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ブログ売上アップの鍵は3つの指標!その裏に隠れる罠とは?

セッション × CVR × 購入単価


「セッション × CVR × 購入単価」は、主にECサイトの売上構成を表す教科書的な公式のひとつ。

今日は「この式をもとにした改善行動において考えておくべきこと」といったテーマで話をしたいと思います。アフィリエイトをメインとする物販系ブロガー向けです。



「売上を上げる」では動けない

売上を上げたいと思っている人は多いはず。でも、実際に行動するに当たっては「売上を上げたい」とだけ考えても動けません。

まず売上とは何か?と考え、分解することから始めると行動しやすくなります。

そこで先程の公式が登場します。
売上 =「セッション × CVR × 購入単価 」です。

セッションはPVにすべきとか、そういった部分で人によって考え方の違いはありますが、概ねこの式で売上は説明できます。

例えば1ヶ月に、

  • セッション:200

  • CVR:1%

  • 購入単価:10,000円

こういったサイトがあった場合、商品売上は20,000円、もし紹介料が5%ならサイト売上は1,000円になります。

紹介料のコントロールに関してはこの記事の主旨から離れるため、紹介料の話は一旦ここで忘れます。

サイトにどのくらいの集客力(セッション)があり、どれだけお財布を開かせる力(CVR)があるか、そして、いかにお財布から多くのお金(購入単価)を払ってもらうか。

この部分をメインとして今後の話を展開していきます。

で、上記のサイトをもとにすると、200(セッション) × 1%(CVR) × 10,000円(購入単価) = 20,000円 が商品売上となります。

もし仮に、セッション、CVR、購入単価のどこかが倍になれば商品売上も倍になります。

CVRとは、購入回数÷セッションです。つまり、来てくれた回数に対してどのくらい買ってくれるか?です。100回来てそのうちの1回で買ってくれるならCVR1%です。

何か施策をする際にはこれら指標のどこに有効なのか、どこを改善すべきなのか、分解して取り組むことで効果的なKPI改善、ひいては売上改善ができます。

例えば、商品リンクの数や配置する場所、見栄え、といった要素はCVR改善に有効です。商品リンクの見栄えをリッチにしたからといってセッションやPVが増えるわけではないですからね。

"売上を上げる"では動きづらいものですが、ブレイクダウンして中間のステップを捉えることで具体的なアクションプランを立てやすくなります。

この"分解する"という考え方はちまたでよく言われていることであり、ぐうの音も出ないほど正しい考え方です。

しかし、ここには罠があります。

各項目は連動している

以前、ブログに取り組み始めた知人が、分解して改善行動に取り組むこの概念をどこかで知ったようで、ふとそんな話になりました。

このあたりは僕の生業なので「そういうことでいいんだよね?」といった、手に入れた知識の再確認をしたかったんだと思います。

話を聞いていると、その捉え方にはやはりやや違和感がありました。

多分、実際に動いてみるとそのうちわかる話だとは思うのですが、実は”分解して”取り組んでも往々にして思った通りにはいきません。

なぜなら、セッション、CVR、購入単価、これらの指標は基本的に「連動」するからです。

単体で上げるのは死ぬほど簡単

実はこれらの指標、単体で上げることを考えるなら超絶簡単なんです。

まず、多くの人が欲しがるセッションやPVで考えてみましょう。

例えは、Knowクエリ系の記事を書きまくってみてください。どれかは上位表示されるでしょう。その結果、セッションは増えCVRが下がります。

なぜCVRが下がるかと言えば、Knowクエリで集まるトラフィックは購入を求めてないケースが多いからです。

これを数字で見てみます。例えば普段のある1ヶ月の実績がこのくらいのサイトがあるとします。

1,000(セッション) × 1.5%(CVR)× 10,000円(購入単価) = 150,000円(商品売上)

ここに購入角度の低い10,000セッションくらいを流したとしましょう。

10,000(セッション) × 0.15%(CVR) × 10,000円(購入単価) = 150,000円

この通り、セッションは増えましたが誰も買わないのでCVRが下がって売上は変わってません。

また、ターゲティングしない広告を出すことでPVはいくらでも買うことができます。それも同じようなことになる可能性をはらんでいます。

では、同じようにCVRだけを上げるケースを考えてみます。これも簡単です。購入角度の低いセッションを流入させなきゃいいんです。

ターゲティングしてない広告があれば止めましょう。Knowクエリ系の記事は全て削除しましょう。その結果、セッションが下がりまくってCVRが上がります。

250(セッション) × 6%(CVR) × 10,000円(購入単価) = 150,000円

また、紹介しているものの商品単価を下げるという方法もあります。すると多くの場合、CVRが上がって購入単価が下がります。

そして最後に購入単価を上げたい場合を考えてみましょう。これも簡単です。高いものしか売らなきゃいいんです。

紹介する商品の価格を倍にしましょう。いや、3倍にしましょう。その結果、買わなくなる人が出てくるので購入単価が上がってCVRが下がります。

1,000(セッション) × 0.5%(CVR) × 30,000円(購入単価) = 150,000円

いかがでしょう。因数分解してそれぞれの指標を上げることに成功しました。しかし、いずれのケースもどこかが下がり、売上自体は全く変わってません。

もちろんこれは極端な内容であり恣意的な数字ですし、例で挙げた各施策は狙いどころによっては別に悪手とは言えません。

売上をブレイクダウンして中間のステップを捉えること自体は正しい手法です。しかし、それぞれ個別に動くとは限らない数字であることを理解して取り組む必要があります。僕がこの記事を通して主張したいことはこれです。

"分解する"とは他を忘れることではない

例えば、給与査定に影響する個人目標として、ひとつのチーム内でこれらのKPIをバラバラに握っているケースがあります。

しっかりとした定義や方向性があれば別ですが、ただ単にこれらを分けて握るとチームとしての動きが噛み合わなくなりパフォーマンスが発揮できない場合があります。なんとなく想像つきますよね?僕もそういった事例をいくつか見てきました。

ブログを例にすると、CVRを下げるけどKnowクエリ系記事も必要という場合もあれば、全体の単価を下げるけど10円の商品だって紹介する必要がある場合もあるでしょう。もちろん戦略的にこれらのことをしないケースもありますが、そんなに都合よく分解できないことを理解する必要があります。

というわけで、分解するとは、バラバラに考え他を忘れていいということではありません。自分がやろうとしていることは、「どこが上がり、どこを下げる可能性があるのか」まで考えておきたいですねという話でございました。

何かの参考になるような、はたまた、ならないような話にお付き合いいただきありがとうございました。

今日は以上です。それではまた!

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