8月消費者理会のゲストは才流 栗原さんとブランディングテクノロジー 黒澤さん
株式会社秤の小川と申します。10年以上の総合広告代理店での経験とデジタルマーケティング会社やPR会社でのコンサル経験を経て、2018年にマーケターに有用な効果検証法をメインテーマとして統計や因果推論の知識をまとめた「Excelでできるデータドリブン・マーケティング」を出版、2019年12月に法人を設立し、今は業務委託で複数の役割で活動している複業マーケターです。
JX通信社の松本健太郎さんのお声がけから、同社の新たなチャレンジをサポートする役割も担っています。同社は、「テクノロジーで『今起きていること』を明らかにする報道機関」を目指す報道ベンチャーです。
私は、FASTALEART for Marketingというツールのアンバサダーとしても活動しています。これは、マーケター向けにユーザー(マーケター)の興味がある1テーマ(ブランド)に分析対象を絞り込み、そのテーマでのツイートの抽出と、さらに分類までを機械学習によって行い、人間が行うと膨大なリソースがかかるデータの前処理を効率化し、ブランドの消費者の動向や仮説のタネをいち早くキャッチすることを可能とした先進的な分析ツールです。以下がサービスサイトです。(β版の分析イメージなど、本note後半で詳しくご紹介しています)
ロイヤルカスタマージャーニーという新機能のローンチも行われた為、抽選で実験的な取り組みに参加頂くこともできます。(本note公開時点の情報です)
このnoteでは、松本さんと素敵なマーケターのゲストをお迎えして行う無料ウェビナー「消費者理会」とゲストについてご紹介します。
消費者理会(8月24日火曜日20時~21時)
FASTALEART for Marketingや、それを展開するJX通信社について皆さん(マーケター)に知ってもらう活動から始めています。
そこで松本さんとはじめた無料ウェビナーが「消費者理会」です。「消費者『理解』」のための『夜会』的なイベントで、毎月1回開催しています。ホストは松本さんで、ゲスト1名と私です。消費者理解をテーマに松本さんが出した問いに対してお答えしつつ会話します。現段階では、純粋にまずは参加者の方に学びを得て頂くイベントとすることを目的に、ツールの宣伝内容はほぼ入れていません。
事前打ち合わせでは、「ぶっつけ本番でお願いします」とゲストの皆さんにお伝えしています。
独自の経験知見をもつゲストの皆さんの生っぽいお話をお聞きしたいからです。2021年8月24日(火)20時~21時のゲストは、初めての試みとして、なんとお二人です!
まずは、栗原氏。私も過去、ITとマーケティングの収録型のウェビナーでご一緒させて頂いたことがあります。BtoBマーケティングにおいて、もっとも重要であるにも関わらず、見落とされがちなマーケティング戦略策定、本質部分をコンサルティングから実行まで並走する支援会社「才流」の代表の方で、同ジャンルに従事する方においては知らない方はいないと言っても過言ではないでしょう。「消費者」に限定せず、広義での「顧客」理解について氏のご経験からくる考えをお聞きしてみたいところです。
参考:栗原氏ご著書
お二人目は黒澤氏です。2020年3月、新型感染症の影響で予定していたリアルのビジネスセミナーができなくなっていった最中で、企業が作成するTVCMなどの成果物を見てそのクリエイティブに至った要因を仮説するバックフローシンキングというセミナーを開催し、「消費者理会」第1回のゲストでもあるニューバランス ジャパンの鈴木氏と松本氏とともに、初めてウェビナーをご一緒させて頂きました。バックフローシンキングは、黒澤氏が主宰する企業のマーケティング全体を俯瞰して戦略を仮説するマーケティングトレースから着想を得た取り組みでした。マーケティング事例の要因分解において、マーケターのコミュニティを作られた氏が、顧客理解については、いかなるお考えをお持ちであるのか?改めてお聞きしたいところです。
参考:黒澤氏ご著書
8月24日火曜日20時からの消費者理会での氏と松本さんとぶっつけ本番の語らい、どんなお話がお聞きできるでしょうか?今から楽しみです。みなさんもぜひ!zoom登録は下記からお願いします!
Zoom登録
FASTALEART for Marketingによる「ブランドリスニング」とは?
既存からあったソーシャルリスニングに内包される概念として「ブランドリスニング」という新たな価値をマーケター向けに提供するサービスです。炎上監視とも重複します。主に自社ブランドにまつわる言及を察知する炎上監視の視点に加え、そこから得られる消費者の声をマーケティング活動に活かすものです。
丸亀製麺で「ブランドリスニング」
私は、USJを再生させた日本を代表するマーケター森岡毅氏の「刀」社にあこがれて「秤」という会社を作りました。明確なブランディングができておらず2017年から低迷を続けていた丸亀製麺は、刀社とのパートナーシップによって「すべての店で粉から作る」店内製麺の強みを訴求し、2019年春から客数を増やし復活への道を歩み始めました。その戦略をみちびいた出発点が、森岡氏の分析によって、うどんを食べる人のうち、1割程度しか外食でうどんを食べない事実から、丸亀製麺でしか食べれないうどんがあることを訴求し、家で食べる需要を外食でうどんを食べる需要に引き込む戦略でした。現在はうどんの需要がどの様になっているか?森岡氏と今西氏の名著「確率思考の戦略論」で紹介された手法で分析してみました。
上記のnoteで参照した森岡氏のインタビュー記事には、ブランドの価値を確固たるものとするため、「出来たての感動」を店で体験していただくための店内のオペレーションの質を上げ、来店されたお客様が、うどんを食べることに感動できる環境を整えることにも尽力されたことが書かれていました。
最寄りの丸亀製麺は、私が住んでいる隣街にあります。天気の良い休日のお昼に小さい娘を載せて自転車でよく食べにいきます。だいたいお店に行列ができています。知人のSNS投稿などでらお店がにぎわっているというような書き込みを目にしたことがありますが、より具体的にはどんな声があるのでしょうか?私もユーザーとして契約しているFASTALEART For Marketingのβ版を使って調べてみました。
これが、分析画面の一部です。(赤枠の囲みは私が追加したものです)ここでは、「施設に関する反応」のツイッター投稿の抽出を選択した画面をキャプチャしました。(画面はβ版なので、今後変更される可能性はあるみたいです)
機械学習によって、丸亀製麺に関する投稿を文脈から抽出分類してくれます。投稿個別に、フォロワー数、感情の判定フラグやリツイートの予測数といった値も紐づいています。実際には上記画像の表示だけでなく、最新の抽出順で投稿を見ていくことができます。
以下のフィルタ機能によって、投稿(ここでは「丸亀製麺」)の分類をすることができます。ここから任意に指定したフィルタ内容に応じて投稿を見ていくことができます。
「店舗混雑」というフィルタもあります。丸亀製麺の分析では、このフィルタでも投稿がヒットしますが、これに対応する投稿が豊富に抽出できるチェーン店舗はあまりないかもしれません。
人気がゆえに混んでいる為、当然クレームじみた投稿もありますが、大好きであるが故のポジティブな投稿も多かったです。しかし、これだけ人気の丸亀製麺でさえ、国内の約1,150店舗のうちショッピングセンター内の店など約3割が休業となってしまい、手元資金の流出が続いている状況にあるそうです。飲食業界全体として苦しい状況が引き続きなのは周知のことかと思います。
こうした店舗に対応するクレームが価値を生む場合もあります。匿名アカウントでツイッターをされている方も多いので、店舗スタッフに直接は言わないけれども、ネタっぽく投稿してみることもあると思います。そんな声が店舗の運用改善の大きなヒントとなるケースもあります。投稿の抽出や分類といった前処理の手間を省いてスピーディに把握することは、飲食に限らず小売りや商業施設など、多くの店舗業種のマーケターにとって重要なことだと思います。
ソーシャルリスニングの分析を行ったことがある方はお分かりだと思いますが、投稿データを抽出して人力で、先に示したフィルターで分類するにはかなり工数がかかります。その投稿に含まれる単語や、含まれない単語などを細かく考えて指定してそれぞれ抽出する必要があるからです。たとえばクレームを単語基準でソートして分類するのはかなりセンスが必要です。文脈で判断しないといけない場合がほとんどです。先に示したフィルタの粒度で投稿を分類するオーダーが仮に私にあった場合は、白旗を上げたくなるレベルです。FASTALEART For Marketingでは、特定のブランドをテーマとして機械学習によって学習データから(≒文脈などから)これを分類してくれます。前処理のリソース浪費を避け、マーケターが意思決定に役立つヒントを素早く得ることができます。
自らが手掛けるブランドの消費者動向や仮説のタネをいち早くキャッチすることにご興味頂ける方は、ぜひ以下のサービスサイトをご覧いただけますと幸いです。
以上となります。ここまでお読みいただきありがとうございました。
2024年5月26日更新
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