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心理的サポートとケースワークについて②「少し安心してもらう」

ハードケースへのアプローチを
『心理的サポートとケースワーク』とし、
前回から『心理的サポート』について説明しています。
アプローチの目的を『希望を見い出す』と説明したので、
今回はそれを成し遂げるための3つの『すること』のうち、
『少し安心してもらう』について説明をしようと思います。

『少し安心してもらう』ですが、
『少し』としているのがまずポイントです。
というのも、ハードな状況に置かれている人にとっては
安心するということはとてもハードルの高いことで
一瞬の気のゆるみが大変なことにつながってしまう
可能性があるので安心するという気を抜く状況が
実はあまりうれしくなかったりします。

なので、安心してもらうを働きかけが
逆にマイナスになってしまうことがあるので、
それを目標にしないということがお互いに無理がないですし
逆説的な安心感にもつながります。

そのための『少し』なのですが、
『少し』でありながらも『安心してもらう』には
・話を聴いてもらえた
・それなりに理解してくれた
・話に付き合ってくれた
・自分と向き合ってくれた
・一緒に考えてくれたという体験が必要となります。

ようは孤立している状態から
少しだけ『つながれた』という感覚が生じるとよい
ということなのですが、ここがけっこう難しく、
また配慮が必要なところとなります。

なぜかということ
あまりつながり過ぎると脅かすことになるし、
そもそも共感することが難しい状況だったり、
共感されることを求めていなかったりするからです。

そのため、それらに配慮した形での『方法』として
・興味を持つ
・共に感じる
・感じたことを伝える
の3つを提案しています。

それぞれどういう意味があるのかは
長くなるので省略しますが、
一番のポイントは「興味を持つ」になります。

いかにも支援者然とした感じで共感するのは
一番ダメな対応で、そうすると相手は
「またいつものか…」と離れていきます。

それは今までの経験の中で
支援が役に立たなかったり、
お前が悪いと言われたり、
信じてもらえなかったりしたからです。

なので、共感はいったん置いておき
相手から語られる話に「興味を持つ」ことが大事で、
ここにウソがなければ相手と多少はつながることはできます。
それは『興味を持つ』ということが
相手も遠慮なく「相手が興味を持っているから」話せる
ということにつながるので、
いわゆる支援者と被支援者との間にある非対称性を和らげ、
対等な関係を保障するからになります。

これができた後で
「共に感じる」「感じたことを伝える」ができると
本当の意味で相手を脅かさない
本当の意味での「共感」になると思います。

また続きます。

P.S:今回の写真もパターン・ランゲージのまとめ方で、
  構成要素をカード化したものになります。今回は『方法』も
  含めてカード化しています。

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