歌詞というもの#5ー松本 隆5
「しあわせ未満」太田裕美/作詞:松本 隆
20才まえ ぼくに逢わなきゃ
君だって 違った人生
白い夏 裸足の君に
声かけて名前きかなきゃ良かったよ
ついている奴 いない奴
男はいつも2通り
はにかみやさん ぼくの心の
あばら屋に住む君が哀しい
しあわせ未満 しあわせ未満
あー 君は連いて来るんだね
あどけない君の背中が
部屋代のノックに怯える
水仕事 指にしもやけ
アパートも見つからなきゃ良かったよ
棘のあるバラ れんげ草
女もそんな2通り
はにかみやさん 家柄のいい
もっと利口な男探せよ
しあわせ未満 しあわせ未満
あー ぼくの肩で泣くんだね
陽のあたる人 かげる人
人間なんて2通り
はにかみやさん 面喰いなのに
もてないぼくを何故選んだの
しあわせ未満 しあわせ未満
あー 二人 春を探すんだね
1977年の作品。作曲はあの筒美京平先生。
やはり時代背景が表れてる「ザ・フォークソング」といった
内容です。
女性アイドル(太田裕美をアイドルと言っていいか否かは、
あると思いますが、あの時代ならではの「ニューミュージック
っぽいアイドル」というファクターでくくれると思います)が、
おとこスタンスで歌うという行為には、当然、フックがあります。
つまり、歌詞に描かれている女性像=歌ってるアイドル歌手の
キャラクターとなるということです。
ここでは、素直で育ちの良いほんわかとした女性像=太田裕美と
いうことになります。
当時の彼女のイメージとリンクしており、
成功している言えるでしょう。
「しあわせ未満」という題名も、「なにか(アーティストか何か
かなぁ)になろうとしてなれていない=未満な男の子」
「大人とは言えないままごとみたいな暮らし=未満な二人」という
ダブルミーニングで、松本隆のよく使う手法です。
※2006年5月初出
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