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女性首相への道 挑戦者たちのジハード

権力闘争としての総裁選

 9月17日、自民党総裁選が告示された。総裁選に立候補するには国会議員20名の推薦が必要で、本来なら推薦人情報は秘匿中の秘匿とされる。しかし、それも時代が変わり、いまやSNSなどにも簡単に推薦人情報が出回る。

 前回の自民党総裁選は、菅義偉候補・岸田文雄候補・石破茂候補の3すくみとなり、無派閥の菅義偉候補が圧勝。総裁の座を射止め、そして首相に就任した。

 世論の圧倒的な熱狂を受けて発足した菅義偉内閣は、安倍晋三首相から引き継いだ新型コロナウイルス対策でつまずく。わずか1年で支持率は見る影もなくなり、きたる衆院選で菅首相では戦えないという声が自民党内から噴出していた。

 こうした流れを受け、菅首相は総裁選出馬を断念。新たな総裁を選ぶことになった。

 事前から乱戦が予測されていた2021自民党総裁選は、早い段階から岸田文雄議員が立候補を表明。つづいて高市早苗議員、河野太郎議員、滑り込みで野田聖子議員の4人が最終的に出馬することになった。

 野田聖子議員は過去にも自民党総裁選に出馬する意欲を示したことがあったものの、20人の推薦人を集めることが叶わなかった。

 立候補者の推薦人に名を連ねるということは、実際に総裁選で票を投じるか否かにかかわらず、候補者と一蓮托生であるということを示すことになる。負けた陣営の推薦人になれば、勝利した陣営から敵視されることは確実だろう。

 自民党の総裁は、数少ない例外はあるものの一国の宰相に直結する。つまり、首相を選ぶ選挙ということでもある。首相の座を争う選挙は、権力闘争以外の何者でもない。

 権力の座を射止めるためには、多額の金銭や裏で票が飛び交うのは永田町では常識。一昔前なら、銃弾だって飛んでいたことだろう。いや、今だって私たちが知らないところで飛んでいるかもしれない。

 それはともかく、負けた陣営は勝者側から敵視されて、冷や飯を食わされることになる。権力闘争なのだから、負けた側はそれも覚悟のうえだろう。

 推薦人に名を連ねたという理由だけで、必ずしもその候補者に票を投じると限らない。裏切りや騙しも多々ある。永田町は魑魅魍魎が跋扈する世界だから、そんな駆け引きは日常茶飯事と言っていい。

 本来なら秘匿中の秘匿とされる推薦人情報が、現代っぽくツイッターに流れてくるという時代になった。

 今回の総裁選では、ツイッターに高市早苗候補の推薦人リストの画像が流れてきた。私は、そこに山本拓議員の名前をみつけて、いろいろな思いを巡らせた。山本拓議員は高市候補の元夫だ。

記者会見をつくる

 2010年に旗揚げされた自由報道協会は、これまで記者クラブにしか開放されていなかった大臣会見などをオープン化させる目的を有していた。

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