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【動画で学べる】マーケティング戦略に役立つ書籍2冊
「タイパ重視」でマーケティング&データ分析のリテラシーを高めたい方へ。
このnoteでは経営者やビジネスマンに役立つマーケティング分析の書籍を2冊紹介します。どちらも筆者が執筆した書籍で、マーケティング効果予測モデル構築により投資予算配分の意思決定を行う分析や、消費者行動の構造理解などマーケティング戦略策定に役立つデータ分析を学べます。筆者自身が紙の書籍で基礎から学ぶのは苦手で、Chat GPTなどの生成AIを使って関数や分析に必要なコードを聞いたりして「タイパ重視」で実装しながら学んでいます。私はもともとデータ分析ド素人でかなり寄り道して無駄な時間を投資しましたが、分かったことは、データを実際に触る学びのほうが、結果として効率が良いことです。このnoteでは、付録の演習データと動画でわかりやすく、サクサクとスキルと知識が身につく2冊を紹介します。
2025年1月29日発売「Excelで学べるデータドリブン・マーケティング」
2024年6月24日発売「『その決定に根拠はありますか?』確率思考でビジネスの成果を確実化するエビデンス・ベースド・マーケティング」
2冊の共通点
MMM(マーケティング・ミックス・モデリング)を解説
2冊とも時系列データを解析することで効果の推定または予測を行い、適切な投資金額を判断するMMM(マーケティング・ミックス・モデリング)を扱っています。
MMMはマス広告、デジタル広告、広報や販促などのマーケティング・コミュニケーションで扱うデータの広範な知識と統計解析の知識の双方がある人材がいないと本質的な活用ができず、その人材が少ないことから高価な分析サービスとなっています。この2冊ではMMMを中心にマーケティングの戦略意思決定に有用なデータリテラシーを学べるよう工夫を凝らして制作しています。
付録の動画講義
筆者は2020年から個人向けの有料のオンライン講義を1,000人以上に行っており無料で参加できるビジネスセミナー型のものを含めると1万人近い方にマーケティングの分析の解説をしてきました。2冊とも高度な分析の解説もあるので動画講義と演習データをセットにした付録を用意しています。
2冊の違い
判型と印刷色
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「Excelで学べるデータドリブン・マーケティング」はB5判フルカラーです。「その決定に根拠はありますか?」はA5判モノクロです。想定している読者が若干違うため判形と印刷色が違います。
「Excelで学べるデータドリブン・マーケティング」
【MMMやマーケティング分析に付帯する基礎となる統計知識から『学びたい』方向け】
MMMに付帯する知識(統計にまつわる知識)から丁寧に学ぶのに最適な書籍。
「Excelで学べるデータドリブン・マーケティング」はデータの分布とは?回帰分析の決定係数とは?といった統計の基礎から学ぶことができます。判型を大きくしカラーにしたのはExcelで行うデータ分析の演習の画面キャプチャーを張り付けて丁寧に解説しているからです。この書籍のターゲットはMMMなどを行う際に統計や因果推論の基礎から確実に学びたい方です。TVCMの投下単位のGRP(グロス・レーティング・ポイント)とは?から解説するなどマーケティング初心者向けの書き方をしています。
判型が大きく難しい技術書に見えますが、丁寧に解説するために大きな判でフルカラーになっているだけで内容は次に紹介する「その決定に根拠はありますか?」ほど高度ではありません。基礎から学びたい方向けの書籍です。53万部を販売した大ヒットシリーズ書籍の「統計学が最強の学問である」著者の西内啓氏に「マーケターはグラフの見た目より『因果推論』に注意すべきである」と推薦コメントを頂くことができました。合計9時間を超える動画講義8本のうち、1本の動画講義を公開しました。1章の内容、データ分析の基本的な考え方、各章で行う分析演習など、書籍と動画講義の全体のガイダンスとなっています。
以下noteでは1章まで無料公開しています。
「『その決定に根拠はありますか?』確率思考でビジネスの成果を確実化するエビデンス・ベースド・マーケティング」
【戦略に役立つノウハウ、実装法を『知りたい』方向け】
本格的なマーケティングDXプロジェクトの要求整理や大規模な新規事業の立案時に活用するハイエンドなリサーチやマーケティング・アナリティクス技術の実装法まで『知りたい』方に役立つ書籍。
「その決定に根拠はありますか?」はマーケティング・アナリストとして受託している専門性の高いプロジェクトで磨いたディープなノウハウを共有することに主眼を置いています。書籍「確率思考の戦略論」で紹介された確率モデルや、因果推論、META社のRobynを用いたMMMなど、ハイエンドなリサーチの活用法を紹介しています。実装レベルの詳細な知識を求める方向けに動画講義も用意しました。合計8時間を超える動画講義7本のうち、確率モデルの動画講義を公開しました。演習データとして、エナジードリンク、外食チェーン、テーマパークの3テーマで調査した約17万人のローデータを配布しています。ここまで分析の内容と元データを提供している教材は他にはないかもしれません。
筆者は独立する前は総合広告会社やデジタルマーケティングコンサルティング会社の勤務経験があり、全国規模のTVCMなど大規模なプロモーションや分析だけで億円、消費者調査だけで数千万円規模の本格的なプロジェクトの経験が多数あります。一般的に世に出ない(出せない)そうした本格的なプロジェクトで培ったノウハウを無料や安価なツールで再現して多くの方に提供することで日本のマーケティング・インテリジェンスのレベルの引き上げに貢献したいと考え、書籍はノウハウを『知りたい』方向けに執筆しました。こんな方法もあるのかとパラパラと気軽に読んで頂ける様にモノクロで執筆しました。
因果推論の傾向スコア分析と確率モデルのガンマ・ポアソン・リーセンシー・モデルを組み合わせてインターネット調査だけでTVCMなどの効果の金額換算が推計できる特許技術※の「消費者調査MMM(R)」も解説しています。特許技術は「消費者調査MMM(R)」という分析法です。「MMM(マーケティング・ミックス・モデリング)」は主に時系列データが用いられており消費者調査から行うMMMという新しい手法が「消費者調査MMM」です。この分析によって、たとえばマクドナルドとケンタッキーのテレビCMの効果が1年間で234億円、111億円。アプリは113億円、48億円の様に売上増加金額までわかります。調査データから行うので自社に限らず興味のあるブランドを分析することができます。日経クロストレンドの記事では、2025年1月4日までの1か月のTVCM効果がアサヒ スーパードライで66億円、サッポロ 黒ラベルで22億円と推定しました。
2025年2月13日公開(日経クロストレンド)
スーパードライ66億円、黒ラベル22億円 テレビCMの売上貢献をMMMで検証:日経クロストレンド(この記事は2025年3月2日 8:41まで無料登録せずに読めます)
これはマーケティング戦略策定の根幹となる(他の手法では得ることができない)貴重な示唆が得られる分析ですが、使いこなすために必要な前提知識を学ぶには動画が適していると考えて付録の演習を用意しました。
結果と数字にこだわる全ての方に
書籍で紹介したノウハウは、既存のマーケティングPDCAの変革に役立ちます。実際に活用して戦略策定や投資判断や新規事業立案などの本格的なプロジェクトに取り組んでいます。紹介した2冊の書籍は「結果と数字に強くこだわる人」「ダイパ重視でデータ分析を学びたい人」の役に立てるはずです。
内容にご興味頂ける方はYouTubeまたはAmazonの書籍販売ページをご覧ください。以下、補足または参考情報となります。
消費者調査MMM分析note(適宜更新)
外食チェーン、テーマパーク、エナジードリンクの3つのカテゴリーのnoteで書籍「その決定に根拠はありますか?」で紹介していた消費者調査MMMの分析のうち、ブランド名をマスクしていた内容について、実際のブランド名の記載を含めて掲載しました。実際のブランド名を見て書籍や書籍の付録とした動画講義をご覧頂くと、分析結果の解釈の解像度が高まり、さらに理解が進むと思います。
マクドナルド&ケンタッキー(書籍で伏せていたブランドの開示あり)
TDL&USJ(書籍で伏せていたブランドの開示あり)
レッドブル&モンスターエナジー(書籍で伏せていたブランドの開示あり)
さとふる&ふるなび
Refa&Dyson
オンライン講義「確率思考の実装法」
「確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力」で紹介され、特許登録した消費者調査MMMの要素技術としても活用しているガンマ・ポアソン・リーセンシー・モデルによって、ブランドごとのM、カテゴリーエントリーポイントごとのMを把握する方法を実際の調査データ(エナジードリンクの調査)を用いて実装する講義です。数学マーケティングを仕事に活かしたい方向けの本格的な内容です。
「確率思考の実装法」確率思考の戦略論の数式を使って戦略を導く
【2025年1月29日更新】
確率思考の戦略論の赤本も発売されました。
USJを再生させた刀の森岡毅氏と今西聖貴氏の確率思考の戦略論の2作目、いわば赤本が出ました。どんな内容なのか?関連する書籍をnoteで紹介しました。
その他告知(※適宜更新)
3月25日にはCEPs(カテゴリーエントリーポイント)の見出し方というセミナーに登壇します。