44.子供を信用しすぎる問題
指導を経験する中で、保護者が子供に対してどのようにふるまうのか、この事について感じる事を書きます。
わが子を信じすぎる
親であれば誰であれ、わが子を信じたい気持ちは分かります。しかし、親が子供の事を深く観察しなければ、社会人になると苦労する事になります。
恐らく、小学校の先生が苦労されているのも、この事と関係しているように見受けられます。
親が冷静に子供を観察し、何か問題が発生した時には、状況を冷静に判断しなければいけません。
問題が発生した時に、子供が周囲の事を悪く言う場合は、特に注意が必要です。なぜなら、子供は親からは怒られたくないので、親の前と、そうでない時で態度が異なる場合があります。
このような状況では、自身の子供に聞いても分からないので、周囲の子供から話を聞くことが大切です。
しかし、問題が発生した時に、当事者の親が他の子から話を聞く事は難しい状況となります。
このような場合、一番冷静に見れているのは担任の先生です。まずは先生に相談してみてください。
この時、先生には次のように伝えるようにしてください
「先生が感じる正直な印象を教えて頂けないでしょうか、うちの子に問題があるよう感じています」
自身の子が悪いという前提に立って、先生に質問すると、先生は正直な印象を伝えやすくなります。
しかし、そうでなければ、先生は正直に伝えると保護者を傷つけると感じ、正直に感じた事を言えなくなります。
自身の子供には多少、厳しめに見ることが、最終的に子供のためになる事を知っておいてください。
実際にどのような事が起こるのか
他の指導者が管理している学年で、次のような相談がありました
「2年生保護者から、わが子が他の子から、嫌な思いを受けている」
そこで、相談にこられた保護者と子供を交えて話を聞く事にしました。
内容を確認する限りは
「本人が嫌な思いをした」
このことは理解出来ました。
次に、いじめたと言われている子と保護者に話を聞きました。その内容から
「子供のいたずらの中の一つ」
そのような印象を受けました。もちろん、これが毎日続くのであれば問題ですが、そうでなければ遊びの中で発生したこと、と考えられます。
今回の場合は双方の主張が異なりましたが、それぞれの立ち位置で感じ取り方は異なりますので、仕方ないところもあります。
この時感じたのは、双方の保護者が
「子供の話を信用しすぎているため、コミュニケーションが取れない」
このように感じました。保護者は冷静な目で判断する必要があります。通常であれば保護者間でコミュニケーションを取れば解決出来る問題です。
例えば、自身の子が嫌な思いをさせたとします。その場合は、相手保護者に対して
「誠に申し訳ないです、うちの子がつまらないことをしたみたいで、嫌な思いさせてしまいました。同じことが起こらないように子供には十分注意しておきます」
このように伝えれば、普通の保護者だと
「いえいえ、うちの子も何かしたかもしれませんし、いつもちょっとした事で、すぐに泣くので、あまりきにしないでください」
このやり取りで、終わると思います。
なぜ問題が大きくなったのか
この原因として、考えられるのは
「指導中に選手を深く観察しているか」
これが考えられます。正しく行われている場合、ちょっとしたいたずらでも、気付く事が多いです。
しかし、指導する事に集中してしまうと、休憩時の様子などの観察が不十分になってしまうことがあります。
しかし、この対応は
「多くの指導経験が必要」
です。また、今回の事例だと、指導者の管理をしているのは私ですので、自身の責任であると言えます。
事前に指導者に対してどのような点に注意を向けるべきかを、十分に共有出来ていなかったことが問題です。
この問題が発生して以降は、少しでも気になる事があれば、報告して頂くようにしたこと、休憩中の様子についても注意深く観察していただくことを伝えました。
問題は、どのような状況であれ
「出来るだけ早くに対処する」
これが重要です。可能であれば
「問題が発生しそうな状況を目にしたときは、先回りして対処する」
これらができていれば、今回の問題も未然に防げたかもしれません。
問題が発生する時期は大体決まっている
経験上2年生です。なぜならば、1年生の時は入ったばかりで控えめですが、2年生はそれが無くなってしまうためです。
そのような事から、2年生の指導は注意が必要になります。3年生以上になると、少しづつ相手の事を思いやれるようになりますので、そうした問題が少なくなります。
結局どうなったか
最終的に今回の場合は、双方の選手が辞めてしまうという最悪の結果になりました。どちらかでも、保護者が冷静に判断出来ていれば、このような問題にはならなかったと感じます。
まとめ
問題としては
「保護者が子供の話を信じすぎてしまう」
これがあります。自身が不利になる事を親に伝えない子はそれなりにいますので、この事を、保護者は理解しておく必要があります。
実際に、練習時の態度と、試合の時に保護者が見に来られている時の態度が違う選手も多くいました。
その選手が悪いということではなく、まだ成長段階の子供ですので、そのような目で周囲が暖かく見守ることが大切です。
正しいこと、してはいけないこと、これを正しく伝えることが保護者としての責任であり、それが、子供にとっての一番の教育であることを知っておいてください。
お気持ち感謝に尽きません🙇♂️