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読書『カジュアル・ベイカンシー 突然の空席』:希望がないお話

「ハリー・ポッター」作者J・K・ローリングによる、大人向け小説を見つけて読んでみた!


ある男が40代の若さで死んだ。その死をきっかけに立て続けに起こる事件の連鎖……。普通の人々の内面が次々と暴かれてゆき、次の場面がどうなるか気になって、読み出したら止まらない。小さな出来事が集まってやがて大きな流れとなり、最後は奔流となって、胸を締め付ける結末(ラスト)へ。

講談社 BOOK倶楽部「あらすじ」より


登場人物がやたら多く、最初はそれぞれの人物についての描写が延々と続くので読みづらかった。
1巻の途中から人間関係とそれぞれの思惑が分かり、ストーリーが動き始めて面白くなってきた。

どうしようもない格差・いじめ・家庭内暴力・ゴシップ・性被害・ドラッグ…。

自分の都合しか考えない大人の裏をかく、したたかな子どもたち。でもその行動のおかげで痛快に救われるということはない。結局は振り回されてしまう。

ハリーポッターの世界には美しい友情や勇気があった。何より魔法があった。
もちろん魔法で何でも解決するわけではないんだけど、「これはファンタジー」と思って読んでいられる。

そして、ハリーの世界には惚れそうにカッコイイ、ときどきめちゃくちゃ頼りになる大人(男女問わず)がいた。

今回のお話は現実すぎて希望がなかった。カッコイイ大人はいない。ラストが辛かった。
ローリングさんはこんなのも書くんだ…。もう読みたくないけど先が気になるのは手腕だと思う。

ドラッグに溺れる母と世間から幼い弟を守ろうとする不良女子高生、クリスタルが印象的だった。
亡くなった男性がクリスタルのいい面だけに向けていた偏見のない情熱が、唯一の救いだったのに。

私達大人は周りの子どもたちにこんな関わり方ができるだろうか。

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おがわ みずほ
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