。そしてなんと、「役バル」こと役場のとなりのバル。の大野さんは、トラックに石窯を積んで、その場で焼きたてのピザを振る舞ってくださいました!

分校カフェMOZART

有機野菜食堂 わらしべ

鴻倫 エシカル

役場のとなりのバル。

今回、役バルさんがつかった野菜は風の丘ファームさんの育てたもの。後日、これを機に役バルの大野さんが風の丘ファームの畑見学に行ったとのご報告をいただいたり、田下さんがお孫さんを連れて役バルに行くと連絡をいただいたりと嬉しいつながりが生まれていました。

左役バルの大野さん、右風の丘ファームの田下さん

協力者の紹介

今回隣人まつりにご協力いただいた皆さんには、栄大生の皆さんが取材をして一枚のパネルにまとめてくれました。当日お店の営業で来られない人もいたので、学生さんから担当した方の紹介を一人ひとりしてもらいました。

トークセッション

味わい楽しんだ後には、深める時間としてトークセッションを行いました。登壇したのは、写真左から、風の丘ファームの田下さん、山田農園の山田さん、環境農林課課長の奥田さん。

改善ポイントはたくさんありつつも、おがわんプロジェクトに欠かせない農家さんと町民の方が知り合えたこと、参加者同士で交流が生まれたこと、おがわんプロジェクトの認知度が上がり、8割の人が自分の言葉で説明できるようになるという大きな成果を得ることができました。

イベント後アンケートより

5.感想、コメント

様々ありがたいご感想をいただいたので、一部を抜粋してご紹介します!

▶全体
・丁寧に質問してくださり、美味しいランチもあり楽しかった。
・小川町の有機農業を広く知ってもらう機会になりました。
・霜里農場見学や、田下さんら地域の農家と触れ合え、普段聞けないお話を聞けてよかったです。
・小川町内で、有機農業はもちろん、観光農業などさまざまな選択肢があるのが理解できました。また、学校給食に関してもおがわん野菜が思った以上に使われていることを知り驚きました。
・学校給食やレストラン、農家のお野菜の行き先、町民や比企郡の消費者さんのお口にいかに美味しく流通してくれるか、たくさん考えてくださっていて、ありがたかったです。給食や消費全体にしめる地元野菜の割合がもっと増えて欲しいですし、これから益々、地域のみんな(地域おこし協力隊や農家、レストラン、学校の先生方や給食を考えたり作ったりする方々)に元気になって行って欲しいなと思いました。

▶ごはん
・美味しかったです!農家さんのお野菜のおいしさがすぐ伝わり良かった。
・いろいろなお店のお料理をいただきとても贅沢な気持ちです。
・地元の野菜を地元の飲食店提供でまとめて食べるという、なかなか無い貴重な経験ができてとても楽しかったです。味もとても美味しかったです。
・美味しかったし、地元飲食店を知ることができて良かったです。大学生の方たちのサポートも素晴らしかった。
・ナムルや焼きたてのピザなど、お野菜の素材の足が生きたメニューに感激でした。
・男性は少し足りなかった様子、子どもは生野菜が辛くてたべられなさそうで、子ども用、小盛り(少食の人用)、大盛りなんてあったらどうだったんかな?でも、大盛りの人が多いと困っちゃいますね

またこのようにおがわんに関わる、様々な属性の方が集まり、交流し、楽しめる機会を企画しようと思います!ご参加いただいた皆さまに感謝です。

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