研修980円〜Excelでできるマーケティングサイエンスはじめます。
このnoteではTVCMやWEB広告などの施策がそれぞれ売り上げにどれだけ貢献しているかを定量化し、予算配分の最適化を行うマーケティング・ミックス・モデリング(MMM)分析を知ることができ、Excelでその分析を体験できます。マーケティングの名著「確率思考の戦略論」で紹介されていた数式を実装したExcelも配布します。拙書Excelでできるデータドリブン・マーケティングとZOOM研修とCAMPFIREコミュニティで提供するマーケター向けのデータ活用スキルをサポートするサービスも告知させて頂きます。本当は1万円位で提供しようとしていたリアル研修でしたが、●ロナの影響に負けたくないのでウェビナーに切り替えました。より多くの方にノウハウを共有したいと考え、トライラルで980円にしました。(980円のトライアル価格の告知は2020年3月31日で終了します)
【更新情報2024年5月26日】
「その決定に根拠はありますか?」
確率思考でビジネスの成果を確実化するエビデンス・ベースド・マーケティング
戦略を導く為の「エビデンスの作り方」をテーマに、これまで体系化してきたノウハウを紹介したマーケティング・インテリジェンスの書籍を出版致しました。5問の調査でTVCM(施策)→コンビニで商品を見た(要因)→売上がいくら増えたか?→年間16.67億円(効果)の様に経路ごとに構造的に効果を把握する国際特許(PCT)を出願した分析法など、確率モデルや因果推論をプロジェクトで実際に活用している方法を特典の動画講義も活用して実装レベルの知識まで提供しています。
自己紹介
株式会社秤 代表の小川と申します。セールスプロモーション業界で4年、電通グループなど広告会社の営業とプランナーとして10年、データ分析を軸にしたコンサルティング支援3年強。マーケティング戦略から戦術まで幅広く関わってきました。6年前に高度なリサーチに伴う多変量解析や数理モデルなど、マーケティングサイエンスの必要性を感じて学び、「Excelでできるデータドリブン・マーケティング」という書籍を出版しました。
マーケティングROIを定量化し予算配分の最適化を行うマーケティング・ミックス・モデリング(以降MMM)を中心に、データ分析の演習をしながら統計や因果推論の知識を知ることができる書籍です。宣伝会議のマーケティング分析講座の講師や企業向け研修を提供しています。マーケターが戦略を描くために必要な分析にフォーカスを絞り、そのノウハウを共有する活動をしています。
昨年12月に立ち上げた株式会社秤の社名は日本を代表するマーケター森岡毅氏が率いる株式会社刀より着想を得たもので、氏の様に数字を元に確からしい方法でマーケティング戦略を導くために必要な分析ノウハウを共有していくことを目指しています。
■マーケティング組織に秤を■
秤のホームページではこんな風に紹介しています。
「データの読み解きかた」が重要
これまでは研修や分析、マーケティング戦略策定など、主にtoB(マーケティング組織向け)のサービスを行ってきました。今回の取り組みはtoC(マーケター向け)です。マーケティング戦略の意思決定に必要なデータ分析の知識をより多くのかたに共有することが目的です。
■「データの読み解きかた」を知ることで誤った判断を回避する■
たとえば、インターネット広告Aと広告BでABテスト(専門用語では「ランダム化比較試験」)を実行したとします。
広告A:200クリックでコンバージョンが2件(CVR1%)
広告B:400クリックでコンバージョンが8件(CVR2%)
上記の結果だった場合、Bの効果が良いと判断していませんか?
ABの差は確からしいものなのか?(偶然やデータのバラツキによるものではないか?)検証する方法のひとつとなる独立性の検定を行うとP値は37%強です。一般的に用いる5%の有意水準を大きく上回っており、実はBが良いと判断するのは危なっかしいです。
マーケティング業務で確からしい判断をするには適切な分析法を知り、正しいデータの読み解きかたを知る必要があります。
他にも、定量調査での標本抽出や回答時のバイアスの補正や必要なサンプルサイズを計算する方法や、効果検証でTVCMを打った前後の売上やアンケートによる購買意向率などを単純比較する、TVCMが当たった集団と当たっていない集団を単純比較してその差分を効果とみなすのではなく、正しく判断するための分析を使うこと(※1)など、誤った意思決定を回避するためのマーケティングサイエンスの知識が必要です。
■誤った判断を回避するための手法のひとつがMMM■
確からしい判断をするための知識を学ぼうと思っても、「分散と標準偏差とは・・」「ルービンの因果モデルとは・・」といった教科書的な話から入る研修や書籍はとっつきづらいと思います。そこで、ビジネスインパクトの大きい(※2)MMMの分析を体験しながら、確からしくマーケティングの意思決定を行うための基礎知識(統計や因果推論)を学べる書籍を書きました。
MMMで何が出来るのか?
マンガ風に解説します。(堅い内容なので少しでも柔らかく)
MMM分析ツールで分析を体験
MMMでできることをイメージ頂けたでしょうか?
ピンとこなくても大丈夫です。というのも、これからMMM分析ツール(私のオリジナルプログラム)で分析を体験できるからです。データを触ってみることで、感覚的に理解できることがあります。その感覚を掴むと分析を学ぶことが楽しくなります。
分析ツールは私がある時期に1年1ユーザー1台のパソコンでの使用のライセンスが1,000万円近い高価なMMM分析ソフトを使っていた経験を活かして、分析法を体系化したもので拙書の付録にしていたものです。このnoteを読んで分析を体験してから、ZOOM研修を受け、拙書で復習すれば理解を深めることができるはずです。
■MMMを体験■
拙書ではアルコール飲料と通販の2つの架空の事例で演習し、2年強の週次の粒度の時系列データを解析し予測モデルを探索します。
ここでは、アルコール飲料の事例で分析を体験してみましょう。Excelの分析ツールの回帰分析は操作に時間がかかり、説明変数の最大数が16です。(オリジナル分析ツールでは20まで対応)多重共線性という致命的なエラーを把握する為の値(VIF統計量)を計算することも出来ません。こうした課題をクリアし、作業を効率化するため、分析の手順を汎用化し、マクロを組んだ【MMM_modeling】Bookを予測モデル探索に使い、最終的に選択した分析モデルのデータを【MMM_simulation】Bookに転記して予算配分を試算する手法を開発しました。
モデリング用とシミュレーション用の2つのExcel Bookをセットで活用し、予算配分最適化計算まで行えるようにしました。
ここでは【MMM_modeling】Bookで行う分析の一部を紹介します。
【演習データ①MMM_modeling_@アルコール飲料売上数】Bookを開いてみてください。
■「元データ&折れ線グラフ」Sheet■
アルコール飲料、TVCM、紙媒体、OOH(アウト・オブ・ホームメディア)、WEB広告の5つの変数と、時系列グラフが記載されています。
118週の時系列データです。それぞれの変数の単位は売上は本数、TVCMはGRP(グロス・レーティング・ポイント)、紙媒体とOOH(アウト・オブホームメディア※交通や屋外広告など)は出稿金額(円)でWEB広告はクリック数です。
このデータを元に、それぞれ売上(本数)に対して、4つの施策(TVCM、紙媒体、OOH、WEB広告)がどれだけ貢献しているか?数理モデルで効果を定量化していきます。
次に「ソルバー回帰」Sheetを開き、赤く囲んだセルにそれぞれTVCM・紙媒体・OOH・WEB広告と入力してみてください。
HLOOKUPという関数で「ローデータ」Sheetの5行目(データ項目)と合致する変数を参照するようになっています。候補となる変数を組み替える作業をラクにするため、こうした関数を組んでいます。
次に、「LINEST回帰」というボタンを1から4まで順番に押してみてください。LINESTは回帰分析を行うための関数です。「LINEST回帰」はそれぞれ左端にある説明変数から何個目までを説明変数として分析に使うかを対応させたマクロです。
「ソルバー回帰」Sheetの右上には折れ線グラフが自動生成されます。
青い線は目的変数(売上)の実際の値(実績値)で、赤い線は予測値です。説明変数を4つ使ったLINEST回帰4のほうが実績値と予測値の乖離が小さくなっています。
次に、Excelの最適化計算ツールのソルバーを使って、TVCMなど各施策の効果が翌週に〇%ずつ持続する仮定を考慮した「残存効果」や、(週あたりの)投下量が増えれば増えるほど、売上が増える効果が逓減する「非線形な影響」を考慮するための値をグリグリと探索していきます。この機能を使って予測精度を上げながら、効果の推定も確からしいものしていきます。
ソルバーを使ったことが無い方も多いと思います。使うためには、Excelオプションのアドインの「設定」をクリックします。
ソルバーアドインにチェックを入れます。良い機会なので、よろしければ「分析ツール」「分析ツール-VBA」もオンにしてみてください。
「OK」を押して、Excel操作画面に戻ったら「データ」タブをクリックし、「ソルバー」をクリックします。
あらかじめソルバーの各項目の設定がされています。(各項目の説明は割愛します)
のちに説明するプロモーション4変数のうち、「残存効果〇%を加味するか?どれくらい非線形な効果を加味するか?その基準値△」の〇と△を可変しながら最適な値を探索します。回帰分析のロジックの中心となる「(予測と実績の)残差平方和」を最小化する目的で最適化計算を行います。
「解決」というボタンを押してみましょう。(GIFアニメを下記にて)
回帰分析のアルゴリズムの基準となる「(予測と実績の)残差平方和」を目的セルとしており、その値を最小化する計算を行っているため、その値がだんだん小さく変化していきます。最適化計算が終わったらOKを押して、再びLINEST回帰4を押し直してVIFも押してみてください。
青枠の補正R2はExcel独自の用語で、正確には自由度調整済み決定係数と言います。予測式によって、目的変数の変動をどの程度説明できているか?いわば回帰分析モデルの予測精度の目安となる指標です。
赤枠のうち、係数は回帰分析によって求めた係数です。残存効果(〇)と累乗(△)という値が、それぞれ「残存効果〇%を加味するか?」とどれくらい非線形な効果を加味するか?その基準値△」となり、予測精度を高める(=残差平方和を最小化)というアルゴリズムで最適な〇と△と係数と切片を最適化計算によって求めた結果です。たとえばTVCMの残存効果は49.2%と計算されています。
MMMの分析結果で最も興味があるのは「効果数」です。TVCMは55,564,001となっています。これは推定した係数と(残存効果と非線形な影響を加味して変形した値)を掛け合わせて合計することで導いた「TVCMによって売上数が何本増えたか?」を推計した値です。
なお、残存効果と非線形な影響の基準値を探索するためのソルバーを実行する前にLINEST回帰4を行ったときの結果は下記でした。
残存効果と非線形な影響をソルバーによって加味したことで、自由度調整済み決定係数(補正R2)は0.520640から0.593553まで上がっています。
また、TVCMの効果数は12,942,785で、ソルバー実行後にLINEST回帰4を行った時の効果数55,564,001の23%強しかありません。なお、両方の分析結果ともOOHの係数はマイナスになっており、当然ですが効果数もマイナスです。
実際の分析の手順では、折れ線グラフを見て予測値と実績値が大きく乖離している箇所から、売上に影響していると考えられる新たな説明変数(「正月」「ゴールデンウィーク(GW)」「お盆」)を発見して追加したり、月次の季節性を考慮するための変数を加えたり、OOHとWEB広告は1週間遅れて効果があると仮定する「タイムラグ」を加味したりといったことを、さらに予測精度の高いモデルを探索していきます。そうした手順を行なっていった結果、(筆者が紹介するMMM分析法で)最良と思われた分析モデルが下記です。
文字が細かくて見えないと思います。ふたつめの演習データの「ソルバー回帰」Sheetを開いて確認してみてください。
青枠の自由度調整済み決定係数は0.863678まで上がっています。予測値と実績値の乖離もかなり小さくなっています。
OOHの係数もプラスになり、効果数は6,521,468になっています。
赤枠のTVCMの効果数は69,034,678です。残存効果などを加味せずにLINEST4回帰で分析した時の効果数は12,942,785で約18.7%と、乖離が大きくなっています。
筆者が開発した【MMM_modeling】Bookの売りは、翌週または翌々週、最大10週先まで効果が続く可能性を考慮する為の残存効果と週ごとの投下量の増加に伴い効果が減衰する非線形な影響を加味する為の複雑な演算をソルバーで行い、予測精度を上げていき、じわじわ効いているTVCMなどの施策の効果を過小に推定して判断を誤るリスクを減らしたことです。
実際に回帰分析でMMMを行ってみるとマーケティング施策の効果(プラスの値)を仮説し推定していきたいのに、係数がマイナスなんてことはよく起こります。タイムラグや残存効果や非線形な影響などを加味しながら、必要な説明変数を加えたり外したりして、精度の高い予測モデルを探索していきます。
また、冒頭のマンガ風解説でMMMはモデリングとシミュレーションのセットだと説明していました。次にシミュレーションをどんな流れで行うか?拙書の演習手順を抜粋して紹介します。
■シミュレーションについて■
最終的に使用した分析モデルのデータを【MMM_modeling】Bookから【MMM_simulation】Bookに貼り付けてグラフを生成します。
横軸が週あたりの投下金額、縦軸が各施策がアルコール飲料の売上を増やす本数です。傾きが最も急なWEB広告が最も効率よく売上本数を増やすことになります。TVCMは横軸の投下量が増えると縦軸の効果数の増加量が逓減していく非線形な影響が考慮されています。このモデルを基準とし、各施策の投下量の実績を100パーセントとした際にそれぞれ何パーセントに変更し、更に全体の予算は実績予算を超えないという制約をかけ、売上数を最大化できるか?を目的関数として【MMM_simulation】Bookでソルバーの最適化計算を行うと下記の結果になります。
WEB広告(現状の7倍)に配分しましょうという極端な結果です。私が過去に使っていたMMM分析ソフトはこうした杓子定規な試算結果となり、実戦に使えませんでした。
そこで考えたのは施策の投下量ごとの単価変動を考慮してチューニングするシミュレーション法です。例えば、WEB広告はリスティングやDSPなど入札制で機械的に値付けされる運用型広告が主体となる為、一般的に投下量を増やすとクリック単価など仕入れ単価が上がる傾向にあります。反面、TVCMなどは人的な交渉による為、一般的に投下量を増やすことで単価を下げやすくなります。効率だけでなく、違う理由から、ある施策については実績に対して70パーセント以上は投下する。といった制約をかけることもときに必要です。拙書の演習では、そうした現実的な前提を考慮した補正や制約条件を加えながら、最適な予算配分を算出していきます。最終的な試算結果が下記です。
納得感のある配分案になったのではないでしょうか?このシミュレーションでは、実際の予算と同じ予算で約10%以上売上本数が増える見込みとなっています。施策ごとに予算が増えるとどれだけ単価が上がるのか?または、下がるのか?現実的な前提を任意に設定してシミュレーションできるようにしました。
ここまで、アルコール飲料の事例でMMMの分析手順を抜粋して紹介してきました。
通販の事例では、TVCMやインフォマーシャルがコールセンターの売上を増やす効果、インターネット申し込みを増やす効果。2つの効果を予測するモデルを作り、2つの効果を踏まえた予算配分を試算します。リアルとネット双方の売上貢献を踏まえたオムニチャネル予算配分試算です。これも、既存の分析ソフトに無かった機能を実現したものです。ZOOM研修の復習用教材として拙書の通販の事例までチャレンジ頂ければ幸いです。
ZOOM研修1回3.5時間(休憩含む)980円
拙書で本格的に学ぶ前にMMMの分析手法の要点をレクチャーするもので980円にしました。(2020年3月末までの告知分まで)
この研修は、MMMを使いこなす想定ではないマーケターのみなさんにも提供できる価値があると思っています。それは、データから事象を予測、または推定する感覚を身につけることです。マーケティングにおいて機械学習やAIなどの利活用はさらに進んでいきます。MMMの研修を受けて頂くことで、データから事象を予測、または推定する感覚を身につけ、AIが探索的に行う分析をイメージできるようになると思います。たとえば下記の文献の内容は一見難しく見えますが、回帰分析の活用が中心であり、MMM研修の内容と近いです。
「確率思考の戦略論」で紹介されたガンマ・ポアソン・リーセンシーモデルなどの分析の研修も980円。
マーケティングの名著「確率思考の戦略論」で紹介されたガンマ・ポアソン・リーセンシーモデルなどの分析が学べる研修も行います。著者の森岡氏は数学を用いた独自の確率統計ノウハウなどを駆使し、低迷していたユニバーサル・スタジオ・ジャパンをV字再建した日本を代表するマーケターです。もう1名の今西聖貴氏は市場構造の解析および需要予測モデル開発運用における世界の第一人者です。
同書籍で語られていたエピソードに、USJが10周年となる2011年に前年7万人のハロウィーンの集客を倍の14万人以上にできると需要を予測し、そこに注力する戦略を打ち出したことがあります。その意思決定に使われた分析法がガンマ・ポアソン・リーセンシー・モデルです。
森岡氏は注力すべきターゲット消費者(WHO)を独身女性に定め、彼女たちがハロウィーンに本当は何を期待しているか?という本質的なインサイト(WHAT)を捉え、そこに的を定めました。こうした戦略設計から導いた打ち手(HOW)のハロウィーン・ホラーナイトによって、走攻守ならぬWHAT、WHO、HOWが合致し、予測をはるかに上回る40万人の集客を達成しました。前年比で33万人の増加です。この企画では主に地元ニーズにフォーカスしたそうです。地元の方の来場と購入の一人あたり単価が1.5万円としておよそ50憶円の経済効果です。多くのマーケターはこのケーススタディのWHOやHOWの秀逸さに着目したのではないかと思いますが、そもそもすごいのは、10月のハロウィンニーズに注力するというWHATを確率予測モデルから導いたことです。10月は同パークの最大の需要期でした。通常であれば、感覚的に閑散期の1~2月や5~6月のほうが伸びしろと捉えるのではないでしょうか?
確率的手法を用いたガンマ・ポアソン・リーセンシー・モデルの需要予測計算によって9~11月のハロウィンに更なる伸びしろがあると判断したそうです。競合のTDLの来場者を予測する方法のひとつとしても使用されていました。最後にいつ◯◯したか?というアンケート回答(リーセンシーデータ)を用いた分析で、消費者の需要を構造化し定量的に把握することが出来ます。
書籍で紹介されていた数式を実装した下記のようなExcelファイルを演習で提供します。
書籍の279ページ(ガンマ・ポアソン・リーセンシー・モデル解説)で紹介されていた制汗剤(デオドラント)の事例に合わせて、m=1.37552とK=4.06100という値を入力しています。MとKの値を変えると、Sheet上部のD列の期間別浸透率(予測)の値とSheet下部の【B35】セル以下の回数別浸透率(予測)の値が変わります。
書籍で紹介されていた他の事例(たとえばP27のパンケーキ、歯磨き粉、本の貸し出し)のMとKの値を入力してみると、対応する回数別浸透率と期間別浸透率の予測値が分かります。
実際のマーケティング意思決定に活かすための分析方法を研修でレクチャーします。過去書いたnoteもこのSheetを使って分析していました。
無料で使用できるExcelの統計ソフトを使って2値ロジスティック回帰やクラスター分析を体験する演習も行います。例えば、1,000人の顧客アンケート調査などのローデータが手元にある時、興味のあるアウトカム(例えば特定商品の購買有無)に影響がありそうな変数は何かを探索したり、1,000人を何クラスタかに分けて分析することで新たなニーズを探索できます。マーケティング戦略のWHATやWHOを仮説するためのデータドリブンな手法を演習します。
ZOOM研修受講をご検討頂く際に
Excelで分析の演習を行うのでパソコンでの参加を推奨します。複数デバイスで参加も出来るのでスマホ(講義用)とパソコン(Excel演習用)両方で参加するのが更にオススメです。
■PC環境について■
講義時のExcelの操作画面は筆者のWindows環境で行いますのでWindowsを推奨します。演習では関西学院大学社会学部 社会心理学研究室 清水裕士氏が製作された「HAD」という統計ソフトを使います。HADの動作基準からWindowsの方はExcel2010以降をお使いください。MAC用のExcel操作で講義ができませんが、各自で咀嚼して頂く形で宜しければ、最新のExcel for Mac 2016以降で参加ください。
■ご参加推奨条件■
Excelを「ある程度扱える」こと、ZOOMウェビナーの参加に支障がないことです。それを具体化するため、下記1から4までを確認ください。知らなかった内容は参考リンクをご覧ください。
■ZOOM連携Paypal決済について
ZOOMの活用が広がっていますが、有料ウェビナーの開催はまだ少ないようです。本研修はZOOM連携のPaypal決済です。この方法で決済するウェビナーは初めてという方がほとんどだと思います。ここでは各セミナーの登録用リンクをクリックして決済するまでの手順を紹介します。おおまかには、登録用リンク→名前とメールアドレス登録→課金→招待用リンク発行という流れです。
まず、登録用リンクをクリックするとZOOM登録画面に遷移します。
おなまえとメールアドレスを入力頂き、支払いおよび登録ボタンを押して頂きますと、下記のPayPal画面に遷移します。PayPalアカウントのないかたは「アカウントを解説する」からアカウント登録をお願いします。
そのあとは、クレジットカード登録など画面にしたがって入力頂き決済まで行って頂きます。決済が終わると、下記のZOOM画面に戻ります。このURLをクリックして参加してください。というリンクが固有の招待用リンクとなります。自動メールも配信されます。セミナー開始1週間前と1日前にリマインドメールも配信されます。
招待リンクをクリックして以降の操作は無料ウェビナーと同様です。ZOOMウェビナー参加がはじめての方は下記を参考にして下さい。
■ご注意事項
ZOOMのミーティングまたはウェビナー参加に慣れていない方は必ず各セミナー開始の10分前には入室を終えてください。ホスト(私)は、各講義開始時間の10分前にはZOOMを開始し入室する様に致します。講義はオンタイムで始めます。
告知
以下の告知内容は適宜更新させて頂きます。
※トライラルでの980円のZOOM研修の募集は終了しました。
ストアカで後続サービスを開始しています。マーケティング意思決定に有用なサイエンスを学ぶことができる2時間1,000円のオンライン講義です。
マーケティング投資最適化の教科書(基礎理解編)
以上(告知部分終了)
さいごに
マーケターが身につけるべきスキルは何でしょうか?ビックデータエンジニアリングでしょうか?AIの実装法でしょうか?それはそれで、これからのマーケティングに非常に重要なスキルですが、HOWの実行であり、「戦術」のスキルです。
より重要なスキルは戦略を導くためのデータドリブンではないか?私はそう考えています。確率思考の戦略論と対となる森岡氏の著書、USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門より引用すると、戦略とは、「資源配分の指針を決めること」です。
マイケル・ポーターは戦略とは詰まるところ捨てることだとしています。経営資源には限りがあるため、何かを選んだら何かを捨てる必要があります。限られた資源を何に集中させ、代わりに何を捨てるのか?を決めることが重要です。
株式会社刀が支援した丸亀製麺は、店内製麺による美味しさを伝え、わざわざお店に来たくなるうどんがあることを訴求するTVCMに注力したことでV字回復を果たしています。販促のための都度の投資を捨て、ブランドの根源的な価値を伝える投資に注力しました。TVCMというHOWは変えていません。WHOとWHATを変えました。
それまで行われてきた都度の販促としてのフェアのTVCMをバッサリ捨てて、ターゲット(WHO)に伝えるべき根源的な価値(WHAT)を定義し、それを伝えるTVCMに最大限注力する、こうした全社レベルのマーケティング戦略を経営者の鶴の一声ではなく、データを元にして組織的に決めること、意思決定プロセスを再現性のあるものにすることが本質的なデータドリブンではないでしょうか?
組織がデータドリブンになるためには、所属するメンバーが秤となる知識を知り、組織の共通言語にすることです。マーケティングのWHOとWHATを仮説し、HOWの資源配分の指針を決めることを確からしい方法で行うための知識です。第一歩を踏み出す為に作ったプログラムがExcelでできるマーケティングサイエンスです。
皆さんと学びを共有し、秤を浸透させて行くことが、日本のマーケティング力の底上げにつながると信じて活動して参ります。ここまでお読み頂きありがとうございました。
【更新情報2024年5月26日】
「その決定に根拠はありますか?」
確率思考でビジネスの成果を確実化するエビデンス・ベースド・マーケティング
戦略を導く為の「エビデンスの作り方」をテーマに、これまで体系化してきたノウハウを紹介したマーケティング・インテリジェンスの書籍を出版致しました。5問の調査でTVCM(施策)→コンビニで商品を見た(要因)→売上がいくら増えたか?→年間16.67億円(効果)の様に経路ごとに構造的に効果を把握する国際特許(PCT)を出願した分析法など、確率モデルや因果推論をプロジェクトで実際に活用している方法を特典の動画講義も活用して実装レベルの知識まで提供しています。