見出し画像

クライマーの講演活動~興味のない人に魅力を伝える

手書きマンガ

まずはこちらをご覧ください。

画像1

画像2

画像3

画像4

クライマーとしての自分の役割

私がクライミングを始めたころは、クライマーとしての将来や第二の人生は限られた選択肢しかありませんでした。

今では、ジムのオーナーやインストラクター業を筆頭に、ホールドのシェイパー、壁の設計業、クライミング用品の製作・販売、セッター業、レンタル業、大会などのイベント業、解説業、執筆業、コメンテーター

など、多岐にわたる専門職が出来上がり、将来の選択肢が増えました。

私は、クライマーとしての将来のいろいろな選択肢の中で、自分にしかできないことは何なのか?
いろいろ考えた時期がありました。

ホールドのシェイプにもそこまで自分にデザイン力があると思えないし、ミシンも得意でないからチョークバックとか製作も気が進まない・・・。

そんな時、地元のロータリークラブさんから講演を依頼されたのが転機となりました。

今までは、クライマーとしてクライマーに対し、それまでの経験や知識を踏まえて何かを提供する職を考えていたのですが、
この講演をして思ったことは、みなさんクライミングのクの字も知らない方々で、しかも観るくらいならいいがやることは今後もないであろう方々ばかり。(つまり60,70代のおじさま世代)

そんな方に、まずはこの競技を知ってもらい、体験してもらえればありがたいが、せめて観客として興味をもってもらうという役割がある。それは私にしかできないのではないか?ということでした。

それからというもの、いろんなご縁もあり、全国各地の企業や学校に出向く機会ができてました。
クライミングのクの字も知らない方々に、まずは知ってもらい興味を持ってもらうという役目を全うしてみよう!という気持ちになりました。

講演を始めて15年以上。まだ、

「講演ができるクライマーが尾川さんしか見当たらなかった・・・」

と言われることもよくありますが、今後、後輩たちが引き継いで行くであろう、この講演という道をひとつ提供できたことが、自分としてはクライマーの将来の選択に、ちょっとでも役目を果たすことができなかな?と思っていますが、どうでしょうか(笑)?

学校の講演でのパフォーマンス~肋木クライミング

学校の講演するときは、すごさを身近に感じてもらうために、パフォーマンスをします。学校に肋木があれば、2コマ目のようにトウフックという技でコウモリや、一本指懸垂、数mmのドアの淵などでカチの懸垂をやってみせたりすると、子供たちも先生も喜びます。

もちろん、子供たちにも実際チャレンジさせてみて、当然できないので、なおさら盛り上がるのです。

しかし、現役の選手は女子でも片腕懸垂でできますし、男子だと小指1本で片腕懸垂できてしまいます。

私もできれば、きっと、もっと盛り上がるのでしょうが(笑)

「私はできませんが、オリンピックに出るような選手はそれくらできますよー!すごいよね!」

と言葉で伝えるだけでも、子供たちには十分すごさが伝わりました。

企業の講演でのパフォーマンス~ペーパークライミング

企業向けの講演は、主に会議室やホテルで行われます。そうするとなかなかパフォーマンスできる場所もないので、クライミングのすごさを身近に伝えるのが難しくなります。

そこで考えたのが、机の上でもクライミングが体験できる

ペーパークライミング(©2005 ogawa)

です。
A4の用紙に書かれた〇を指でたどってスタートからゴールまで登っていきます。

登るときは、将棋のように次の手、次の手と手順を先に考えていき、うまく手順や足順を合わせないと、どんなに体力があっても落ちてしまうことは、クライミングやボルダリングをやったことがある方は経験済みだと思います。

クライミングを知らない方、体験できない方にこのペーパークライミングをやってもらうだけで、実際のクライミングを体験しなくても

「クライミングは筋力だけでなく、頭も使わないといけない競技だ」

ということが伝えられます。

今までウェブに出してきませんでしたが、1課題だけ蔵出ししますので、体験してみてください!

ルール
①右手の親指、人差し指、中指の3本で行う
②指は1本ずつあるかせるように動かす
③爪側も使ってよい
④●は親指のみ、〇は人差し指か中指のいずれか1本
⑤同じ〇に2回指を置いてもよい

下記のファイルをA4で印刷してください。

画像5


ぜひ、私の講演を聞いたときに答え合わせしてみてくださいね。

DVDで観るパフォーマンスとメディアの力

DVDでは、私の現役時代の大会や岩のパフォーマンスを鑑賞してもらいます。
スポーツクライミングがオリンピックに決まる前までは、
皆さん、見たこともない競技でしたので
3コマ目にあるように、ランジやフィギュアフォーの映像を見せるととても驚かれていましたが
やはり、TVで今の現役選手のすごいコーディネーション課題の完登シーンもニュースでやるようになりましたので
なかなか私の古い映像では、みなさん驚かなくなりました(笑)

そこで、かつての私のテレビ出演のシーンをTV局から頂いた写真をもとに動画に組み込むと・・・

なんと、会場は大盛り上がりです!!

学校では「VS嵐」の出演シーンで盛り上がり、
企業講演では「マツコの知らない世界」の出演シーンで盛り上がります。

これを見せるだけで、
「よくわからない、話もつまらなそうな人が来た」

という印象から

「早く話聞きたい!おもしろそう!」

という雰囲気に一気に変わるのです。メディアの力はすごいな、と常々実感しています。

クライマーである私自身も、知っている若手のクライマーがCMやドキュメンタリー、バラエティーなど出演していると、やはり、嬉しくてなって見てしまい、あの子が出てたね!なんて、自慢したくなりますから、テレビに出てた人に会える、というのは、ひとつの武器になるようです。

私は、オリンピック選手でもなければ、メダリストでもない。ただのクライマー。
そんな凡人クライマーが、講演をしようと思うと、どうしても半分メディアの力を頼らざるを得ません。そのためには、頑張ってメディアに出る必要もあります。

まず目的は、

寝ずにクライミングの魅力を聞いてもらうこと!
少しでもクライミングの魅力を体感してもらうこと!

その入り口にメディアの力を使わせてもらっています。もちろん、内容や話す口調も気を付けています。

この講演活動で、

ひとりでも多くの人が体験してもらえればありがたいし
ひとりでも多くの人が観戦してくれたらありがたいし、

そうなったら、私の役目の全うできているのかな?と感じる今日この頃です。


いいなと思ったら応援しよう!