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そそられる心 萎える心

肌が、信じられないほど、綺麗である。
そっと触れると、その感触も素晴らしい。
大きくカーブを描く胸のラインも含め、スタイルも良い。
18歳、その年齢ゆえに持つ輝き。
決して美しい顔とは言えないが、愛嬌があり、それも好み。
お水を始めたばかり、という言葉。嘘ではなさそうだ。
会話をつくることもできないが、一緒に入った友達が同席すると
二人で、はしゃぎだした。
話をしていて、楽しい。心が動く。
趣味の話になる。
本が好きだという彼女が、最近、読み終わった本のタイトルを告げる。
その本とまったく同じものが、私の鞄にも入っており
それを見せると、驚き、そして、笑顔がこぼれた。
そそられていく。
指名をしているが、それ以上の気持ちがわき上がってくる。
心と体の両方が求めている。

私の腿に手を置き、話しかけてくる。
「ラストまで、一緒にいて」
私は、ロックグラスに手を伸ばし、あおる。
「お願い、一緒にいて」

稚拙な営業。わかりやすい態度。
身体が求めているだけなら、軽くいなして終わるだろう。笑って、終わり。
しかし、心を求めている今、その言葉や態度は、そそる心に冷や水をかけることとなる。
彼女の心は、ここにはない。
萎えていく心。
自分にアホらしくなり、チェックをする。

たった90分の恋愛。

※2006年3月記述

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