2021年最後の「消費者理会」(12月21日火曜日20時~)で振り返る学び
株式会社秤の小川と申します。10年以上の総合広告代理店でのコミュニケーション支援の経験とデジタルマーケティング会社とPR会社でのコンサルティング経験を経て、2018年にマーケターに有用な効果検証法をメインテーマとして統計や因果推論の知識をまとめた「Excelでできるデータドリブン・マーケティング」を出版、2019年12月に法人を設立し、今は業務委託でアドバイザーやアンバサダーなど複数の役割で活動しています。
JX通信社の松本健太郎さんのお声がけから、同社の新たなチャレンジをサポートする役割も担っています。同社は、「テクノロジーで『今起きていること』を明らかにする報道機関」を目指す報道ベンチャーです。
私は、FASTALEART for Marketingというツールのアンバサダーとしても活動しています。これは、マーケター向けにユーザーの興味がある1テーマに分析対象を絞り込み、そのテーマでのツイートの抽出と分類までを機械学習によって行い、人間が行うと膨大なリソースがかかるデータの前処理を効率化し、ブランドの消費者動向や仮説のタネをいち早くキャッチすることを可能とした先進的なツールです。以下がサービスサイトです。
2021年を締めくくる「消費者理会」
12月になりました。たくさんのお仕事があり、まだまだ終わりが見えない師走です汗。
松本さんのお声がけからはじめて、毎月開催し、今回(12月21日)で9回目となるイベントが「消費者理会」です。われわれがお話を聞きたい、学びたいと思う方をゲストに招いてお話をお聞きする消費者理解をテーマにしたマーケター向けの夜会的なウェビナーをめざしてはじめたものです。
これまでの開催でお越しいただいたゲストは下記の皆様です。
・2021年4月 ニューバランスジャパン 鈴木 健 氏
・2021年5月 リサーチャー 菅原 大介氏
・2021年6月 プリファードネットワークス 富永 朋信 氏
・2021年7月 ソフトバンク 井上 大輔 氏
・2021年8月 才流 栗原 康太氏/ブランディングテクノロジー 黒澤 友貴氏
・2021年9月 ファミリーマートCMO他 足立 光氏
・2021年10月 TORiX 高橋 浩一氏
・2021年11月 カーマインワークス 深田 昌則氏
松本さんと相談しながらオファーする方を考えてご提案しご出演いただくことができましたが。振り返ってみるとすごい方ばかりです。
マーケターにとって外せないスキルとなる消費者理解について、それぞれ知見をお持ちのゲストの皆さんそれぞれのお考えをお聞きしながら我々も学んできました。JX通信社のビジネスの目的としては、FASTALEART for Marketingの普及浸透がありますが、このイベントではツールの宣伝をなくして、参加者の皆さんとともに、ゲストの方からお話を聞いてリアルな学びを共有するコンセプトで行ってきました。
だから、ゲストの皆様にはイベントの前打ち合わせでは、当日、いくつかのテーマをご用意してお聞きするぶっつけ本番でお願いして、それぞれのマーケターの皆さんの普段のマーケティング談義のような会話をお話しいただくようお願いしていました。たとえば「なぜ、消費者理解が必要なのか?」など、モデレーターの松本さんが投げかけるテーマは、小手先のテクニック論ではなく、本質論が多いので、みなさんそれぞれ、お話頂くお考えもさまざまでした。
すご腕マーケターの皆さんの思考をお聞きしながら、自分自身がきづかなった視点を確認していきました。私も出演者の一人ではありましたが、自分が話をして何か紹介するというよりも、すごいゲストの皆さんから引き出すための話題を意識してお話をしてきました。
2021年最後の12月の消費者理会、ゲストはどなたにお声がけしようかと松本さんと相談していた折、年末ラストなのでわれわれで振り返ってみましょうという話になりました。だから、12月のゲストはいらっしゃらず、われわれ二人でお話します。
消費者理会をきっかけに取り組みはじめたこと。
すごいゲストの方にお話しをお聞きして学ぼう。そういうコンセプトではじめたイベントでしたが、ゲストの方のお話に触発されて、私も行動を変えたことがあり、それによってマーケターとして急速に成長できている実感があります。
消費者理会を行う前から、定量調査データの分析には自信がありました。最近ではこんなnoteを書きました。
森岡毅さんのNBDモデルを効果検証に応用してTVCMによって好意度が何%上がるといくら売上を増やすか?消費者調査から分析する技術を紹介しています。定量調査分析のノウハウは自信があります。
一方で、定性調査による課題の発見や導出については、「プロにお任せする」意識でした。調査会社や、プロリサーチャーの方や、プロインタビュアーの方にお任せすることが多かったです。
ですが、消費者理会をきっかけに、定性調査もできるコンサルタントになろうと考えて、今ではオンラインのデプスインタビューも自分で行っています。感染症の影響もあり、Zoomが浸透したので(といってもZoomをご存じないモニターさんにはレクチャーしていますが)直接お会いしなくてもモニターさんもご自宅から話しやすい環境でインタビューに応じていただきやすくなったと思います。
案件は開示できないので詳しくはお話できませんが、女性にもインタビューをしています。調査パネルにアクセスして、直接モニターの方にリクルーティングができる仕組みがあるので、それを使って定量定性の調査分析自体を考えて自ら行い、それによってクライアントの本質的な顧客課題を発見し、どの方向に進むかを決めていくために並走しています。私にとってのお客様(クライアント)よりも、お客様(クライアントのお客様)を知ることがマーケティングコンサルタントとして一番重要なことだと考えています。
定量調査の調査票設計と配信、ローデータ分析も定性調査インタビューレポートもすべて自分で作って、クライアントと顧客戦略について議論を重ねる日々です。そこまでやると見えてくる世界があります。インタビューのレポート段階で気づく、「つじつまが合わないこと」とか、本音と建て前みたいな部分まで見えてきます。松本さんがよく発信されますが、事象やデータをどう読み解くか?のスキルが要求されます。
定量調査として主に活用するネットアンケートで答えてくれる内容はあくまで基本はYES NOや選択式で答えられる内容に限られます。そもそも何を聞くべきか?のヒントは定性調査から得ることができます。
今、松本さんとは弊社のプロジェクトでテストケースとして、FASTALEART for Marketingを使って定性調査であぶりだすような、仮説の種を発見する取り組みをしています。定量調査と定性調査の役割はそれぞれ違いますが、工数はかかる(たとえばインタビュー)定性調査の役割として、想像の範疇を超える仮説の種をみつけるプロセスにソーシャルリスニングを活用する取り組みです。いつか、開示できるケーススタディができればと思っています。
「調査の限界」について偉大なマーケターの方が語られることがあります。それも事実ですが、自身でとことん、やり切ったことがない中で、見切ってしまってはいけません。顧客理解をするためのプロセスから逃げてはいけません。
このイベントを機に、より突っ込んだノウハウを学ぶ様になり見えてきたものがあります。ゆくゆくは顧客理解のプロセスを体系化した書籍を出したいなどと考えています。
私自身も「消費者理解」についてお話できるファクトをもっていますので、ぜひ12月21日(火)の会では肩の力を抜いて、これまでを振り返りながらお話できればと思っています。
2024年5月26日更新
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