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2022年8月17日(水)「消費者理会」Vol.17のゲストは「鹿毛 康司」さん

株式会社秤の小川と申します。10年以上の総合広告代理店でのコミュニケーション支援の経験とデジタルマーケティング会社とPR会社でのコンサルティング経験を経て、2019年12月に法人を設立し、今は業務委託でアドバイザーやアンバサダーなど複数の役割で活動しています。

JX通信社の松本健太郎さんのお声がけから、同社の新たなチャレンジをサポートする役割も担っています。同社は、「テクノロジーで『今起きていること』を明らかにする報道機関」を目指す報道ベンチャーです。

私は、KAIZODE(カイゾード)という消費者リスニングツールのアンバサダーとして活動しています。これは、マーケター向けにユーザーの興味がある1テーマに分析対象を絞り込み、そのテーマでのツイートの抽出と分類までを機械学習によって行い、人間が行うと膨大なリソースがかかるデータの前処理を効率化し、ブランドの消費者動向や仮説のタネをいち早くキャッチすることを可能とした先進的なツールです。同社のテクノロジーによってマーケターが市場や顧客を洞察する解像度を上げることができるツールです。以下がサービスサイトです。

弊社のプロジェクトでも、テストケースとして、KAIZODEを使って定性調査であぶりだすような、仮説の種を発見する取り組みをしています。消費者リスニングは、必要な情報を定義してそれを抽出する時点からテクニックが必要です。テクノロジーの力を使うことで、スピーディにSNS上にある消費者を収集し、最短距離でマーケティングの仮説をみつけることができます。

【更新情報2024年5月26日】

「その決定に根拠はありますか?」

確率思考でビジネスの成果を確実化するエビデンス・ベースド・マーケティング

戦略を導く為の「エビデンスの作り方」をテーマに、これまで体系化してきたノウハウを紹介したマーケティング・インテリジェンスの書籍を出版致しました。5問の調査でTVCM(施策)→コンビニで商品を見た(要因)→売上がいくら増えたか?→年間16.67億円(効果)の様に経路ごとに構造的に効果を把握する国際特許(PCT)を出願した分析法など、確率モデルや因果推論をプロジェクトで実際に活用している方法を特典の動画講義も活用して実装レベルの知識まで提供しています。

「消費者理会」

2022年8月17日水曜日で17回目となるイベントが「消費者理会」です。われわれがお話を聞きたい、学びたいと思う方をゲストに招いてお話をお聞きする消費者理解をテーマにしたマーケター向けの夜会的なウェビナーをめざしてはじめたものです。これまでの開催でお越しいただいたゲストは下記の皆様です。

・2021年4月 ニューバランスジャパン 鈴木 健 氏
・2021年5月 リサーチャー 菅原 大介氏
・2021年6月 プリファードネットワークス 富永 朋信 氏
・2021年7月 ソフトバンク 井上 大輔 氏
・2021年8月 才流 栗原 康太氏/ブランディングテクノロジー 黒澤 友貴氏
・2021年9月 ファミリーマートCMO他 足立 光氏
・2021年10月 TORiX 高橋 浩一氏
・2021年11月 カーマインワークス 深田 昌則氏
・2021年12月 ゲスト無し。松本さんと小川
・2022年1月 インサイトフォース 山口 義宏氏
・2022年2月 みる兄さん
・2022年3月 ダイキン工業 片山 義丈氏
・2022年4月 クー・マーケティング・カンパニー 音部 大輔氏
・2022年5月 デコム 大松 孝弘氏
・2022年6月 顧客時間 奥谷 孝司氏
・2022年7月 電通 阿佐見 綾香氏

松本さんと相談しながらオファーして多くの方にご出演いただくことができました。振り返ってみるとすごい方ばかりです。

マーケターにとって外せないスキルの消費者理解について、ゲストの皆さんそれぞれのお考えをお聞きしながら我々も学んできました。ツールの宣伝は行わずに、参加者の皆さんとともに、ゲストの方からお話を聞いてリアルな学びを共有するコンセプトで行っています。

ゲストの皆様にはイベントの前打ち合わせでは、当日、いくつかのテーマをご用意してお聞きするので、ぶっつけ本番でのトークをお願いしています。普段のマーケティング談義のような会話をお話しをいただくようお願いしています。たとえば「なぜ、消費者理解が必要なのか?」など、モデレーターの松本さんが投げかけるテーマは、小手先のテクニック論ではなく、本質論が多いので、みなさんそれぞれ、お考えもさまざまです。すご腕マーケターの皆さんの思考をお聞きしながら、新たな視点で学んでいます。

2022年8月17日水曜日20時~21時の消費者理会Vol.17のゲストは、株式会社かげこうじ事務所の鹿毛 康司(かげ こうじ)さん

第17回のゲストは、マーケター/クリエイティブディレクターの鹿毛 康司さんです。

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2020年、エステー株式会社役員、クリエイティブディレクターを経て独立。
早稲田大学商学部卒、ドレクセル大学MBA。
現在はエステー、森永乳業、ほけんの窓口、ベストコ(塾)、医療など様々な業種のマーケティングとクリエイティブの支援をおこなっている。

机上の空論とならないように「マーケティング戦略を生きたクリエイティブに変換する」ことが得意中の得意。実践クリエイターとしてもCMプランナー/CM監督/コピーライター/作詞作曲家として300以上の作品を生み出してきた。代表作は「エステー消臭力シリーズ」。

一方で、SNSやオウンドメディアを活用したコンテンツマーケティング、ファンマーケティングなど、その時代に新しい手法を10年以上開発実践してきた。クロービス経営大学院(MBA)教授として社会人学生にマーケティングを指導。 2021年には著書「心がわかるとモノが売れる」で、マーケティングに必要なインサイトを人間理解論を実務家の視点で発表。講演活動も200回を超える。

TVなどのご出演もある著名な方なので、ご存じの方はそれぞれイメージがあるかもしれません。

私にとっては、マーケターの大先輩で人間理解の先生です。

ご著書「心がわかるとモノが売れる」では、マーケティングに必要なインサイトを発見する、経験に裏打ちされた人間理解の方法を具体的な事例と共に共有して頂きました。

過去の消費者理会にゲストとしてお越し頂いたプリファードネットワークス富永氏、デコム大松氏と、鹿毛氏の3人の講師で開講して頂いた「人間理解・インサイトアカデミー」という勉強会に松本さんと私は参加していました。

クローズな勉強会なので、この勉強会で学んだ資料など、そのまま共有はできないのですが、これくらいは共有しても鹿毛氏や、富永氏、大松氏に怒られないだろうと思う範囲で、何を学んだか?感じたか?を共有します。本講義がまた開講された場合はマーケターのみなさんに全力でオススメさせて頂きます。

まず、この講義で学び、再認識したことが2つあります。


1.自社顧客(ログ)データでインサイトの理解はできない。

私は10年強の広告会社の勤務経験を経て、広告業界の仕事を止めて、サービスデザイン経営などを標ぼうするデジタルマーケティング会社に転身しました。社会のDXともいえる大規模なプロジェクトなども経験させて頂きました。総合広告会社では自ら開拓したクライアントの年10億円近いWebマーケティング予算をお預かりしました。TVCMからPR販促、Webマーケティングまで大手広告会社の営業やプランナーがやることは一通り経験させて頂き、本格的なデジタルマーケティングを知ることもできました。

マーケティングテクノロジーの進化を横目に、私個人が注力したのは、テクノロジーの実装ではなく、旧来型からあるマーケティングリサーチとサイエンスになっていきました。具体的にはデプスインタビューや会場調査、インターネット調査、消費者調査データの多変量解析、因果推論の分析などの実践です。

テクノロジーの進化に応じて、購買履歴や、アプリやホームページの利用ログなど、自社のログデータを集めることで顧客のことが分かって有益なマーケティング戦略につながるという、マーケターの期待値がどんどん上がってきた印象があります。それは、CRMにはとても有用です。しかし、顧客理解やインサイト洞察となると話しは変わります。GAFAやYahoo!楽天といったデジタルプラットフォーマーの様に多様なデータを取得し、活用できる環境が回らない限りは、ビジネスを大きく成長させるためのインサイトの洞察はできないと思っています。

また、多様なデータを保有するデジタルプラットフォーマー企業でさえも、消費者の利用意向や好意度といった、消費者の頭の中にあることは消費者に聞かないと把握できませんし、なぜ、その商品に関与しているのか?または関与していないのか?本人も特に意識していないようなこと、インサイトを掘りおこすには、人間の観察や傾聴など定性アプローチによる考察をしないとわかりません。

社会のDXが進み(プライバシーの問題はさておき)一人一人の脳波が観測され、解析可能な状態で活用されるようなレベルの未来が来ない限り、自社で集めることができる行動ログデータから、インサイトの発見も洞察もできません。

※一方で私はそんな未来を目指すための新しい社会基盤の実装に向けた取り組みにも関わっています。

2.比較的安易に使われている「インサイト」という言葉

マーケティングにおけるインサイトの意味としては、「人を動かす隠れた心理」というデコム大松氏の解説が腑に落ちます。

我々人間が知覚し認識している顕在意識は主に5%で、残り95%が潜在意識、無意識の領域です。我々の脳は呼吸・心臓・瞬き・条件反射や、利き手・癖・言語・思い込みなど意識せず行っていることのほうに多くのリソースを投じているわけです。

企画書や提案書などで、インサイトという言葉を良く見かけますが、それはニーズと書くほうが適切ではないか?と思われる場面でも安易に使われている印象があります。耳障りが良く使いやすい言葉なので、使いたくなる気持ちも分かります。かくいう私も昔はそうでした。

2020年春以降、オンラインミーティングの浸透に伴い、私も、それまでは調査会社にお任せしていた消費者インタビューのうち1対1のデプスインタビューを自ら行う様にしました。今後マーケターとして成長を続けるのに、必須のインサイト探索能力が重要なスキルになると思ったからです。そのための手段としてインタビューは重要です。自分で行うことで分かってきましたが、核心をつくような内容を聞くまでに相手の心をだんだん開いて頂きながら温めていくようなステップが必要です。心を開いてはなしていただく第一のハードルがあり、さらにそのハードルを越えてたあとの第二のハードルとして、本人すら普段意識していないことを言語化してもらう必要があります。対象者は心を開いてくれているつもりでも、つい体裁の良い答えを後付けしてしまったり、誘導的な聞き方に、乗っかって本来の自分の意見を変えて答えてしまったりします。本音の引き出しだけでも難しいのに、本人も意識していない領域を引き出すとなるとなおさら難しいわけです。

ここからは、前回の消費者理会のゲストの電通の戦略プランナーの阿佐見さんからお聞きした話ですが、『広告マーケティング力』(誠文堂新光社)という書籍の中で紹介された電通の戦略プランニング・ディレクターの小宮広高氏が担当したコカ・コーラの「No Reason」というキャンペーンの時に行った調査の話が印象的でした。

企画を考える際、「コカ・コーラはいつ飲むとおいしいと思われているのか?」といったことを調べたくなると思いますが、仮説を持たないままヒアリングしても、得られる回答としては「暑いとき」「ハンバーガーを食べたとき」などの、新規性のないものが出てくると思います。

 小宮氏は、こうした、これまでもよく描かれてきたようなコカ・コーラを飲みたいと思いそうなシーンに対して、「これって本当かな?」と疑問を抱いたそうです。「どうも違うような気がする(これらのシーンではないのでは?)」という仮説です。

それをもとに「コカ・コーラはいつ飲むとおいしいと思うか」というヒアリングを行ったところ、多くの人が「うーん……いつって言われても……」とまず回答し、その後に選択肢を示すと、「暑いとき」「ハンバーガーを食べたとき」を選ぶ様子が見えてきたそうです。

顧客が「うーん……」となってしまったことに、インサイトが潜んでいると小宮氏は考えました。

そして、「特定のシチュエーションではなく、わけもなく、急に無性に飲みたくなる」のがコカ・コーラのインサイトであると仮説しました。それをもとに、いくつかの飲料について「無性に飲みたくなる時はありますか?」とリサーチすると、コカ・コーラは「はい」と答える人が突出して多く、この点に関してコカ・コーラがユニークな存在であることも明らかになり、生み出されたのがコカ・コーラの持つ飲みたくなる強い衝動を体感させる「No Reason(理由はない)」というキャンペーンでした。

仮説を持って、深く洞察せず、仮説を持たずに消費者と向き合う調査からはインサイトは得られないということだと思います。

「お客様は心を教えてくれない。だったら自分の心を使えばいい」

「心がわかるとモノが売れる」の骨子となっている鹿毛氏のお考えが、
「お客様は心を教えてくれない。だったら自分の心を使えばいい」です。

著名なコピーライターの糸井重里氏は「いちばん謎なのはじぶんである。いちばん親しいのは自分である。 だったら、じぶんと語りあおう」と、本書を推薦しています。

お客様は論理的に行動しているわけではないので、お客様自身さえ気付いていない「心」が行動に影響を与えている、それがマーケティング用語としての「インサイト」です。誰もが簡単にインサイトを見つけられるわけではありません。インサイトを導きやすくするために、「自分の心」を使うことが大事だと鹿毛氏は教えてくれました。

「人間理解・インサイトアカデミー」の中で鹿毛氏のお話を聞いて最もハッとした話があります。

インタビューや消費者調査の定量分析をゴリゴリと行ってクライアントの戦略を支援しているので、リサーチや洞察のプロとしての自負をもっていましたが、まだまだ考察が甘く修行が足りないと思い知らせました。

鹿毛氏は、インタビューで探索したいインサイトについて、まずは自分の心と徹底的に向き合い、具体的には仮説を何パターンも何パターンも考えておくことが必須であると、模擬のインタビューをやって頂きながら教えてくれました。

そうした仮説を何パターンをもって、それを確かめるようなイメージで、インタビュー対象者と向き合わないとダメだと。そのベースを作っておかないと調査対象者自身も、普段見にいかない心の部分へのアクセスへの誘導など、とてもできないとのことでした。

果たしてこれができているか?と自分に問うと、そこまでできていない、いや、正直言うと、そこまでやっていないことがあり、自分の慢心を恥じました。

これは講義で学んだことのごく一部です。より深いおはなしは、氏のお考えに触れられる書籍や勉強会にあります。今回開催する消費者理会でも、そうしたお話が聞けるかもしれません。消費者理会に参加頂けたみなさんと共に再び学ばせて頂きたいと思います。

心と向きあうことから逃げずに、洞察をするのがマーケター

インサイトを深掘りするために、まず自分の心と向き合うこと。自分が体裁よくふるまっているが本当はこんな欲求がある。本当は自分はこんな人間だ。ということに自ら突っ込んでいきます。真剣に考えれば考えるほど苦しくなります。

本当は自分は何を考えて、こんな行動をしているんだ?と深い部分まで踏み込んでいくのは気持ち悪かったり、辛くなってきたりします。しかし、こうしたことをするのがマーケターだと氏はおっしゃいます。いつも明るく、我々を楽しませてくれる鹿毛氏ですが、我々が想像できないほどの量と深さでそうしたことをやってきたことが伺えます。

ここで、みなさんにお聞きします。

みなさんは、なぜ、このnoteを読まれていますか?

おそらく、このnoteのタイトルや冒頭などから、有益な学びに、なんらかご期待いただいてのことかと思います。では、聞き方を変えます。


みなさんは、「なぜ、学んでいますか?」


「人間理解・インサイトアカデミー」で鹿毛氏と一緒に講義をしていただいたプリファードネットワークスの富永氏から、氏はなぜ学んでいるのか?そのインサイトを考えてみて、言い当ててくださいと問われ、私も「行動経済学など学び自体が楽しいからですか?」とお聞きしましたが、「それは5%(の顕在意識に対応する回答)ですよね」と一蹴されてしまいました。他にも何人かが仮説しましたが、同様に、「それも5%(顕在意識)ですよね」と返されていました。

そんな時、「申し上げにくいのですが・・」という前おきを入れつつ、大先輩マーケター富永氏の学ぶ理由の核心(95%の潜在意識がそうさせる理由インサイト)を言い当てた受講者の方がいらっしゃいました。

富永氏のインサイトは「申し上げにくいのですが・・」という前置きに対応するような理由でした。でも我々の学びのために、「それだよ、それっ!正解!!!笑」と明るく開陳して頂きました。

私も考えました。「なぜ、学んでいるのか?」深く自分の心にアクセスすると、それは、ホントは人には言いたくない(私にとっては)公言するのが最も恥ずかしいことだと分かりました。

なぜ、学んでいるか?(秤小川の場合)

あまり、こうは言いたくありませんが、私の場合は、必死に学び続けないと、仕事がとれなくなる気がして、それが怖くて仕方ないから仕方なく勉強をしているのが真実です。

私は2019年に秤という会社を作りましたが、当初はサラリーマンで、秤は副業用の会社であり、自らの志を表現するためのものでした。なぜ、「秤」かは登記した日にnoteに書いてました。

その後、2020年半ばに会社を辞めて独立して業務委託の複業でマーケター活動をしています。独立したのはなんとかなるでしょ的なイキオイでした。今は仕事がありますが、毎回契約更新に向けて必死です。たまに入る単発案件も対応しながら、なんとか1人で会社を回しています。

私がお受けする役割としてはマーケティングコミュニケーション戦略のコンサルティングやエバンジェリストが多いです。松本さんの様に昔からのお付き合いの方とのお仕事もありますが、基本は新規営業です。仕事内容の特性から、プッシュ営業は合わないので、講演やnoteをきっかけにご相談を頂くプル型営業です。そんなに沢山ご相談があるわけではないので、仕事が来なくなるのが怖くて仕方ないです。

そんな私にも業界随一と胸を張れるスキルがあります(MMMという専門的な分析ですがここでは解説を省きます。)

そのスキルを拡張し、自分のことを多くの方に知ってもらえる様に、マーケティング業界で、なんとか存在感を高めたくて必死です。必死だということが一番恥ずかしいのですが、ここでは心のパンツを脱ぎます。

※心のパンツという表現は意識的に使っています。「心がわかるとモノが売れる」で用いられていた表現です。

以前、広告会社で新規のプッシュ営業を10年以上やってきました。それなりに実績を積みましたが、いまの仕事はそれなりの時間単価を基準としたフィービジネスです。ご紹介またはプル型の新規お問い合わせでないと案件は成立しません。さらに、単価に見合う価値を提供しつづけないと契約は継続しません。独立したての頃に行ったことがありますが、プッシュ型で単価を下げれば仕事はとれます。でも、それだとキツくなることが、わかっているので、そんな風なプッシュ営業をしなくてはいけない状況に追い込まれない様に必死です。自分が納得できるレベルの実力をつけ続けて、自分が納得する単価での稼働を売り、クライアントの期待値と価値を合わせる仕事です。自らの経験とスキルに自信がないと、この商売は続けられないと思っています。今後、おそらく求められるスキルも変わり続けます。だから、学び続けないといけません。

一方でマーケティングの勉強自体が楽しいと思うことも多いです。それも事実です。学ぶ理由はそれだと、自分ではそう思っていました。しかし、それは顕在化した表面的な理由でした。前述した理由が本音だと思います。それまで考えたことはありませんでしたが、自分の心を深く読み解くことで分かりました。心のパンツを脱いで語らせて頂いた先ほどの理由から学ぶ必然性があり、そのモチベーションを上げる、または維持するために、後づけのポジティブシンキングで、自分は「マーケティングの勉強が好きで楽しい」と思い込ませ続けてきて、それが顕在意識になっていたのです。改めて自宅の本棚を見直すと、勉強自体を楽しむためには、お金を使っていないなあと思いました。

以上が「なぜ学ぶのか?」という私のインサイトです。

自分で思い込ませてきたことを忘れちゃうくらい単純思考で、行動しながら考える性格ですので、普段はこんな深く考えずに行動と実践をしてるだけで日々楽しく過ごしております笑。消費者理会のお仕事も次回で17回目です。100回目指したいので、皆さんぜひ、ご参加ください。このプロジェクトを継続するために、必死なんです笑。

さて、

皆さんは、「なぜ、学んでいますか?」

自分のインサイトをみつけにいくために、鹿毛氏がおっしゃる様に自らの心に深くアクセスして頂くと、インサイト仮説のためのプロセスを体験できるのではないかと思います。前述のコカ・コーラを飲む理由についても、自分の心と向き合い、自分が飲む理由を深掘りして何度も何度も仮説をすることで「No Reason(理由はない)」の様なインサイトに近づけるのだと思います。

インサイトを特別なものにしたくない

インサイトを導くのは簡単ではありません。だからといってインサイトを発掘するノウハウを神がかったものにするつもりはありません。特別なものにしたくありません。特別な一部の人のノウハウにしたくありません。マーケター全員の共通ノウハウになることが理想です。今後、自ら実践を続けて、ゆくゆくは自信をもって他者にレクチャーできるようになりたいです。

鹿毛氏、富永氏、大松氏、阿佐見氏、松本さんも、私も。マーケティングに有用なインサイト発掘プロセスを標準化し、高い確率でビジネス貢献するための確実な方法にしていこうとする志は同じだと思います。


【更新情報2024年5月26日】

「その決定に根拠はありますか?」

確率思考でビジネスの成果を確実化するエビデンス・ベースド・マーケティング

戦略を導く為の「エビデンスの作り方」をテーマに、これまで体系化してきたノウハウを紹介したマーケティング・インテリジェンスの書籍を出版致しました。5問の調査でTVCM(施策)→コンビニで商品を見た(要因)→売上がいくら増えたか?→年間16.67億円(効果)の様に経路ごとに構造的に効果を把握する国際特許(PCT)を出願した分析法など、確率モデルや因果推論をプロジェクトで実際に活用している方法を特典の動画講義も活用して実装レベルの知識まで提供しています。