マンガと動画でよくわかる!上から目先生が教える「恐怖攻略」
登場人物紹介
上から目先生とは、いつも上から目線で厳しく、時にまじめにおぶざけして(?)ボルダリングを指導してくれるプロクライマー尾川とも子のSNSでたびたび登場してきた四角めがねをギラつかせている先生です。コスプレが大好きでいろんなキャラに変装してレッスンを行っています。
ぼる子ちゃんはボルダリング歴3年の学生クライマーです。実はイケメン好き、彼氏募集中です。上から目先生のおふざけに構わず突っ込みができる強いメンタルは、ボルダリングにも生かされている!?
のぼ朗くんは、ヒールフックの回の時先生がアシスタントに誘いました。物静かですが、ぼる子ちゃんに密かに思いを寄せながら、ボルダリングに情熱を注ぐ熱い青年です。
「怖い」と思うから怪我しない
インドアのボルダリングでは、分厚いマットがしかれ、ホールドの配置もお客さんが変な落ち方をしないようなセッティングをして、安全が確保されています。それに比べてアウトドアのボルダリングでは、地面は斜めだったり、石や木の根っこで凸凹していていますし、持ち運び用の薄いマットしか敷けません。また、登っている最中に、握っていた岩の突起が突然欠けることもあります。登る高さもインドアの壁より高いこともあります。
「怖い」という気持ちのおかげで自己防衛がきいて、ケガを防いでくれているのです。
ケガしないためにスポッターを頼もう
スポッターとは、登っているクライマーが安全に着地できるように地面からサポートする役目の人のことです。
スポッターは、一緒に登っているクライマーの中から、自分が登るときに「頼む」のが大前提です。頼まなくても誰かが登ればスポッターの役割をしてくれる人もいますが、そちらの方が例外だと思っておきましょう。
私がケガをした時のように、「自分が登り始めれば、誰かしらスポッターをやってくれる」と思わないように注意しましょう。
臆病者の自分を認めた者こそ勇者
変なプライドが邪魔をしてしまうために、無理して登ってケガをした人も見てきました。かつての私もそうでした。私は土木、建築、電気業など、現場仕事の安全大会で講演することも多いですが、そういった方々も同じような思いをして、ケガをする職人さんが多いと聞いています。
「怖い」→「臆病者」ではない、「怖い」→「勇気ある撤退ができる人」だと思っています。
アレックス・オノルドは、ヨセミテなど1000メートルにも及ぶ岸壁を何度も命綱なしで登っているクライマーです。そんな彼でも「怖い」という感情が湧き、素直にその感情を受け入れているそうです。
「怖い」はなくすことはできない
「怖い」という感情はなくすことはできません。無くそうと蓋をしても、また、にゅるっと現れます。「怖い」なくすのではなく、向き合っていかなければならないのです。
「怖い」と向き合い攻略する方法
まずは、私の経験から得た2つの方法をお伝えします。
●外的要因の消去法
ぼる子ちゃんとのぼ郎くんのように、人によったり、登る岩によって「怖さ」の具合が違うかと思います。
対策を講じて行くためには、なんとなく「怖い」と思う原因をぼる子ちゃんやのぼ郎くんのように、具体的に分析して行くことがまず大事です。
●細分化させたムーブでのトライ
この方法が使えるのは、一撃を狙っている場合でなく、すでに何回か落ちて練習している場合です。
細分化させたムーブでのトライでは、少しずつトライしては落ちてみるを繰り返すので、トライ回数は増えます。しかし、次に同じようなムーブ、同じような高さの岩に出くわしたとき、以前よりトライ回数は減って行くでしょう。一言で「慣れ」といって仕舞えば早いかもしれません。
最終的には、その積み重ねで、一撃率もアップして行くと思います。
●試し落ちをしてみる
落ちたときにどこにどう落ちるか?を試してみるのも有効です。こう落ちれば安心ということがわかれば、怖さは軽減できます。またスポッターも心構えができます。
一気になろうとしない、少しずつやって行く。
喜怒あい楽を利用する
冷静さを失わせてしまうような感情の起伏は危険をともない、良くありませんが、冷静さを失わない程度の感情は味方につけることもできます。
あの人に負けたくない、自分に負けたくない、みんな登れて自分だけひとりぼっちになりたくない、などもここに含めてみます。
ビールが楽しみの方も多いです(笑)
「誰かが自分のことを見ている」というのは、力になることがよくあります。
特に自分にとって気になる人に見られているというのは、無駄な「怖さ」を軽減させて頑張れる時が多いようです。そんな方をたくさん見てきました。
このように子連れのボルダリングは、なかなかやっかいです。
よくインタビューを受ける時、「岩に登り切ると、制覇した気持ちになりますよね?」と聞かれますが、私の中では「岩と一体になれた」という気持ちのがあっています。
岩を理解する
気温が何度ならベストなのか?湿度はどれくらいならベストなのか?風が吹いていたほうがいいのか?無風がいいのか?この持ち方がいいのか?あの持ち方がいいのか?そういったところも含めて、岩を理解していく感じです。
理解する前の「怖い」と感じる岩は、まるで怪獣のような、ドラゴンのようなイメージが私はします。
この岩をやっつけてやる!という気持ちで登っていても、なかなか登れない‥岩が自分を受け入れてくれない‥という感覚の経験が何度かありました。
岩を分析して、ムーブを少しずつ細分化して何度もトライして岩を理解していくと、怪獣のイメージだった岩がかわいいうさぎのイメージにかわっていきのを感じます。
まとめ〜自信を積み上げる
私が考える、怖さの攻略方法はまとめるとこのような感じです。
何度も同じように繰り返していくうちに、積み重なったものが自分の自信につながって、「怖さ」も少しずつ軽減されていくと思います。
次は、見本解説動画です。マンガの内容に沿って実際に登っていきます。
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