心筋梗塞になりました② 49歳男の場合

1日目の続き

手術が終わるとそのままICUへ運ばれました。
「あまり動かないように」と言われたものの、じっとしていられるわけもなく、頭だけを動かして周囲をキョロキョロ。
ちょうど食事の時間だったらしく、他の患者さんの分は運ばれてきているようでしたが、私の分は当然ありません。そういえば朝から何も食べてない…。病院に来る前にコップ一杯のオレンジジュースを飲んだきりです。

今何時なのか、これからどうなるのかも全く分からない状態。
ただ、生体モニターの心拍音が規則正しく聞こえてくるのが、かろうじて落ち着ける材料でした。
周囲の状況を音で察するに、高齢の患者さんが多い印象です。

術後、一度だけ家族がICUで面会できるとのことで、妻と両親が来てくれました。心配をかけたくなかったので、できるだけ元気そうな顔を見せるように努めました。

ICUでは数時間に一度採血が行われました。
そのため、熟睡はできませんでしたが、動いていない分、体力の消耗もなく疲れはあまり感じませんでした。症状としては、胸のあたりが少し苦しいかな?という程度でした。

入院の詳細や自分の状態については特に説明されず、おそらく家族の方に伝えられているのだろうと推測しました。

喉が渇いたので看護師さんにお水をお願いしたところ、ストロー付きの蓋つきカップで持ってきてくれ、さらに直接飲ませてもらいました。
その時は、「なんだか赤ん坊になった気分やな」と少し苦笑いしたのを覚えています。

また、ベッド脇にテレビがあり、イヤホンを使えば見ることができました(イヤホンも看護師さんが耳にさしてくれた)。ただ、一般病棟ではテレビカードが必要になるとのことで、そこは昭和からあまり変わっていないんやなと思いました。


2日目

入院2日目はICUからのスタートでした。
心筋梗塞後のリハビリプログラムが始まり、段階ごとにテスト項目が設定されていました。各項目をクリアすることで、その内容に応じた活動範囲が許可される仕組みです。

まず最初のテストは「ベッドを起こして10分間座っておく」こと。
開始前と終了後に血圧・脈拍・心電図を記録し、体の変化や症状が出ないかを確認した後、主治医の先生がチェックします。問題がなければ次のテストへ進める、という段階的な進行です。

このテストをクリアしたことで、やっと食事が許可されました。
点滴による栄養補給が一部解消され、点滴の本数が減ったのは少し気分が楽になりました。
私の症状が比較的軽かったこともあり、午後には次のテストが実施されました。

次は「ベッドの上で自分で10分間起き上がっておく」テストです。
これも無事クリアしたことで、ベッドの上なら自由に動けるようになりました。

ICUで食事をしているとき、ふとスプーンを見て気づいたことがありました。
「これ、家で使ってるスプーンと同じやん?」
と思ったら、実際に家から持ってきたものだったんですね。初めての入院で、病院ってこういうものなんやなと、ちょっと驚きました。


2日目の午後には、ちょっとした出来事が… ③に続く

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