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読書『クスノキの番人』読んでみた

東野圭吾さんの『クスノキの番人』を読んでみた。今続編が出ているけど、文庫になっている1巻のほうを読んだ。

ミステリーではなく感動ファンタジー系(こういう系統も書けて多作な東野さん天才だと思う)。
描写はミステリー作家さんならではなのか、とても細かい。会話のテンポが若干遅い気がするが、最後伏線も回収しキレイに終わるので爽快感がある。映画化したら映えそう。

(今までで会話を書くのが上手だなあと思ったのが今村夏子さんの、特に『星の子』。通常話し言葉と書き言葉は違うけど、現実でもそういう言葉で話すと感じるくらい違和感がない。展開も早い。
細かい描写は絵だけで伝えるマンガに近い印象だった。)

ちなみに伏線の回収は、あまりに些細で現実の会話ではそんな細かいこと覚えてないだろ!と思う。だからお話として優れていて読んで面白いのだけど。

私達は(私は?)、びっくりするほど人の話を聞いていないし覚えていない。

時々夜中に「あんなこと言うんじゃなかった」「今日の発言今日の存在全て取り消したい」って布団に籠ることがあるけれど、そんな時は「どうせ誰も覚えちゃいない」をおまじないにしている。

忘れるからこそ、救われることもある。


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