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電気自転車で気候変動も経済危機も解決されるのか

現在、 #ガソリン自動車 が世界中で膨大な量の #二酸化炭素 を排出しているのは間違ありません。

だからこそ、低炭素車両を導入する緊急性は高いし、国はそのための積極的支援を行うべきです。  

もしガソリン自動車をすべて #電気自動車 に置き換えるなら、巨大な新市場と雇用が生まれます。それによって、 #気候危機#経済危機 も解決されます。

これぞ、 #気候ケインズ主義 の理想形といえます。

しかし、そう甘い話ではありません。

ここで鍵となるのが2019年に #吉野彰 先生が #ノーベル化学賞 を受賞したことで日本でも注目を浴びた #リチウムイオン電池 です。

スマートフォンやノートパソコンだけでなく、電気自動車にもリチウムイオン電池が不可欠ですが、このリチウムイオン電池の製造には、さまざまな #レアメタル が大量に使用されます。

その #リチウム はアンデス山脈沿いの地域に埋まっている。そして、アタカマ塩原のあるチリが最大の産出国。

また、#コバルト もリチウムイオン電池には必要で、コバルトの約6割がアフリカの最貧国、コンゴ共和国で採掘されています。

日本をはじめ多くの先進国( #グローバル・ノース )は資本主義社会です。そして、グローバル・ノースに属する多くの人は物質的に豊かな暮らしをしています。

資本主義社会では資本を巡って様々な競争が起こります。その結果、技術は発展し、より良いものを求めて様々な商品が開発されています。

そして人々がより良いものをより安価で大量に消費すれば、当然自然もまた消費されます。そしてその自然の中には、 #グローバル・サウス と呼ばれ、安価な労働力として搾取される人々も含まれています。

現在、グローバル・ノースのさまざまな国々ではSDGsが掲げられ、日本でもプラスチックの買い物袋の有料化や紙ストローの採用など、SDGsにのっとったさまざまな取り組みが行われています。しかし、どれだけプラスチック買い物袋の利用量を減らしても、人々が過剰消費をし続けている限りは自然や安価な労働力として搾取される人々は消費され続けることになります。

一方で、資本主義社会では消費、つまり資本のやりとりが停滞すると、経済が回らなくなってしまいます。経済が回らなくなれば多くの人々の生活が立ち行かなくなってしまいます。そうした中で自分自身の生活よりも環境保全をという決断を個人がすることは非常に難しいと考えられます。

いずれにせよ、電気自動車になってCO2排出が削減されても、経済成長をし続ける限り、労働力の搾取と地球的な #環境破壊 は形を変えて進行しています。

そして、危険なトンネルでの採掘作業は安全装備も十分ではありません。地下で過ごす時間が24時間に及ぶことも多々あり、有害物質を吸い込みながらの作業は呼吸器や心臓、精神の疾患といった健康被害も引き起こしています。最悪の場合には、作業中の事故で生き埋めになります。子どもの死傷者も出ていると国際的に非難されています。  

グローバル・サプライチェーンの反対側にいるのが、 #テスラ はもちろん、#マイクロソフト や #アップル です。リチウムやコバルトがどのように生産されているかをそうした大企業のトップたちが知らないわけがありません。

実際、アメリカで人権団体によって裁判も起こされている。せいにもかかわらず、涼しい顔をして、#SDGs を #技術革新で推進すると吹聴しています

#人新世の資本論 #気候ケインズ主義 の限界 より

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2021/5/15追記

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2021/5/22追記

吉野彰さんはグローバルサウスの指摘を待望していたのか

リチウムイオン電池 の実用化と普及に貢献した #旭化成 の名誉フェローである #吉野彰 さんは #ノーベル化学賞 の受賞会見で「環境問題は、絶好の金儲けのチャンス」と発言しています。

吉野さんは、リチウムやコバルトがどのように調達されるかもわかっていただろうし、#グローバルサウス と問題視されていく未来もわかっていたはずです。

それなのに全世界で繰り返し使われるノーベル賞の受賞会見で記者たちの前でこのように印象に残るようなことを語ったということは、よほど主張したかったのでしょう。

#グローバルサウス の問題に目がいくように仕向けてくださったのかもしれません。





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