▼国家権力を強くさせる
世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス。その感染拡大を防ぐために、今、世界各国でITを使った「監視」や、一定の「私権の制限」が行われています。
韓国
携帯電話のGPS機能と、クレジットカードの履歴をもとに感染した人の移動経路などをわずか10分で把握。接触した人を監視カメラで確認するほか、感染した人の行動を詳細に緊急速報で市民に届けています。
さらに、感染の疑いで自宅に隔離されている人の無断外出を防止するため、スマートフォンを使って、違反者の行動を把握する電子リストバンドを4月27日以降導入すると発表。事前の世論調査で賛成する人が8割に達したといいます。
シンガポール
スマートフォンの近距離無線通信の技術を使って、感染した人の2メートル以内にいた人を特定するなど、デジタル技術による監視が、感染抑止に功を奏したとされます。
アメリカ
IT大手のアップルとグーグルが協力して、本人の同意を得た上で、過去2週間で感染した人の近くにいたスマホのユーザーに警告する技術の開発を発表しています。
中国
警察がドローンを使って市民を監視し警告。
こうした徹底した対策などが、感染拡大の歯止めになったといいます。
我が国の取り組み
2020年4月14日、竹本IT担当大臣は、感染経路を追跡するアプリの実証実験を始める方向であることを明らかにし「個人が推定されるような状況になるとまずい。非常に気を使いながらやらないといけないと思いますが、非常に有力な方法だと思う」と発言しています。
オンライン給付は歓迎だけど、預貯金口座とマイナンバーのヒモづけは国による個人情報の一元管理に直結するのではないかと気にされる方もいます。
賛同者のみの選択制にして迅速な給付に活用されることを望みます。
国際的世論調査では #個人情報より命
2020年3月、世界30か国を対象に行われた国際的な世論調査で、「ウイルスの拡散防止に役立つならば、自分の人権をある程度犠牲にしてもかまわない」かどうか、聞いたところ・・・
「そう思う」と答えた人の割合は、平均で75%にも達しています。
現状は法制化されていないので #外出禁止令 を出すことができません。
ですから「自粛」は要請しているにすぎません。
今後、自粛せずに行動した者による感染拡大があったり、抑止することに効果ありということが認められれば、感染症対策のために法制化して国家の強制力が高めた方がよいという流れになります。
国民を監視する権力を高めることができるので #国民監視社会 を実現することができます。
監視カメラの増加と犯罪減少とともに、過去に監視から逃れていた者たちの不正が一斉に暴かれる局面も来ます。この局面において国家が命より個人情報を重視することへの批判が高まることも考えられます。
社会監視システムの暴走の懸念
その一方で・・・。
今年1月に公開された映画「AI崩壊」。AI=人工知能によって管理された「監視社会」の恐ろしさを描いており、こうした「監視」については、懸念の声も挙がっています。
4月2日、アムネスティ・インターナショナルなどの人権団体は、「デジタル監視技術を活用する際は、人権が尊重されなければならない」とする共同声明を発表しています。
社会監視システムの悪用の懸念
イスラエルの歴史学者 #ユヴァル・ノア・ハラリ 氏がCNNのインタビューに答えているこの動画も興味深いです。
「数カ国の政府が新型コロナウイルス感染症との戦いで、新しい監視ツールをすでに活用している。だが、一時的な措置には、非常事態のあとまで続くという悪しき傾向がある。何かしら理由をつけて、監視体制を継続する必要があると主張するものが出てきかねない」
非常時を乗り切るために導入された“一時的措置”である市民の「監視」であっても、それが非常時が終わったあとも残されて、政府の都合の良いように利用されてしまう懸念を語っています。
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2020/5/4追記