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122.水玄京

人生の中で心の底から応援したいと思える企業に出会うことは少ないのですが、今回そうした企業に出会うことが出来ました。

Fumihiro Orihara さんが開催されている、「ケイサポ異業種交流会」で知り合ったMasashi Suwa さんとの出会いです。

水玄京は日本の職人文化を支える企業活動をされてます。

株式会社水玄京


どのような会社

職人さんが作る工芸品が消費者の手に届くまでのプロセスをサポートすることで、職人文化を守るため、衰退していく日本の伝統産業を守るために活動している会社です。

工芸品を作られている職人さんは、作ることには長けていますが売ることには長けていない場合が多く、少子化の影響もあり経営難や後継者に悩まれているのが現実です。

そこで、水玄京が商品の認知と販売を請け負うことで、日本の職人文化を世界に広げることを主な目的としています。現状は国外を中心に行っており、11ヵ国語で販売しています。

ECサイトでの販売だけではなく、大阪万博や他の企業とのコラボレーションによる販売も行っているとのことです。

工芸品は見るだけではなく、実際に手に取った時にその良さが分かりやすいので、より多くの方に触って頂ける機会を設けることが重要ですね。


マインド

諏訪さんのお話で、経営についての想いを伺いました。

「日本の職人文化を守りたい」

この一心だそうです。そしてどのようにして職人と向き合っているのか

「職人さんの提示する金額の9%だけ頂く」

このお話を伺った時に鳥肌が立ちました。何故なら弊社も

「エンジニアの価値を創造する」

「利益の9割以上をエンジニアに還元する」

この2点に重点を置いているためです。このようなマインドで経営されている方が居られるのには驚きました。そしてなにより驚いたのが

「25歳の同年代の仲間5人で立ち上げた」

凄くないですか。このマインドをなぜその若さで得るに至ったのか、尊敬しかありません。

スタートアップ企業で売り上げの殆どを作り手に還元するというのが私の感覚ではぶっ飛んでます。弊社の場合は長らく経営をしているので、そのつながりがあるからこそ9割の還元が出来ますが、新規でそれが出来るかと言われると恐らく出来なかったでしょう。


11ヵ国語での動画

なぜ11なのか、出来るだけ多くの国外の方に日本文化を知って頂くこと、日本の工芸品のすばらしさを世界中に伝え、職人さんが事業を継続出来ればとの想いからだそうです。商品の紹介で作る過程をyoutubeで公開されているのですが、11ヵ国語に対応している所がすごいです。

多言語への対応は、国外の個人層にターゲットを絞っていることが理由の一つです。個人層には意味があり、中間を極力排除することで利益が直接職人さんに行くことを大切にしているためです。

100万PVを達成されており、銀の盾も頂いているとのことで、この時点で認知力の高さを感じます。

以下は最も売れている商品の制作過程でこの動画では13ヵ国語に対応しています。

伝統工芸士 東京銀器 泉 健一郎 シルバーリング制作過程

全ての商品の制作過程動画を作成されているとのことで、この動画を作成するのにどれだけの時間を使ってきたのか、想像を超えた行動力にリスペクトしかありません。水玄京の職人に対しての敬意と強い想いが伝わってきます。


経営

会社を経営されている5名は各分野のエキスパートではなかった、というのが驚かされます。

  • 動画作成

  • ECサイト運営

  • 国内外の国や町に交渉

  • 経営層

  • 管理層

このように役割をもって各々が自立して活動しています。まさに精鋭社員のみで経営しているような状況です。しかし、懸念点もあります。

グローバルに活動する場合、諸経費だけでも相当な額になりますので、ECサイトだけの売り上げでは厳しく、Youtubeでの収入も微々たるものです。

立ち上げ時は社員がなんとか食べていけるような状況で、最近は少し改善したがさらなる安定が望まれる状況です。

「職人さんに還元したい」その想いは分かるのですが、企業を存続させるという意味では厳しい部分があります。実際に職人の方からも

「もっと取らんと、水玄京の経営が続かない」

と言われているようで、水玄京が無くなってしまうと職人さんも困りますので、共存が重要です。

水玄京のマインドとしては、最終的には直接職人さんを訪れて購入頂きたい想いを持っておられます。そうなると、会社として存続出来ないのでは?と思われるのですが、その時はまた別のビジネスを考えていくと、言われていました。


想い

この若さでなぜそこまで出来るのか、その原動力はどこから来るのか、この点について質問してみました。


▼返答(原文ママ)

「日本の職人文化を守る = 日本の文化を守る」ことだと思ってます。

海外での経験から、日本人としての在り方、日本人がどう思われているか、みたいなもの肌で感じる機会がたくさんありました。

外国人の方は基本的には日本人に対してポジティブな印象を持ってます。(日本人は頭がいい、日本人はしっかりしてるなど)これは日本が作ってきた歴史が表している世界からの評価だと思います。

僕は海外に住んで、日本人としていい思いをした。だから今度は日本に対して何かしたいと思いました。

日本の文化は、良いところだけ見ると、世界的にも貴重です。アニメや漫画、車など様々いい点がありますが、工芸品は需要の低下と共に産業自体が傾いています。それを変えようと、思い立ったという感じです。


心が震えるほどの共感を経験する機会は少ないですが、それを強く感じました。また

「出来る限り直接職人さんから購入して頂けることが、僕たちの願い」

と言われており、国内の方であれば是非現地を訪れて直接商品を手に取って頂けると嬉しいです。まさに、Give&Giveのマインドです。


スポンサー募集

水玄京は100万人登録者数がいるSNSを持っており、スポンサー契約により効果的に日本が好きな外国人をターゲットに広告が打てるプラットフォームです。

国外向けにBtoCを軸にされている企業様だと親和性が高いと思われますので、興味を持った方は連絡して頂けると嬉しいです。

但し、営業は控えてください。少ない人数でギリギリの状況で会社を回されているので、そうした行為は彼らの負担になるためです。

もし、この投稿を政府の関係者の方がご覧になられていれば、是非このような企業こそ国が支えていくべき企業であると感じますので、サポート頂けると嬉しいです。

彼らが重要ととらえているのは、国外でのコラボレーションの機会です。工芸品の展示販売が出来るような場が多くなれば、工芸品の魅力がより伝わりやすいと感じます。そのような機会があれば、是非声をかけてあげてください。

メールでのご連絡は以下で、お願いします。

諏訪 将志(すわ まさし)
masashi.suwa@suigenkyo.com


まとめ

短い紹介しかできないところが私の表現力の至らなさを感じるところで大変心苦しいですが、多くを語らずとも、水玄京とそれを支えている社員方々の想いの強さが伝われば嬉しいです。

興味をお持ちになった方は是非HPやショッピングサイト、また各々の商品の制作過程動画に目を通して頂けると、水玄京と各々の職人さんの想いも伝わるはずです。

私もエンジニアの育成への強い想いがあり経営活動を行っていますが、水玄京のマインドにはまだまだ及ばないと感じました。

また、同時に嬉しくも誇らしくも感じました。

日本の若い方がこのようなマインドをもって日本の文化を守るために活動されている、今の日本に最も必要なのは彼らのような人達です。そのような人が日本には存在している。同じ日本人として誇らしいです。

水玄京の活動は、地方創生にもつながる活動です。多くの職人は地方を拠点に活動されています。そうした職人の皆さんが生き生きと活動できる社会を作ることが、現状の都市部への一極集中の改善にもつながるものだと感じます。

今回Masashi Suwa さんと出会い、お話を伺い、私も今やれることに向き合う想いがより強くなりました。このような想いに触れることが私の生きがいなのかもしれません。

若い方たちが頑張っているんだからシニア世代はお手本となれるよう努力が必要だと感じます。引き続き自身を鼓舞しながら、でもありのままに、活動を続けていきたいと思います。

暑い日が続きますので水玄京とそれを支える社員の皆さま、職人の皆さま、健康にだけは注意して活動してください。

皆さんと日本文化の発展を心よりお祈り申し上げます。

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尾川 俊司
お気持ち感謝に尽きません🙇‍♂️