116.報われた
以前の投稿
の彼が最終出社日だったので、少し話をしました。このことについて書きます。
お礼
今まで退職する社員に、何かをプレゼントすることはしなかったのですが、今回の彼は私の考える理想的な転職だと感じたので、その感謝の気持ちもあり、お花を渡しました。彼の口から
「どうすればいいのか困っている状態から、エンジニアとして学ばせて頂けたことは感謝しかありません」
このような言葉を聞けたことが、心の底から良かったと感じた瞬間でした。
彼は前職を短い期間で退職し、第2新卒の形で入社しました。実は今の自社の若い方は殆どがその形です。
前職があれば自社に入ってから比較も出来るだろうし、その経験から自社が学べる部分もあるのではとの思いもあり、そうした方を中心に雇用してきました。
実際に今回退職する彼以外にも、救われたと言ってくれる社員もいるのでそれこそが、私が作りたかった場所でもあります。
もちろん、去っていくのは寂しくもありますが、誰かの人生の中に少しでもポジティブな影響を与えることが出来たのであれば、会社としては一つの役割を果たしたと言えます。
報われる
彼には私の経験の中で様々な苦難があったことを共有してきました。その中で
「尾川さんのような人こそ、報われてほしいです」
と言ってくれたのですが、私の中では既に報われているんですよね。そのように思ってくれている人が存在してくれるだけで、十分に報われています。
不器用
私はいろんな面で不器用だと思います。これは昔からそうなのですが、喜びを素直に表現しないようにしてきました。
これには理由があって、常に最大のパフォーマンスを出すためです。喜怒哀楽は人としては趣があって、それが強い魅力につながる部分でもあるのですが、時にはその感情が邪魔をしてしまうんですよね。
サッカーをプレーしているとよくわかるのですが、感情に浮き沈みがあると必ず集中力が阻害されます。それが判断の質に影響を及ぼすことを経験しているので、常に平常心を保つことを意識するようになりました。
ゴールを決めても大喜びするようなことはなく、淡々と次のプレーに切り替えていました。しかし、そうした姿は周囲の人からみると、何を考えているのか分かりづらいですよね。
この点が、私の行動が理解されにくい理由の一つでもあり、私自身もそれは理解しています。しかし、いつも私が見ているのは結果なので、そこから逆算して考えると、周囲の人への印象は優先度が低くなってしまうんですよね。
その結果、共感を得られにくい状況に陥ります。ここが私の至らない部分で、不器用な所です。
本来共感を得るには、そのための工夫が必要です。でも、今までの私はその重要性についての理解が乏しかったと思います。
そのようなことから、私の行動を理解するには時間が必要で、長い時間をかけてその真意を理解された時に信頼関係が構築される傾向があります。
この点が、私を理解した人からみると「報われない」と映るのだと思います。
SNS等はまさにそうだと思います。どのような見せ方をするのかが重要ですからね。私が最も苦手とする所でもあります。笑
周囲への認知
彼とも話していたのですが、セレモニーって好きじゃないんです。例えば今回であれば、退職祝いのようなセレモニーを会社で行っても良かったのですが、それをするとセレモニーが主役になってしまう場合があります。
つまり、セレモニーにリソースを注ぐことで、周囲への認知を高めること(やった感を出す)が目的となってしまう懸念があります。もちろん、より多くの方が関わる機会を提供することが出来ますので、良い面もあります。
現代のビジネスは認知を高め、周囲を巻き込んで進めていく形が主流だと感じます。企業経営も同じで、個人プレーでどうにかできるものではなく、全員が同じベクトルで皆を巻き込みながら進めるべきです。そうしないとスピード感が欠けます。ですので、周囲への認知は重要ではあるのですが、時と場合によると感じます。
今回の場合であれば彼にお花を渡すだけで、恐らく私の想いは十分に伝わると感じました。
まとめ
今回の出来事は現代の企業経営の在り方の一つなのかもしれませんね。
自社の場合、未経験からでも学べる環境があるのですが、実際は環境とは言わず「それが出来る人が存在している」が正しいです。環境を整えれば出来るのではなく、結局は人だと思います。
今後も未経験者を雇用していく予定で現在も募集しています。一人でも多くのソフトウェアエンジニアの未来をサポートできると嬉しいです。
もちろん、年齢問わずソフトウェア作りが好きだという方が居られればご連絡ください。自立したソフトウェアエンジニアが活躍できるハブのような会社であれば良いと考えていますし、多くの方の知識や経験をより多くの方と共有しながら、社会の課題解決が出来れば嬉しいです。
この想いは自社の企業理念ともつながっています。今まで想いはあったのですがそれを形に出来ていなかったので、形にしてみました。
この想いを大切に、ソフトウェアエンジニアが価値を認められ活動できる企業へと導いていきたいです。
最後に、未経験からエンジニアとしてより大きな成長を目指して卒業していく彼には、感謝しかありません。新しい会社での活躍を願っております。