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100.平和

先日知人から Scilla Elworthy さんの講演に関するパンフレットを頂き、目を通して感じた事を書きます。


シーラ・エルワージー

まず、私の掲げている「エンジニアの価値を創造」とは比較にもならないスケールの目標をお持ちの方でした。

初めはスピリチュアル系?と思って疑心暗鬼で目を通したのですが、読めば読むほど理論的で心に訴えかける内容でした。読み終わった時には、すっかり Scilla Elworthy さんをリスペクトしていました。

ノーベル平和賞にノミネートされるほどの方なので、私の考えの及ばない多くの気づきや学びがあるはずです。今後目が離せないと思いました。

パンフレットを読みながら、あまりのも多くの大切な内容が書かれていたので、OneNote(Windowsに標準でついてるメモ機能)を何度も開きなおし、メモしました。普段私は、日常で気になることや、思いついたこと、それらをメモとしてOneNoteに記録しています。投稿もメモをベースに作成しています。

公演の内容がとても深く、私が大切にしている所と共通点を感じましたので、youtubeを調べると動画がありました。動画は前後半2本立てです。


彼女の紹介は動画を見て頂ければ分かると思うので、感じた部分について。

子供の頃から人のために行動ができ、その大切さを理解された家族の元で育った、この環境が彼女をより尊い存在へと成長させたと感じました。

通常であれば「何をバカなことを言ってるの」で終わりそうですが、それを受け入れ寄り添った家族の愛の大きさ、それが彼女の人格を形成した大きな要因の一つだったと思います。

そして、平和に向けての具体的な活動に関わっていくのですが、その行動力も通常の人では真似が出来ません。

思うことは誰でもできます。しかし、それを行動に移すことの壁の大きさは、皆さんも理解されている所だと思います。なぜ行動できないか、それは

「リスクを先に考える」

そのためです。私も今でこそ「行動しないことの方がリスクである」ことを理解しましたが、今までは失うものを考えることが多く、行動に移せませんでした。

彼女はそれを若い頃から出来たことが、尊敬しかありません。


怒りの連鎖

今現在も紛争が世界各地で絶えません。これらが無くならない限り平和が訪れることはないでしょう。では、なぜ紛争が起こるのか。その引き金の最たるものは

「エゴ」

です。もちろん自己肯定感につながるポジティブな「エゴ」もありますが、強くなりすぎると、自分中心に物事を考えはじめ「エゴ」が表面化します。

他者から見た場合にどのように映るのかを深く考える必要がありますが、自己主張が強くなるとそれが見えなくなります。そして反発が発生し、それが次第に「怒り」の感情へと変化します。そして、それがさらなる「怒り」の連鎖を作り出し、これが国家レベルになることで紛争へと発展します。

なぜなら強い自己主張は「共感」が持てないためです。つまり「共感」を作る事が反発を作り出さない上で重要とも言えます。これはビジネスの上でも同じですよね。

共感を作り出すには「対話」が必要となりますが、Scilla Elworthy さんは「傾聴」と伝えていました。つまり、相手をリスペクトして耳をかたむけることですね。

私も伝えるに集中するあまり、聞くことが疎かになる場合があります。今までの指導者活動の中で、伝えるだけでは何も伝わらないことを十分に理解しているにも関わらずです。

恐らく、これが私自身が持つ「エゴ」だと思います。伝える気持ちが大きくなりすぎると、正しく伝えられない矛盾が発生します。この点がまだ未熟であると幾度も感じました。

少し話がそれましたが、この「傾聴」こそが「怒り」を生み出さない重要なファクターであること、怒れる者の声を「傾聴」すること、これが「怒りの連鎖」を止める唯一の方法であると言われてました。

私自身が感じている「問い」も合わせて重要ですね。変なバイアスや誘導する「問い」ではなく、相手の心に寄り添った形が重要です。


愛は異なる

人それぞれ愛すべきものが異なります。それをお互いに認め合う必要があります。

例えば自身が好きなものや人に対して他者が否定した場合、どのような感情が生まれるでしょうか、この感情は好きな気持ちが大きければ大きいほど、嫌悪感が増大する傾向があります。

熱狂的なファンや深い信仰などもそうした側面を持っています。しかし、それ自体は自然な事です。ただ、それが異なった場合にその考えを重んじれるか、ここが大切ですね。

相手の思いが理解できなくても、それでいいんですよね。それが他者を攻撃する理由にはなり得ないはずです。これが相手を重んじるということです。


怒る側

他者の「怒り」をコントロールすることは出来ません。まずは冷静に自身の中の「怒り」に向き合ってみてはどうでしょうか。

サッカーの試合中に相手選手からラフプレーをされ、苛立つ選手を多くみてきました。その選手に向けて私は次のように伝えました

「気持ちはよく分かるよ。でもよく考えてみて、今の目的は?」

多くの選手は

「試合に勝つこと・ゴールすること・良いプレーをすること」

と答えます。そして次のように問います

「では、今何をすべき?」

そこで選手は気付きます。とはいえ、とっさに怒りの感情がこみ上げることもあると思います。そのような時は

「頭の中で10カウント、その間相手のゴールを見てください」

このように意識を他に移すことの大切さを伝えます。「怒り」の感情は選手の冷静さを奪うので、良いプレーにつながりません。これは、その他多くの状況での「怒り」も同様で何も生み出しません。唯一生み出すのは、相手に対しての報復心だけで「怒りの連鎖」へとつながります。


大きな枠組みで考える

対立する状況が発生した時に、どのように向き合うかについて深く考察すると、一つのことに気付きます。

「現状の対立関係にある枠組みではなく、更に大きな枠組みで考える」

例えば、社内でもめ事が発生した場合、一つ枠組みを大きくして個人ではなく、そのグループや部門・部署等に置き換えるとどうでしょうか。

同じグループ内であればグループの目的や目標があるはずです。そこに視点を移します。そしてどのような行動がベストかを考えます。

そうすることで、本来の目的に沿った行動が何であるかが明確となり、互いにその目的や目標を共有出来ます。つまり、それが「共感」を生み出します。

これは、どのような状況でも同様で、紛争の場合は地域・国家となりますが、もう一つ上の枠組みで考えると「人類」と言えます。この視点を持てるかが重要です。同じ人類同士が殺し合うのです。正しいことでしょうか。

映画等で地球外生命体が侵略してくるストーリーがあります、あれも「大きな枠組みで考る」が適用できます。

この場合も「人類」の枠組みで考えると、国家間で紛争などしている場合ではないですよね。すると人類全体で地球を守るという「共感」が生まれます。

この「大きな枠組みで考る」は、本来の目的や目標を共有する場合に重要となり、それによって問題を解決に導ける場合が往々にしてあります。


まとめ

今回のScilla Elworthy さんの講演から、多くの学びや気づきが得られました。自身の中の理解と共通している点もありました。しかし、それを第3者から聞くことが重要で、自身の中だけだと「エゴ」が出てしまうのだと思います。

企業の不正監視でも第3者の介入が望ましいですよね。これは、その企業の「エゴ」を抑制するためです。

最後に今回の講演でもう一つ重要な事を伝えられていました。それは

「行動すること」

人は弱い生き物なのでリスクを考えてしまうんですよね。でも、それを考えると行動が出来ません。常に自身を守るために心に鎧を着せているんですよね。その鎧が重くて自由に動けないんです。そして、それがあるが故に周囲からは本来の姿が見えません。

でも、それを外すと身軽に動けます。そして本来の自分を周囲に知ってもらうことにもつながります。その結果「共感」を得やすくなり、行動につながります。

人は一人では何も出来ません。若い時はそのことに気付きませんでした。しかし、人生経験を積むうちに謙虚さを学びました。自分一人で出来ることの限界も知りました。

それらを理解した時、どのように人と向き合うべきか、その事について深く考え始めました。そして、今までよりは自分が好きな自分に少し近づいた気がします。

今回多くを学ばせて頂いたScilla Elworthy さんには感謝に尽きません。これからも、人に向き合うことに心血注いでいきたいです。そして、平和な世界にするために、出来ることに向き合っていかなければいけませんね。

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尾川 俊司
お気持ち感謝に尽きません🙇‍♂️